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26 27オープンラボ

 オープン・ラボの取り組み

 
物理・化学・生物・地学の理科4科目と、数学科及び情報科等で展開・実施。学校の各実験室や各教科の職員室等を放課後や休日などに公開すると共に、教員が生徒の相談に応じるなど、いつでも自らの課題を解決できるようにしている。

 

【オープン・ラボ物理】

物理科のSSHのスローガンは、「自分の頭と手を使って、物理を学び、楽しむ」です。工作道具を揃え、課題研究の時間と放課後を使い、様々なテーマに沿って、調べ、考え、オリジナルの実験装置を自分で作って研究を進めています。

ロボカップジュニア2016東東京ノード大会20151122

写真甲子園2015全国大会出場決定20150729

●平成26年度の実践報告

1.open lab. 物理について

 この取り組みは、第1期のSSHのときから行われ、物理科では「自ら作り、考え、科学を遊ぶ」というテーマを掲げて6 年間取り組んできた。その中で、「物理チャレンジ」やポーランド科学アカデミー主催の国際論文コンテスト「First Step to Nobel Prize in Physics」に向けた研究を行ってきた。また、毎週木曜日には輪読を行っている他、何らかの工作をしたい生徒が放課後に物理室で作業をするなど、物理室はオープン・ラボとして、いつでも生徒が自由に使用することができるようになっている。物理研究会が発足して6 年が経過し、その中でも様々な取り組みが行われるようになった。

2.輪読

 輪読は毎週木曜に上條隆志先生を中心として行っている。今年度も昨年度に引き続き、『だれが原子をみたか』(江沢洋著)の輪読を行なってきた。この輪読では、本をみなで読み進めるだけでなく実際にブラウン運動の観察を行ったり、ボイル・シャルルの法則を実験で確かめたりするなど「自ら作り、考え、科学を遊ぶ」というテーマにふさわしい活動が行われている。この時間の物理実験室はフィロソフィー「空飛ぶ物理一座」と同様、知的で楽しい空間となっている。

3.WRO への取り組み

 昨年度に引き続き今年度も、World Robot Olympiad(WRO)のRobo Cup Junior Rescue 東東京ノード大会に前期生の2チームが出場した。この大会は、地震などの大規模災害時を想定し、自立したロボットが被害者に見立てた缶を安全な場所に避難させるというものである。出場した1年生のチームにとっては初めての大会で、独特の雰囲気を味わうことができたが、基本となるライントレースに失敗してしまい勝ち進むことはできなかった。しかし、他のチームのロボットからたくさんのアイデアをもらうことができた。そして、災害救助ロボットに必要なことは「慎重性」だということを学ぶことができた。これらの経験を生かし来年度はより高いレベルの競技にチャレンジする計画である。

4.写真への取り組み

 「物理チャレンジ」や国際物理コンテストに提出する実験報告書には、多くの写真を用いる。このため科学写真の撮り方を指導しているが、中には写真そのものに興味を持って活動を行っているグループがある。このグループは「高校生写真サミット」や「写真甲子園」などの全国大会への出場を目標に活動している。今年は、「写真甲子園」が関東ブロック準決勝進出、「高校生写真サミット」につながる予選では、入賞1回、準佳作2 回で数ポイントの差で全国大会に出場することはかなわなかった。実験研究などをするグループを記録の面でサポートしながら、今後も写真の全国大会出場を目指していく。

5.結果だけでない取り組みを

 物理科では「物理チャレンジ」や国際物理論文コンテストへの取り組みも行っている。目標は全国大会への出場であり、そこでさらに上位を目指すことである。しかし「勝つこと」だけが目標にならないように留意しながら指導を行っている。これまでの取り組みの中での成果としては、「物理チャレンジ」において実験優秀賞を得たり、全国大会に出場したりというものが目立つが、最大の成果は、抜けていくメンバーがほとんどいないということである。

 何かの大会でよい成績を残していくためには、意欲的で優秀なメンバーだけ残ればいいというわけではない。また思うような結果を残せなかった研究がダメだったというわけでもない。ここはまだ中学校・高校の段階であり、生徒の人生はまだまだ続いていく。私たちが大切だと考えているのは、これからも自分の取り組みを続けていきたいと生徒が感じることであり、その喜びを体験させ、次へとつながる経験をさせることである。放課後に物理室で遊んでいたことがとてもよい経験になったと生徒があとになって感じることができるよう、今後も環境の整備と指導を行っていきたい。

