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東京都立大島海洋国際高等学校 全日制

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2025/10/21 トピックス

【海洋生物系】乗船式~波浮港を出港しました~

10月20日(月)から10月29日(水)まで、海洋生物系の乗船実習が始まりました。

直前まで産業系の実習が行われていたこともあり、生徒たちは寮での集合時間をしっかり守って集まることができました。実習前の指導では、教官から「実習は時間厳守が基本である」こと、そして「5分前行動とは、単に揃っているだけでなく、次の行動の準備が整い、すぐに行動に移れる状態であることが大切」との指導があり、実習に対する意識を高めました。

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今回の出港地は、これまでと異なり学校近くの波浮港からとなりました。生徒たちは徒歩で港に向かい、周囲に並ぶ漁船の中でもひときわ大きな大島丸を目の前にして、乗船前の緊張感が一気に高まりました。教官の指示のもと、生徒たちは急こう配のタラップを一人ひとり慎重に上っていきました。

乗船式では、副校長(乗船担当)から次のような激励の言葉がありました。

「1年次の基礎航海実習に続く、2回目の乗船実習です。久しぶりの船上で不安を感じている人もいるかもしれませんが、この1年間で皆さんは確実に成長しています。困難に直面したときは、本校の教訓である『誠実』『礼節』『協力』の精神を思い出し、自分を信じ、仲間と支え合いながら全力を尽くしてください。」

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また、生徒代表からは次のような力強い挨拶がありました。

「私たちは、10日間という短くも長い航海に出ます。限られた空間である海の上では、仲間との協力や信頼関係の大切さを身をもって実感すると思います。乗組員の皆様にはご心配をおかけしますが、この乗船実習で得られるものが確かなものであったと胸を張って言えるよう、努力していきます。」このように、実習中の困難な場面こそが、校訓の真の意味を体得する機会になるのです。

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乗船式の後は、一等航海士(チョッサー)による「安全教育」が行われました。船舶では、乗客に対する安全教育の実施が義務付けられており、陸上と異なり、緊急時には簡単に避難したり外部の支援を受けたりすることができません。そのため、火災や浸水、沈没といった万一の事態に備えて、乗客自身が安全行動を理解しておくことが重要です。非常ベルや避難経路、集合場所についての説明のほか、航海長からは「航海当直」に関する丁寧な説明がありました。

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さらに、「操練」と呼ばれる訓練も実施されました。生徒たちは、救命胴衣の使い方を学び、反射板やライトが正常に作動するかを互いに確認し合いました。チョッサーからは、火災・浸水・機関トラブルなど船内での非常時には、決して慌てず、乗組員の指示をしっかりと聞いて行動するようにという再度の注意がありました。

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さて、生徒たちに「乗船中に楽しみにしていることは?」と聞くと、全員が「船の食事!」と答えてくれました。この日の昼食は、自家製焼き豚入りの味噌ラーメン。チャルメラの音が船内に響き渡り、昼食の準備が整ったことを知らせていました。

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学校では学校給食法に基づく制限があるため、提供される食事には限りがありますが、船内では生野菜や刺身なども登場します。毎回の食事が、生徒たちの楽しみのひとつになっています。

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午後には出港前の「ベッドメイキング」が行われました。乗船中の基本マナーである「身だしなみと生活規律」は、「きちんとした身辺整理=信頼される船(員)の資質」につながります。

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15時30分、大島丸は目的地である小笠原・父島の二見港に向けて、波浮港を予定通り出港。島の皆さんや先生方が見送る中、生徒たちはそれぞれの決意を胸に、海原へと旅立ちました。

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20251020 デイリーレポート (755.1KB)

20251021 デイリーレポート (805.2KB)