校章

東京都立新宿山吹高等学校

【定時制・情報科】平成29年度SPH・活動紹介

2020/09/27

このページでは、SPH事業の一環として平成29年度に行った取組の中から一部を紹介します。



平成29年度10月26日 東京工業大学准教授の特別講演


平成29年10月26日(木)、東京工業大学 教育革新センター 准教授 渡辺雄貴様にご来校いただき、科目「情報産業と社会」を履修している生徒を対象に、特別講演会を行いました。
今回の講演は、「学びのデザイン」をテーマに、「大学で行っている学びとは何か」、「大学に目的意識を持ち、深い学びをするために今からできることは何か」を学ぶことを目的としました。
「学習意欲を高める」ためには、10年後の自分を見据えた目標を設定し、現在の自分がどの位置にいるのかを知ることが大切であり、また自分に適した学習方法を見つけることも大切です。隣に座っている人の学習方法が自分とあっているとは限りません。講演会当日、参加した生徒たちは、先生からいくつかの質問を提示され、それに回答しました。それぞれの回答が異なることから、一人一人の特性が異なること、そこから視覚的・聴覚的・行動的・原理的の4パターンに分類することができ、自分のタイプに合わせた学習方法を知ることが大切であると話されました。
さらに、講義の中で、ある図が与えられ、その図の中に三角形がいくつあるか数え、グループでそれぞれ見つけたものを話し合うワークが行われました。他人の考え方を共有することで、自分では思いつかない新たな視点に気づき、それが新たな発見につながることがわかりました。
最後に、学習を進める上で、分析、設計、開発、実施、評価が必要であり、「他人からの評価を恐れず、前向きに修正し、学び続ける人になってほしい」とおっしゃっていました。
今回の講演では、普通科・情報科ともに多くの生徒が聞き、大学に目的意識を持ち、深い学びをするためにどのように勉強したらいいのか学ぶことができました。
~生徒のアンケートから~
・自分の漠然としていたものが晴れることができた。これから向かう方向性についても決めることができた。
・人によって効率の良い勉強方法や時間は違うから、自分に合った勉強方法を見つけたいと思いました。たくさんやらないといけないことがあるけど、一つずつ慎重にやっていきたいと思いました。
・自分は将来的なことを考えている方だと思ったけれど、それは過程だけであったことに気が付いた。その過程の心理や自分だったらどうするかを分析して今やることを実行することが大切だと思った。
・自分が目標にどこまで近づいているか常に認識し、目標をしっかり決めるのが大事だと思いました。


・平成29年10月19日(木) アドビシステムズ株式会社のトレーナによる特別授業


平成29年10月19日(木)アドビシステムズ(株)から楠藤倫太郎様、増渕賢一郎様、名久井舞子様にご来校いただき、「情報コンテンツ実習(1)」の授業を履修している生徒を対象に特別授業を行いました。
「情報コンテンツ実習」では、SPH事業の一環として「学校をデザインする」という取り組みを行っています。その中で自分たちのアイデアをより忠実に効率よく表現するために適切なアプリケーションの選び方や使い方を学ぶことを中心に特別授業を行いました。
まず、アドビシステムズ株式会社の展開するアプリケーション製品がどのような場面で使われているのかについての紹介がありました。
適切な場面で適切なツールを使用することで、大きな効果が得られることやアプリケーションの機能はユーザから要望・要請により実現していること、それが直接ビジネスとつながり、実際に漫画や雑誌などでの写真や画像の加工や、テレビや映画での編集作業に使われていることがわかりました。プロが心地よく使えるのはもちろん、初心者が触ってもわかりやすいように開発しているという話を聞き、実習とともに企業の実社会とのつながり方を学ぶことができました。


・平成29年10月4日 デジタルハリウッド大学教授による特別講演


平成29年10月4日(水)、デジタルハリウッド大学教授 南雲 治嘉様にご来校いただき、特別講演会を行いました。
今回の講演では「アイディア発想法」をテーマに、圧倒的に差をつける発想に必要な基礎と発想法を学び、作品への制作の方法を学ぶことを目的としました。
講義の前半には、「アイディアとは人の心を動かすのが目的だ」という話から入り、
(1)人に見てもらうためには、重要なところを赤にする
(2)アイディアを生み出すためには、自分にできると暗示をかける
(3)小さな発見を見逃さない
以上の3点が大事だということを教えていただきました。
講演の後半では、2つのものを一つにする「複合法」を使った課題を行い、生徒一人一人が自由な発想を出していました。
講演後のアンケートでは、アイディアを出すための方法がとても参考になり、新しいアイディアを出すための考え方が変わったと答えていました。また講演後も気になったことについて多くの生徒が質問をしていて、学ぶ意欲が向上しているのが見られました。
とても勢いのある講演で情報科のみならず、普通科の生徒も多く集まり、アイディアの発想に必要な基礎を学びました。