 

【オープン・ラボ化学】

 化学科の取り組みは、化学研究会の「化学大好き生徒」達を中心に、生徒達に未知なる自然に主体的・実践的・研究的に問いかけさせて、「見えない性質・法則性」を発見させ、感動する取り組みです。

●平成26年度の実践報告

英語の実験書で行う実験授業

1.はじめに

 本校は3 年生でオーストラリア海外語学研修を実施している。現地では、生徒が約20 名ずつに分かれて8 校の海外連携校で授業を受けるプログラムとなっている。現地では、8 校すべてに共通したテーマとして「酸と塩基」の実験授業の実施を依頼している。この経験も生かして、高校化学基礎の「酸と塩基」の単元で中和滴定の授業を英語の実験書で行う授業を4 年生を対象に、昨年度から行っているので、その実践について報告する。

2.授業概要

 英語の実験書は、作成したのち、ALT の教員に添削を依頼し、修正したものを用いた。専門用語については日本語訳をつけてある。生徒には事前に予習をしてくるように指示した。今回設定した中和滴定の実験は、日本語の実験書を用いて授業で基本操作を一度体験している。よって、生徒にとっては、これまで学習した知識を活用することができる。中和滴定の操作の結果から得られた数値から中和滴定曲線のグラフを作成し、考察する。

 事前に、英語を訳している生徒や、単語だけ調べてきている生徒もあったが、4人の班で協同して、意欲的に実験に取り組む姿が見られた。

3.成果と課題

 今回の実践により、英語で実験を行う際は、まったく初めての内容を取り扱うのではなく、日本語の授業で知識を身に付けたことを活用して、英語の実験書で実験を行うことが、生徒の意欲が向上させると感じた。 授業後の生徒の感想には「前にも同じ操作の実験をやっていたので、Englishでもスムーズにできた」「英文を和訳するのが大変でした。」というものがあった。今後も他の単元での実践に広げていきたい。

 

【オープン・ラボ生物】

生物科では、SSHに指定される前年から、お茶の水女子大学のご協力で、生徒対象の「生命科学実験講習会」を実施しています。

内容としては、DNAを扱った大腸菌への形質導入やPCR法の応用、分子レベルの反応系の実験として、酵素・細胞接着・糖鎖認識などの実習などを行っています。高校では、あまり触れる機会のないマイクロピペットや電気泳動装置などの器具を扱ったり、維持・管理が難しい大腸菌や培養細胞といった材料を用いたりと、通常の高校実習では経験できないことも多く行っています。

27年度高大連携SSH事業「生命科学に関する実験講習」第1回20151107

27年度高大連携SSH事業「生命科学に関する実験講習」第2回20160108

27年度高大連携SSH事業「生命科学に関する実験講習」第3回20160123

 

●平成26年度「生命科学実験講習会」報告

1.はじめに

お茶の水女子大学との連携で実施されている本講習会は、生徒諸君に生命科学への興味と関心を、より一層深めてもらうことを目的としている。

 高度な内容も含まれるが、講師の先生方には、中高生向けにわかりやすく解説していただいている。さらに難しい実験実習も研究室の学生の丁寧なサポートもあり、毎回、しっかりと結果も出せて、参加した生徒たちにも好評である。

2.平成26年度の実施内容

第1回 動物細胞のかたちはどのようにして決まっているのだろうか。 

はじめに、細胞外マトリックスや細胞接着について講義を受けた。結合組織に多く含まれる細胞外マトリックスはコラーゲン(弾力)、ヒアルロン酸(保湿力)を主成分としており、細胞と細胞外マトリックスとの接着によって組織の形が維持されている。  

 今回は接着物質の代表であるフィブロネクチンについての実験を行った。まずフィブロネクチンを塗った容器、塗らない容器を準備し、ここにはがした細胞をまき、時間とともにどのように形が変化するかを観察し、フィブロネクチンの作用を確認した。

