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2026/05/21 トピックス
【海洋探究系】(2年生2次乗船実習④)生物調査・下船式について
探究系乗船実習を終えて ~多くの学びと成長を得た10日間~
5月11日から20日まで、海洋科探究系の乗船実習を実施しました。今回の実習では、航海当直や底釣り実習、船内生活に加え、寄港地である気仙沼において震災伝承施設や魚市場の見学などを行い、生徒たちは海洋・水産分野への理解を深めるとともに、多くの学びと成長を得ることができました。本記事では、実習を終えた生徒たちの振り返りや感想を一部抜粋しながら、10日間の実習の様子を紹介します。
航海当直実習
航海当直実習では、見張り、操船、位置入れ、ログブック記入など、実際の船舶運航に関わる業務を経験しました。生徒からは、「船員さんとのコミュニケーションが一番取れていた場だった。コミュニケーションは協力の前段階として重要だと感じた」という感想があり、技術面だけでなく、船内での連携や協力の大切さについても学ぶことができました。
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生物調査(底釣り)
底釣り実習では、対象魚種のマイクロプラスチック調査を目的に漁獲調査を行いました。事前には仕掛け作りや餌付け方法についても学び、「イカに切れ目を入れて魚が反応しやすくするなど、実践的な工夫を学べた」という声が聞かれました。実習本番では大型魚も数多く釣れ、「5kgの魚や大型の回遊魚も釣れ、とても有意義で楽しい実習だった」と、生徒たちは現場ならではの貴重な経験を積むことができました。
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実習では大型電動リールを使用し、魚が掛かった際には強い引きに耐えながら協力して魚を釣り上げる場面も見られ、船上には大きな歓声が上がっていました。
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釣り上げた魚は種類ごとに重さや大きさを計測し、記録を行いました。調査活動を通して、漁業や海洋調査に必要な観察力や記録の重要性についても学ぶことができました。
船内生活で学んだ協力の大切さ
船内生活では、限られた空間の中で仲間と協力しながら生活することの難しさと大切さを学びました。「自分の知っていることを共有しないと、本当の協力にはならないと気付いた」という振り返りもあり、生徒同士で声を掛け合いながら実習に取り組む姿が多く見られました。また、「船酔いで動けなかったとき、仲間が自分の分まで頑張ってくれて感謝している」という感想からも、互いに支え合う姿勢が育まれていたことがうかがえます。

さらに、船内作業で行われた「棒ズリ」(デッキブラシを使用して甲板を磨き)では、「全員で『ゴーアヘッド』と声を出しながら作業すると活力が出て、協力することの大切さを学べた」と、仲間と息を合わせて作業する楽しさも感じていました。
寄港地活動(気仙沼)
寄港地活動では、東日本大震災遺構・伝承館や魚市場を見学しました。震災伝承館では、「映像や被災者の声から、震災の深刻さや恐怖、行き場のない悔しさが伝わってきた」「自然の脅威はいつ来るか分からないことを忘れずに生きていきたい」など、防災や命の大切さについて深く考える機会となりました。また、「震災から15年以上経った今でも痕跡が残っており、後世に伝えていく活動の大切さを知った」という感想もあり、震災学習を通して多くのことを学ぶことができました。

魚市場見学では、水産業の現状や課題について理解を深めました。「高齢者の多さや機械化が進んでいる様子から、少子高齢化の問題が実際に起きていると実感した」という感想もあり、授業だけでは得られない現場の学びにつながりました。
下船式
実習最終日には下船式が行われ、副校長から生徒へ向けて式辞が述べられました。式辞では、「船という限られた空間の中で、船員の方々、乗船教官、そして仲間たちと協力しながら生活し、学び、航海を進めるという貴重な経験をされたことがよく分かりました」と、生徒たちが10日間の実習を通して積み重ねた経験や成長について言葉が送られました。
また、「天候や海況の影響で船が揺れる場面もあり、決して楽なことばかりではなかったと思います。しかし、そのような中でも、自分の役割を果たそうと努力し、仲間同士で声を掛け合いながら実習に取り組む姿が見られました」と、生徒たちが困難な状況の中でも協力し合いながら実習に取り組んだ姿勢が称えられました。

さらに、気仙沼での寄港地活動について触れ、「実習中に生まれた疑問や気づきを、ぜひこれからも自ら調べ、考え、深めていってください」と、今後の課題研究や学びへの期待が述べられました。最後の生徒代表挨拶では、「この航海を無事終えることができたのは、共に学んだ仲間、熱心にご指導くださった教官の先生方、そして船を支えてくださった船員の皆様のおかげです」と、実習を支えてくださった多くの方々への感謝の言葉が述べられました。

今回の実習は、燃料事情等の影響により実施が危ぶまれる場面もありましたが、多くの方々のご協力により無事に実施することができました。生徒からは、「基礎航海よりも多くの経験を積むことができ、成長することができた」という声もありました。

10日間の航海実習を終え、生徒たちは一人一人タラップを降りました。実習をやり遂げた達成感とともに、船内での経験や仲間との思い出を胸に、たくましく成長した姿が見られました。今回の実習で得た経験を、今後の学校生活や進路実現に生かしていくことを期待しています。

最後には、生徒たちが一列に並び、船内にいる船員の皆様へ向けて「ありがとうございました」と大きな声で感謝の言葉を伝えました。今回の実習は、多くの方々の支えによって成り立っていることを実感し、感謝の気持ちを持って航海実習を締めくくりました。