生徒のアンケートから
・プロになるためには、自己暗示し、自分を否定しないことが必要なことが分かった。
・いつでも考えたことをメモできるように、メモ帳を持ち歩くのはとても参考になった。私もこれから持ち歩こうと思った。
・デザインを考えるときは、「目的を考え」「相手を考え」「自分に暗示」をしながらアイディア発想をしたい。
・アイディアは人を笑顔にすることであるので、思いやりの気持ちが大切だと分かった。同居している祖母が生活しやすい発想をしてみようと思った。


~生徒の課題~

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・平成29年10月2日 パネルディスカッション「ICT産業とその可能性」


平成29年10月2日(月)ICT産業で活躍される6名の方々をお招きして「ICT産業とその可能性」というテーマで、パネルディスカッションを行いました。
 シスコシステムズ合同会社の長部謙司様がモデレーターとなり、5名の方々がそれぞれの業務の切り口でご自身とICT産業との関わり、ICT産業の可能性、働く上でのやりがいなどの話がありました。
 今回のパネルディスカッションでは、ICTとはなにか、ICT産業を理解することで情報技術者として働くイメージを明確にすること、社会と関わり働くということの難しさと面白さなどを学ぶことを目的としました。
 まず前半は、1981年のPC革命からインターネットの登場を通し現在までのICT産業の変遷についてお話を伺いました。
 後半は、講師の方々がそれぞれの会社でのICT産業との関わりを交えて自己紹介があり、またお話の中でICT業界は様々な分野に広がっていると説明がありました。ICT産業の今後についてそれぞれの意見などを聞き、自分がやりたいことを見出すためには、授業、イベント、コンテスト、発表会などに積極的に参加し、新たな考え方を学ぶことが必要だという話がありました。
 今回のパネルディスカッションには、情報科の生徒のみならず、普通科の生徒も多く参加しました。科に関係なく一人一人がICT業界について興味を示していることがわかりました。

◇生徒のアンケートから◇
・資格が重要であることが改めて確認できた。今後の予想で自分のパソコンでリアルな体験ができると聞いて楽しみになった。データの分析をする人が少ないのには驚いた。
・情報科の人が興味深そうに聞いているのを見て、私も何か興味を持てる分野を見つけたいと思った。
・私が普段使っているスマートフォンやPCがどのような回線からネットにつながっているのか、データの保存場所の話などを聞いてICTに興味がわきました。この先ICT産業がもっと広がり、重要な社会になっていくと思うので、情報の授業をもっと履修しようと思った。
・ICT産業は、私が思っていたよりも身近で高校生のうちから学ぶべきことだと分かったので、自分でももっといろいろなことを学び、社会人となったときに学んだことを生かせるようにしたい。私はICT産業の中でデザイン系や企画をすることに興味を持ったので、それに関わりたいと思った。
・ICT、青年海外協力隊のような最先端の職業につくことは、とても楽しそうだなと思った。

今回のパネルディスカッションに参加してくださった講師の皆様

シスコシステムズ合同会社   長部 謙司 様

さくらインターネット株式会社 伊勢 幸一 様

Comp TIA日本支局      板見谷 剛史 様

NHNテコラス株式会社     増田 順 様

株式会社スカイアーチネットワークス  松田 昭穂 様

独立行政法人 国際協力機構      松舘 文子 様

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・平成29年9月21日 デザインについての教員研修


平成29年9月21日(木)、HAL東京 教務部教官 村上諭先生とアドビシステムズ株式会社 増渕賢一郎先生にご来校いただき、情報科教員を対象とした研修を行いました。
 この研修は、情報科でコンテンツ系の授業を行う際に必要となる、デザインの裏側にある考え方や、デザインを語る際の基本となる知識を学ぶ目的で行いました。
「デザインの一般常識」をテーマに、座談会形式で行いました。
 専門学校として、クリエイター養成のためどのような分野を教えているのか、また「デザインの一般常識」として何を教えているのかなど生きた情報と、変わらないデザインの基本について知ることができました。
 例えば、デザインは言語化することが大切というお話しがあり、「絵を言葉で表現させる」など、抽象的概念を言葉にする訓練やデザインに関する要素を1つ1つ分解し、丁寧に進めていくことが大切であるということでした。
 また、デザインには必ずルールがあり、そのルールを意識して作品制作をさせることが大切というお話しを聞きました。見栄えの良い作品だとしても、ルールが守られていなければ評価に値しないということでした。
 さらに、デザイナーの評価については最終的な作品よりも、そこに至るまでの過程(考え方)が大事だということを伺い、ポートフォリオの意義を改めて学びました。
 この研修を通して学んだことを生徒に還元するように進めていく予定です。