 細胞接着・伸展(細胞が接着面に薄く広がる)にはフィブロネクチンが関係しており、フィブロネクチンなしでは細胞がはがれてしまうことがわかった。またフィブロネクチンによる細胞の形の変化を観察することで、細胞の形や組織の成り立ちを考える貴重な機会となった。

第2回 ウニの生殖と発生を自分の目で見てみよう:清本正人先生 1月6日(火)実施

 最初に生きたバフンウニを材料に、ウニの口器(アリストテレスのちょうちん)など構造の説明していただき、その後、受精膜のできる様子などウニの受精の観察を行った。また先生に用意していただいたいろいろな段階の胚(胞胚、原腸胚、プルテウス幼生など)を観察した。

特に簡易の偏光装置を取り付けて観察したプルテウス幼生の骨格が、光る様子は大変きれいだった。

 さらにリチウムイオンや亜鉛イオンが、胚の発生にどのように影響するかという観察を行った。リチウムイオンがあると植物極要素が強くなり、腸が大きくなって、飛び出し、外腸胚という異常な胚ができ、亜鉛イオンの場合は正反対で動物極要素が強くなり、外胚葉の発達した永久胞胚となる。ウニの発生観察を通して、生物のかたちづくりのメカニズムについて興味を深めることができた。

第3回 おいしさの科学~膨らんだお菓子はなぜおいしいのだろう~:露久保美夏先生 1月10日( 土) 実施

 各種食品で使われている膨化調理についての講義・演習を行っていただいた。膨化には、膨化剤を使う化学的膨化、微生物を使う生物的、蒸気圧を利用する物理的膨化という3つの方法がある。

 最初にドーナッツや蒸しパンで使われる化学的膨化について、膨化剤の重曹・ベーキングパウダーの添加による違いを、食材の断面の観察や試食で確かめた。

 生物的膨化についてはパン生地を用いて、空気抜きの有無、物理的膨化ではパイ生地の調理方法を変えることでどのように変わるかを調理して確認した。

 参加生徒も普段食べなれている食品の膨らむメカニズムを改めて学ぶことで、調理のしかたの根本にもサイエンスのあることを、実感できたようである。

 

【オープン・ラボ地学】

地球や宇宙を観測・観察できる学びの場では、自分の目や肌で感じた自然が、科学的なデータとして把握され、生徒用パソコンで処理されています。このデータは、前期課程1年理科から後期課程の地学まで活用され、天文研究会(部活)や、オープン・ラボ地学の課題研究対象となります。

 浅間山の観察と戸隠の地質や化石採取を目玉にした夏休み企画「小石川と戸隠を結ぶ大地と生命」が毎年実施されています。大学教授等の指導を受けるこの宿泊研修では、自ら希望した生徒の知力・体力・自主性・協調性が磨かれ、課題研究へつながっています。

 「小石川と富士山を結ぶ大地と生命」参加生徒募集について

  小石川と富士山を結ぶ大地と生命20150910

 ●平成26年度「小石川と糸魚川・戸隠を結ぶ大地と生命」報告

1.はじめに

本企画は、前任者の南島正重主幹教諭(現東京都立両国高等学校附属中学校)が企画したプログラムである。これを引き継ぎ、今年で10 回目の実施となる。筆者が引き継いでから、4 回目となる今年は、今までの浅間山から2009年に世界ジオパークに認定された新潟県の糸魚川へと実習地を変更した。変更した大きな理由は、一昨年より初日に訪れていた東京大学地震研究所の浅間火山観測所が完全に無人化したため、寄れなくなったことと、このプログラムに参加する生徒の中には、リピーターも多く、実習地が変えられれば、生徒にとっても変化に富んだ実習になると考えたためである。糸魚川と戸隠は、地図上では近く感じられたが、実際には、バスで1時間40 分もかかるほど離れていた。

