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東京都立大島海洋国際高等学校 全日制

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2025/12/05 お知らせ

2年船舶運航系下船式~31日間の航海を終えて〜

本校の校訓「誠実・礼節・協力」を胸に、緊張と期待が入り混じるなかスタートした2年次乗船実習。神戸、長崎、沖縄をはじめ3つの寄港地をめぐる31日間の航海から戻った生徒たちの学びと成長の軌跡をご紹介します。

1.基礎知識から実践へ ―― 航海当直の初挑戦
1年生での基礎航海実習5日間とは比較にならない長期航海。初めての当直では、見張り・位置入れ・ログブック記入、気象通報、レーダー活用など、多くの課題に直面しました。真夜中の荒波で、船酔いで班員がダウンする中、お互いの声かけで励まし合い、操舵をやり遂げた経験は、技術だけでなく精神力も鍛える貴重な機会となりました。

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2.海峡・水道で磨く操舵技術と安全管理
浦賀水道、中ノ瀬・備前瀬戸、来島海峡、関門海峡――
混雑する大阪湾入口では他船との位置関係を読み、自船の最適な動きを判断・実行する操舵技術を学びました。来島航路では凪の瀬戸内海に沈む夕日と陸の緑に心を癒されながら、日没後の視界不良下での見張りの要諦も身につけました。

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3.平和への想いを深める ―― 長崎・沖縄での学び
長崎の平和公園・原爆資料館、沖縄のひめゆりの塔を訪れ、像や展示が訴える深いメッセージに胸を打たれました。戦争の記憶に直面し、「平和を守り続ける」強い決意を新たにしています。

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4.トラブル対応から学ぶ船員像 ―― 憧れを抱く瞬間
航海中、スクリューに異物が絡むトラブルに遭遇。荒天のもとでも状況を即座に判断し、最善策を示すベテラン船員の姿に生徒たちは感銘を受け、「自分もあのような船員になりたい」という強い憧れを抱きました。

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5.チームワークで築く絆 ―― 反省会がもたらした成長
初期には意見の衝突や言い争いもありましたが、3回目の反省会を機に一人ひとりの課題を共有。下調べの発表や食事当番、声かけなどで自発的な行動が増え、12名の絆は飛躍的に深まりました。

6.安全運航の基本 ―― 五分前行動と責任感
「海の上では何が起こるかわからない」――だからこそ五分前行動を徹底し、変化に即対応できる態勢を築きました。また、「全員の命を預かる」という船員としての責任感を日々胸に刻み、教えられた注意事項は習慣化するまで繰り返し実践しています。

 

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7.座学と実習の融合 ―― 知識を体験に昇華
乗船前は法律や航海術を十分に理解できなかった生徒も、当直や講義を通じて「体で」理解。港則法をはじめとする海のルールが肌でわかるようになり、座学の重要性を改めて認識しました。

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12月6日、下船式を行いました。乗船実習担当の副校長は、生徒に向けて、一か月の実習航海を無事に終えたことを称え、「校訓『誠実・礼節・協力』を体現し、大きく成長した」と述べました。また、「来年度の60日航海に向け、『5分前行動』や仲間を思いやる姿勢を大切に、さらに力を伸ばしてほしい」と激励しました。

船員の皆様へは、「安全で充実した学びを支えていただき感謝します」と謝意を伝え、生徒から「プロの姿勢に憧れた」との声が多く寄せられていることも紹介しました。

生徒代表の挨拶では、船員の方々へ「航行中の細かな気配り、確かな技術・知識のおかげで安心して学ぶことができました」、指導教官へは「失敗のたびに導いてくださった厳しくも温かいご指導に感謝します」と述べ、この実習で得た学びを今後に活かしていく決意が語られました。

この31日間は、単なる技術習得の場にとどまらず、一人ひとりの責任感と協調性を高め、人間として大きく成長する貴重な時間でした。生徒たちは寄港地で多くの方々に温かく励まされ、航海のプロとして必要な知識・技術・判断力を身につけました。ご指導くださった船員の皆さま、現地で支えていただいたすべての方々に心より感謝申し上げます。

来年度はいよいよ2か月間の長期実習が始まります。今回の経験を礎に、「誠実・礼節・協力」の校訓を胸に刻み、さらなる技術向上と体力強化に努めます。