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スポーツ実践、選択バレーボールの授業の一環として、
生徒たちはデフリンピックのビーチバレーボール競技を観戦しました。

デフリンピックは聴覚障がいのある選手による国際大会で、
約100年の歴史をもち、日本で開催されるのは今回が初めてです。

美原高校から徒歩5分の場所にある白い砂浜のビーチバレーボール専用コートでは、
世界各国の代表選手が熱戦を繰り広げていました。
日本代表の応援では、社会福祉の授業で手話の基礎を学んでいる生徒が中心となり、
即席の「手話ミニ講座」を開いて、手ぶりやジェスチャーを交えながら選手たちを応援しました。



会場ではデフリンピック公式Tシャツの販売も行われ、
平日にもかかわらず多くのボランティアや地域の子どもたちが集まり、
笑顔と拍手に包まれた温かな雰囲気となっていました。
観戦後には、日本代表選手から直接サインをいただく生徒の姿もあり、
「サインボールは一生大切にしたい」と話す姿が印象的でした。

試合を見守った生徒たちは、「音がなくても、チームの気持ちが伝わってくるのがすごいと思った」
「どの選手も笑顔でプレーしていて、自分も勇気をもらいました」と口々に感想を語り、
耳が聞こえないことをハンデと感じさせない全力のプレーに深く感動していました。

「今日は風が強いけど、ちゃんとコミュニケーションできていてスゴイ!」
「思ってたより盛り上がっている!たくさんのボランティアさんやスタッフが支えているんですね」
と話す生徒の姿からも、
この体験が確かな学びとなったことが伝わります。
また、「勝敗やメダルだけでなく、国際交流や世界の広い視野を持つことが大切だと感じた」という声もあり、
スポーツを通して国際的な感覚や障害への理解が大きく広がりました。
同じく陸上競技でも世界のトップレベルの記録が次々と生まれています。
100mの美原高校新記録を出した生徒は、デフ日本記録が10秒59(+1.4)と知って
「音が聞こえないのに(美原高校記録より速いので)負けた!かなわないタイムですね、驚いた!」と話していました。
デフリンピックの陸上競技は、普段自分たちが大会で使用している駒沢オリンピック公園陸上競技場でも行われており、
「大切なのは環境じゃなく努力。自分ももっと頑張ろうと思いました」
「午後の授業がない日に、実際に会場に見に行ってみたい」と意欲を見せる生徒もいました。

今回の取材や掲載許可にあたっては、
日本デフリンピック委員会および日本デフバレーボール協会の皆さまにもご協力をいただきました。
心より感謝申し上げます。

今回の授業・学びを通して、生徒たちはスポーツの力だけでなく、地域との協力や社会とのつながりの大切さを実感しました。
単位制・選択制の利点を生かし、生徒一人ひとりが興味や進路に応じて学べる
美原高校ならではの授業づくりが、こうした貴重な体験につながっています。