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東京都立南葛飾高等学校

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2025/09/16 イベント

「令和7年度 南葛祭」×「DXハイスクール(完全キャッシュレス文化祭)」の実践報告について(令和7年9月16日掲載)

 令和7年9月12日(金・校内公開)、13日(土・一般公開)の二日間、東京都立南葛飾高等学校「令和7年度 南葛祭」を実施いたしました。

 

 二日目の「一般公開」では、本当に大勢の皆様にご来校いただき、誠にありがとうございました。

 生徒の日ごろの頑張り、またこの日のために努力してきた成果を、ご来校いただいたお客様にお見せできたのではないでしょうか。

 

 さて、今年度の「南葛祭」は、都立学校初めての「完全キャッシュレス文化祭」に挑戦いたしました。

 

 昨年度・令和6年度から、本校は文部科学省の「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」の採択校となっています。

 1学期には、「生成AI活用」「校務DX」の二つの分野について、それぞれ大変ご高名な先生方にお越しいただき、教員研修及び生徒講話・演習を実施しております。

 参考)東京都立南葛飾高等学校「第1学期『DX行事』(教員研修・生徒向け講演及び演習授業)を行いました。(令和7年7月29日掲載)」

    https://www.metro.ed.jp/minamikatsushika-h/news/2025/07/newsentry_106.html

 

 そのような中で今回このような取り組みに挑戦したのには、前年度までのイベントの振り返りが関わってきます。

 

 昨年度までの「南葛祭」では、食品等の支払い方法に紙による「金券」を使っていました。

 しかし、来場者や生徒から「金券をいちいち買う手間が面倒くさい」「文化祭終了後の計算に手間取る」といった声が度々挙がっていました。

 そのため、文化祭を実施・運営する生徒指導部から、DXハイスクール事業を取りまとめるDX推進委員会に、「完全キャッシュレス文化祭」による「DX化」を提案されました。

 

 この取り組みを始める上で、本校では、数ある電子決済サービスのうち、「Square(スクエア)」の決済サービスを導入しました。

 本校が所在する葛飾区を中心として、来場者の多くが日常的に「電子決済」を行っていないであろう現状を踏まえ、①交通系IC(Suica・PASMO等)等の「タッチ決済」 ②クレジットカード・デビットカードの「カード決済」、そして③「QRコード決済」(d払い・au Pay・メルペイ・Alipay+・WeChat Pay)と、多様な決済手段を同時に、また容易に利用できる点が選択理由の一つでした。

 また、タブレットと、専用の決済用リーダーを購入すれば、次年度以降に新たな出費を必要とせずに継続して実施できる点も、選択理由となりました。

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 校内公開前日に、販売団体となった3年生各クラスと担任団が集まり、30分ほどの説明会を行いました。

 事前に商品を各団体ごとにアイコンで登録することで、テンキーの押し間違いや、個数の入力間違いを防ぐ対策を施したことで、生徒たちもすぐに操作に慣れることができました。

 また、実際に「タッチ決済」「カード決済」「QRコード決済」の3種類の決済方法の対応についても、担当教員による説明と簡潔なマニュアルを見ながら覚えることができました。

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 販売当日、本部から端末一式を各クラスに貸し出し、実際に運用する段階になりました、

 一部のクラスで校内Wi-Fiへの接続不良や、タブレットとリーダーのBluetooth接続に不具合が出ましたが、それも最初だけで、二日間を通して大きなトラブルはありませんでした。

 また、教員間で不安視された「現金しかお持ちでないお客様がいたら」という懸念も、事前に本校SNSで繰り返し周知し、また当日も校内外にポスターを貼ることで、お客様から特段言及されることはありませんでした。

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 本部ではリアルタイムで各クラスの売り上げ状況や在庫数を追っていくことができ、1日目が終わった段階で生徒にもすぐ販売数や売上金を示すことができました

 翌日に向けた生徒の準備から、これらの計算作業や金券の整理作業を全て省くことができたのも、まさに「DX」の恩恵となりました。

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 「校内公開」と「一般公開」の二日間で、およそ「1,500件・300,000円」分のお客様への販売を、全て「キャッシュレス決済」で行うことができました。

 各店舗にも、本部にも、お客様が困っている様子は無く、予想をはるかに超えて円滑な文化祭となりました。

 終了後の「売上報告」も、閉祭のタイミングと同時に本部の端末から各クラスや校内の各部署に伝達することができ、これまで文化祭で皆が四苦八苦していた「会計作業」の「大幅な効率化」を果たすことができました。

 また、終了後には、お客様がお使いになった決済手段を確認することができ、87%が電子マネー(主に交通系IC)、9%がカード決済、4%がQRコード決済であったことも、多様な決済手段を設けた効果であると感じられました。

 

 これまで「困っていたこと」を「デジタルの力で解決した」という経験。

 「デジタルが人々の生活を助けてくれる」という気付き。

 まさにこれが、「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」の為せる技であると、準備段階からの数か月間、そして最後の本番二日間で強く感じた次第です。

 

 今回の「完全キャッシュレス文化祭」実施に当たり、電子決済のご準備をいただいたお客様方、様々な疑問や質問にご対応いただいた企業様、そして当日に向けて前向きな気持ちで、そして軽やかな対応で各販売店舗を切り盛りしてくれた生徒・担任団に、本校・文化祭キャッシュレス担当者として感謝しております。

 

 今年度の残り半年、そしていよいよ「DXハイスクール事業」最終年となる来年度は、さらに社会に出た後の生徒のためになるような学びの機会と取り組みを、本校DX推進委員会として実施していきたいと思います。

 今後も保護者・地域の皆様をはじめ、多くの皆様に、本校の「DXな」教育活動へのご理解とご協力を賜りますよう、引き続き何卒よろしくお願いいたします。