2.野外実習の概要

1)8月21日(木)東京→糸魚川→戸隠6:45 集合。参加者全員がそろい、荷物等をバスに積み込み、6:50 出発式、7:00 に出発した。関越道を順調に進み、上里SAの休憩(8:13 ~ 8:33)、小布施SAの休憩(10:12 ~ 10:24)を取り、糸魚川IC を出て11:49フォッサマグナミュージアムに到着した。すぐに手配した弁当を食べ、12:40 ~13:10宮島宏先生より、糸魚川市と東京の比較、フォッサマグナについてのレクチャーを受けた。宮島先生は、都立高校で地学を教えていたご経験があり、生徒にもわかりやすく説明していただいた。小石川(府立五中)の卒業生である鉱物学者の故渡辺武男先生の紹介もしていただいた。13:10 ~ 14:24 2 班に分かれ、館内の見学と分析走査電子顕微鏡のデモの講義を受けた。硬貨の微細な模様の拡大を見ることができ、ヒスイに含まれる元素なども瞬時に分析できることがわかった。14:30 ~ 15:45 化石の谷で化石採集。黒姫山に分布する青海石灰岩から化石を探した。青海石灰岩は古生代の前期石炭紀~中期ペルム紀(約3.4 ~ 2.5 億年前)の約9000万年間にできた石灰岩である。生徒が見つけた化石は、コケムシ、ウミユリ、サンゴなどが多かった。中には石灰岩を割り、三葉虫を見事に出した生徒もいた。16:11バスに乗り、フォッサマグナパークに到着。玄武岩の柱状節理、枕状溶岩、糸魚川-静岡構造線を観察した。17:07バスで移動し、須沢海岸に17:33到着。ヒスイを探す。残念ながら、ヒスイは1つも見つからなかった。宮島先生よりヒスイを11個お土産にいただき、お別れする。18:10須沢海岸発。19:50 戸隠高原ホテル着、20:10 夕食20:50入浴、21:30 ~ 22:30 今日のまとめ。曇天のため、天体観測は中止。23:00 消灯

2)8月22日(金) 裾花川地層観察・化石採集→地質化石館(クリーニング、館内見学)

 7:00 起床、7:30 朝食、8:30 出発。地質化石館経由、裾花川ふるさとセンターでバスを下車。9:05 ~ 11:00 植物の観察に始まり、メノウ探しに入る。雨の後だったので、いくつか見つけた生徒もいる。火山灰層や地層のみかけの傾斜の説明を受け、大露頭の断層の観察やカキの化石が入っている層の観察を行った。12:00 バスに乗車。川の流れが速かったので、対岸へ向かう。藪に道をつけてもらい、河原へ降りる。12:46 ~ 13:30まで化石採集。13:50 地質化石館着。昼食の弁当を食べ、14:30 ~ 16:00 化石のクリーニング。16:00 ~ 17:30 館内の案内を田辺先生にしていただく。罠につかまった熊を見せてもらう。18:00宿舎着。入浴をし、19:00 夕食。20:30より今日のまとめ。21:20より久保田敏教諭による講義。明日見ることができそうな高山植物についてと、ご専門のアリについてわかりやすい説明をしていただく。雨のため、天体観測は中止。23:00消灯。

3)8月23日(土) 紫友会の土地の植物を観察、戸隠森林植物園の植物の観察 7:00 起床、7:30 朝食、8:30 出発、大きな荷物をバスに積み、徒歩で宿舎を出発。宿舎のすぐ隣のスキー場となっている怪無山や瑪瑙山をはじめてしっかりとながめ、田辺智隆先生の案内で越水ロッジまで行った。途中、母親からはぐれた野生の小熊の鳴き声を初めて聞いた。植物を観察しながら一般財団法人紫友会の土地を半周散策し、戸隠森林植物園へ向かう。奥社入り口10:00 到着。10 分間の休憩を取り、森林植物園内を歩く。10:49 随神門から奥社参道の杉並木を眺め、再び公園の中を歩く。11:30 みどりが池に到着。ここで田辺先生とお別れし、バスに乗車。12:45 長野IC近くのおぎのや長野店で釜飯の昼食。食事後、お土産等を購入し、13:31出発。14:32 ~ 14:45 横川SAでトイレ休憩。16:00 ~ 16:13 三芳SAでトイレ休憩、16:50学校着。実習に使用した用具や化石を地学室へ上げ、解散式。17:35 解散。

3.まとめと今後の課題

天候に恵まれ、行程中夕立にも遭わず、予定した巡検は、すべてこなすことができた。後期生の参加者が7名と過去最高であり、今後も増やしていきたい。中型バスの定員で初めて人数制限をオーバーしてしまったが、次年度は、SSH部にも協力してもらい、学校全体で集中して募集活動を行い、定員に成り次第、締切としていきたい。初めての糸魚川は、なかなかよかったが、遠いので再来年にもう1回実施した後、中央構造線の巡検ができるかどうかなど、戸隠との組合せを検討したい。次年度は、計画通り、富士山をメインに行い、戸隠と隔年の巡検を定着させていきたい。

