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美原高校は、生徒一人ひとりの興味・関心や進路に応じて学びを組み立てる単位制高校です。
生徒が自ら履修科目を選択し、主体的に学ぶことを重視しています。
その特色を生かし、教室の中だけでなく、地域や社会とつながる体験的な学びを積極的に取り入れています。

今回の生物実習では、学校周辺の地域資源を教材とし、大森の伝統産業である海苔づくりに取り組みました。
美原高校から徒歩数分の場所にある「海苔のふるさと館」のご協力のもと、
実際の海苔づくりを体験し、地域の方から直接お話を伺いました。

実習では、細かく刻まれた海苔の原料を水に溶かし、木枠と簀(す)を使って一枚一枚丁寧に海苔をすく工程を体験しました。
原料の混ぜ方やすくい方によって仕上がりが変わるため、生徒たちは自ら考え、工夫しながら作業に取り組んでいました。
また、天日干しの工程を通して、自然環境が生産に大きく関わることも学びました。

近年の気候変動の影響で海水温の上昇などにより、近年はクロダイやキチヌといった魚が増え、
養殖している海苔を食べてしまう被害が広がっているそうです。
魚に罪はありませんが、海苔の養殖者にとっては大きな課題であり、
地域の産業や暮らしに直結する問題となっています。

生徒からは、「海の環境が変わることで、食べ物や仕事に影響が出ることが分かった」
「SDGsで学んだ『海の豊かさを守ろう』が、身近な地域の問題とつながっていると感じた」
といった感想が聞かれました。
今回の実習を通して、生徒たちはSDGsの視点から海の豊かさを守ることと、
地域経済を支える産業の関係について考える機会を得ました。
身近な大森の海から、気候変動という地球規模の課題へと学びを広げることができた実習となりました。

美原高校では、単位制の柔軟なカリキュラムを生かし、
地域・社会・地球とつながる学びを今後も大切にしていきます。