本校に関心をお寄せいただいている中学生・保護者の皆さま、日頃より本校を支えてくださっている保護者・地域の皆さまへ

東京都立片倉高等学校長
佐々木一憲
片倉高校は、普通科と普通科造形美術コースを併せ持つ都立高校として、昭和四十七年の創立以来、初代校長・中村禮作先生の志を礎に、半世紀を超える歩みを重ねてきました。
中村先生は、これからの社会を生きる若者には、誰かに正解を与えられるのを待つのではなく、自ら考え、行動し、ときに困難な状況にあっても、仲間と支え合いながら前へ進む力が必要である――そのように考え、本校を創り上げられたと受け止めています。
私たち教職員は、この志を引き継ぐ一人として、日々の教育活動の中で、生徒一人ひとりが自分の力で一歩を踏み出せるよう、取り組んでいます。
本校は、八王子の緑に囲まれた落ち着いた環境を基盤として、生徒が安心して学び、挑戦できる学校となるよう、教育活動を進めています。
日々の挨拶を大切にし、互いを尊重しながら学校生活を送ることを、学校全体で大事にしています。私たちは、こうした当たり前の行動の積み重ねこそが、人としての成長の土台になると考えています。
本校が学校生活の基本として重視しているのが、「時を守り、場を整え、礼を大切にする」という姿勢です。
時間を守って行動すること、古い校舎や設備を大切に使い環境を整えること、挨拶を交わし互いを尊重すること――これらはすべて、学習や部活動、学校行事への取組を支える大切な基盤です。
片倉高校では、学習だけ、部活動だけを切り分けて考えていません。
本校が大切にしているのは、学校生活そのものを通して力を育てる「文武不岐」の考え方です。授業に真剣に向き合うこと、部活動や行事に力を尽くすこと、そして日常の生活態度を整えること――そのすべてがつながり合い、生徒一人ひとりの成長につながっていくと考えています。
学習面では、1年生で基礎と学習習慣を固めることを重視します。
英語・数学を中心に、理解の状況に応じた指導や課題を工夫し、「分からないままにしない」学びを積み重ねます。
あわせて、スタディサプリを活用して授業内容の振り返りや基礎事項の定着を図るとともに、Inspire Highを通して、多様な価値観や社会の課題に触れ、自分で考える力を育てる学びを行い、日々の学習が学校生活全体につながるよう支援しています。
また、本校は海外学校間交流推進の指定を受け、シンガポールの学校との交流を行っています。あわせて、外部検定試験の実施校として、日頃の学習成果を生かす機会も整えています。
2年生では、学びの幅を広げ、進路について具体的に考え始めます。
科目選択や進路ガイダンスを通して、自分の将来を見据え、「今、何に取り組むべきか」を考えていきます。普通科としての幅広い学習に加え、造形美術コースでは、美術を専門的に学び、創造力や表現力を磨きます。
また、1年次から継続して、スタディサプリおよびInspire Highを活用し、学習の振り返りや探究的な学びを深めています。
3年生では、それぞれの進路目標に向かって学びを深めます。
放課後や長期休業中の補習や個別支援も活用しながら、大学進学、就職いずれにおいても、「自分で考え、決め、自分で努力してきた」と言える3年間となるよう、教職員が伴走します。
進路については、昨年度卒業生において、造形美術コースの美術系大学への進学をはじめ、一定の成果が見られました。
片倉高校は、成果や結果のみで生徒を評価する学校ではありません。
日々の授業への取組や提出物、学習に向かう姿勢を大切にしながら、学習の成果につなげていくことを重視しています。なお、具体的な進路状況については、本校ホームページ「進路」のページをご覧ください。
部活動については、体育系・文化系を問わず、日々の取組を通して学校生活を支える大切な活動として位置付けています。
吹奏楽部については、このたび「都立学校における部活動の特別強化プロジェクト(Premiere Club)」の指定を受けました。これは、特定の成果や実績を評価するものではなく、部活動の指導体制や運営を継続的に充実させ、学校全体の教育活動や文化の向上につなげていくことを目的とした取組です。本校では、その趣旨を踏まえ、部活動が学校全体の文化や活力に生かされるよう取り組んでいます。
高校生活は3年間と限られています。
その中で、挨拶を大切にし、勉強に向き合い、失敗を恐れず挑戦すること――その積み重ねが、自己の将来につながる力になります。
半世紀を超えて受け継がれてきた校訓と学校文化を基盤に、一人ひとりの成長に向き合いながら、学校としてできる支援を積み重ねていきます。
東京都立片倉高等学校長 佐々木一憲