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・平成29年8月31日 大日本印刷株式会社ショールームの見学と先輩技術者からのメッセージ


 平成29年8月31日(木)大日本印刷株式会社 五反田ショールームに情報科生徒19名が見学をしました。
 「印刷」会社と思われている大手印刷会社のショールームの見学を通して、その事業は紙にとどまらず、様々な情報技術開発を行っていることを知るとともに、先輩技術者からのメッセージを聞くことで、技術者として必要な考え方や見方を身に付けることをねらいとしました。
 ショールームでは、大日本印刷株式会社がてがける最先端の技術に触れることができました。具体的には、レシートやバーコードを読み取り、それを文字に起こすアプリやアパレルショップの試着シミュレーション、天球儀の中心に立ち、VR技術を使い、360度見渡せる空間に入り込むような体験などを行いました。
 また、社員の方々からのお話も伺いました。やりたい仕事を見つけるための「WILL・CAN・MUST」の重なる部分が大切であることなど、今後のキャリア形成において、非常に重要となるお話をいただき、生徒自身が将来を考えるきっかけとすることができました。
♦生徒のアンケートから♦
・見学前は、印刷会社というイメージが強かったのですが、今までに培った技術をITの分野に応用していることに感動しました。情報セキュリティやデータ分析の分野に興味があるので、それについて話を聞いてみたいと思いました。
・これからどんな技術を作っていこうとしているかがとても気になります。

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・平成29年8月16日~18日 香川県での全国専門学科「情報科」研究協議会への参加


平成29年8月16日(水)~18日(金)に香川県高松市の香川県立高松商業高校で、全国専門学科「情報科」研究協議会が開催され、本校からは生徒4名と教員4名が参加しました。
初日は、高松駅前にある「情報通信交流館 eとぴあ・かがわ」で開催されていた「あそぶ!ゲーム展 STAGE.1 デジタルゲームの夜明け」を見学しました。
このイベントは、初期のゲームが実際に操作できる状態で展示されており、ゲームを操作しながら3D表現の取り組みやスクロール画面の工夫などゲーム開発とともに進化する情報技術を体感しました。
その後、宿舎では、翌日の発表に向けて最終の準備と言葉の推敲など発表の質を上げるために何度も話し合いや練習をしました。

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~
「あそぶ!ゲーム展 STAGE.1 デジタルゲームの夜明け」 パンフレット~

2日目は、香川県立高松商業高校で行われた全国専門学科「情報科」研究協議会にて生徒が研究発表を行いました。
本校を代表した4人の生徒が「新宿山吹高校の特徴を生かした授業作品の紹介」と題して発表しました。
発表では、「情報デザイン」や「課題研究」という科目で、ショップカードやシューティングゲームなどを作り上げるまでの過程で工夫した点や苦労した点、これからの展望について話をしました。
発表では、少し緊張も見られましたが、練習以上の成果を発揮し、優秀賞を頂きました。

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        ~発表での様子~

3日目は、他校と合同でのワークショップ(香川の映像制作)に参加しました。
他校との交流では、最初は緊張し、うまく話せない場面もありましたが共同作業を行っていく中で、緊張もほぐれ、徐々にコミュニケーションをとりながら課題に臨みました。

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     ~グループ活動の様子~

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~ワークショップを行った生徒の集合写真~

~生徒から一言コメント~
・発表を通し、グループで一つのものを作る大変さや時間配分の大切さを学べ、全体的に成長できた活動なったと思う。
・大勢の大人に対して発表することの大切さを学ぶことができてよかった。
・初めてだったので、うまくいかないこともあったが、よい経験になったと思う。
・発表会で得られたものも多かったので、今後もこの機会があったら続けていきたい。


・平成29年7月12日 民間企業社員による特別講演会


7月12日(水)、NTTコミュニケーションズ株式会社アプリケーション&コンテンツサービス部アプリケーションサービス部門第四グループ 主査 須佐 真以子様に御来校いただき、特別講演会を行いました。
「未来を創る -サービス開発のリアルー」をテーマに講演してくださり、情報科の生徒のみならず、多くの生徒が集まりました。
これからのIT技術やサービス開発について、生徒も積極的に質問をしていました。
この講演を通して、生徒自身が自分の将来を考えるいいきっかけとなりました。

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