 

【オープン・ラボ数学】

数学科では、研究室内に設けた生徒の学習スペースで、常時学習や質問ができる態勢をとっています。数学科の充実した蔵書を利用することもできます。また、中学生対象の数学コンテストでもある、ジュニア数学オリンピック目指して、希望者による勉強会なども行っています。

  日本ジュニア数学オリンピックへの取り組み

 

【オープン・ラボ情報】

 第1回3Gシールドアイディアコンテスト

 第2回3Gシールドアイディアコンテスト

●平成26年度コンピュータシステム開発研究報告

1.はじめに

 情報科では、放課後などに、SSHの研究活動の場として第2CALL 教室を開放し、様々な活動を行ってきた。今年度は、世界的に普及しているマイコンArduinoとその上で稼働するモバイル通信拡張ボード3Gシールドを使った研究を行うために10 名の生徒が参加し、研究を進めるとともに、外部のコンテストに参加した。

2.コンテストへの参加

 第2 回 3Gシールドアイデアコンテスト(主催:3Gシールドアライアンス 共催:日刊工業新聞社 協賛:インテル株式会社など)が2014 年11月16日 早稲田大学で行われ、応募総数47 組(社会人、大学院生、大学生、中高校生)、受賞者9 組の中で、本校の生徒4 組が最優秀賞などを受賞した。

 本コンテストは、世界的に産業界や教育界で飛躍的な普及をとげているArduino(マイコン)と3G シールド(通信モジュール)、センサ、スマートフォンなどを使った通信・計測制御系の作品の創作を通して最先端技術に触れるとともに、創造力や教科横断的問題解決力、技術力、プレゼンテーション力などを競うコンテストである。

3.受賞作品の概要

 受賞した作品の概要は以下の通りである。

1)快適マネージャ(最優秀賞)

不快指数遠隔測定・家電製品遠隔制御システム 1年生1名

 Arduino の拡張ボード「TABシールド」に搭載した温湿度センサから得られる現在の温湿度や不快指数をメールで通知し、専用のwebサイトを参照して不快指数の詳細をグラフ表示で確認したり、スマートフォンを通じて空調を操作したりすることができる。

 また、webフォームにて、扇風機や電気ストーブなど電化製品の電源を外部から制御することができる。

2)ポチっとじょうろ(優秀賞)

土中水分量遠隔測定・植物遠隔水やりシステム 2 年生3名

 スマートフォンから3Gシールドを経由して、Arduino のアナログ入力ポートに接続された水分センサによって植物周辺の土の水分量を把握することができる。

 また、Arduino のデジタル出力ポートに接続されたリレーをスマートフォンから3Gシールドを経由して駆動すると、電動ポンプの電源をON/OFF することができ、タンクの水を植物に供給することができる。これにより、長期の留守中であっても遠隔から植物周辺の水分量に応じた水を供給することができる。

3)冷蔵庫を使ったお年寄り見守りシステム(アイデア賞)冷蔵庫使用頻度遠隔測定システム 5 年 金子知洋

 冷蔵庫のドアを開けると庫内の照明が点灯し、ドアを閉めると照明が消灯することを利用して、庫内に設置した光センサで照度を測ることにより冷蔵庫の使用頻度を知ることができる。Arduinoは、アナログ入力ポートに接続された光センサから得た情報をもとに、照度の変化の頻度が設定した値より少ないと3Gシールドを経由して電子メールをスマートフォンなどに送る。これにより冷蔵庫を利用している独居高齢者の行動を見守ることができる。

4)心拍数測定システム(技術賞)心拍数遠隔測定システム 5 年生1名

 Arduino のアナログ入力ポートに接続された心拍センサによって測定された競技中のランナーの心拍数をスマートフォンから3Gシールドを経由して把握することができる。装置一式はウエストポーチなどに入れる。データの保存とグラフ表示ができる無料のクラウドサービスを利用することにより、リアルタイムで心拍数の変化をグラフで見ることができる。

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