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2025/05/21 トピックス
【海洋探究系】(2年生2次乗船実習⑤)下船式
5月21日、爽やかな晴天のもと、無事に下船式を挙行することができました。下船式では、生徒たちの表情には達成感と充実感がにじみ、感動が詰まった式となりました。以下に、式での挨拶の一部を抜粋してご紹介します。
〈乗船実習担当 副校長・鈴木より〉
「限られた空間である船の中で、船員の方々、乗船教官、そして仲間たちと力を合わせて生活し、学び、航海を進めてきた皆さんの姿から、この実習がいかに貴重な経験であったかがよく伝わってきました。今回の航海では、天候に恵まれない日も多く、多くの人が船酔いを経験するなど、決して楽なものではなかったと思います。しかし、そのような中で「自分だけがつらいのではない」と気づき、互いに支え合いながら困難を乗り越えたことは、皆さんにとって大きな財産となるはずです。気仙沼での寄港地活動や震災遺構の見学、航海当直、海洋観測、生物調査など、多様な学びがありました。実習中に生まれた疑問や気づきを、今後も自ら調べ、考え、学びを深めていってください。」
〈大島丸 船長より〉「今の皆さんの顔つきは、乗船初日とはまるで違います。この航海を通して得た成長を、ぜひこれからの学校生活や将来の活動に活かしていってください。」
〈生徒代表より〉「10日間の乗船実習を通して、『他者と協力すること』の大切さを学びました。協力することを学んだつもりでしたが、気づけば私は皆に助けられてばかりでした。私は13人に助けられて、ここまで来られたと思っています。これからは、仲間に助けられるだけでなく、自分から仲間のために動ける人間でありたいです。」
最後には、全員が整列し、支えてくださった船員の方々へ、感謝の気持ちを込めて声をそろえて挨拶をし、乗船実習を締めくくりました。
〈生徒の振り返りの感想とともに、10日間の乗船実習を振り返ります〉
10日間にわたる乗船実習では、多くの学びと気づき、そして仲間との絆が生まれました。船上という特別な環境の中で、生徒たちは日々の生活や実習を通して多くのことを経験し、それぞれに成長を遂げました。ここでは、生徒たちが実習を終えて綴った「振り返り」の感想を抜粋しながら、この10日間を振り返っていきます。
生徒たちは約10日間にわたる海での学びを通して、心身ともに大きく成長することができました。初めての本格的な10日間の乗船。慣れない環境や船酔いなどの困難もありましたが、生徒たちは「助け合い」「協力」「声かけ」「思いやり」など、教室では得られない貴重な体験を積み重ねていきました。ある生徒は「船酔いでつらい時、動ける人同士で助け合った」と振り返り、また別の生徒は「一人ひとりの長所に気づけたことが一番の財産」と語りました。
寄港地で訪れた気仙沼震災遺構伝承館では、災害の恐ろしさと命の尊さに触れ、防災への意識が大きく変わったという声もありました。普段は関心の薄かった災害について、「自分や周囲の人を守るために調べてみようと思った」との感想も見られ、実習を通じて“生きる力”を育んでいることが伝わってきます。
実習中には、操舵の際に「自分たちが安心して生活できるのは、誰かが陰で支えてくれているからだ」と実感した生徒もいました。24時間体制で船を運航してくださる船員の皆様への深い感謝の気持ちと、「自分も誰かのために働ける人になりたい」という前向きな気持ちが芽生えています。
また、スマートフォンや日常生活の“当たり前”から離れたことで、「再び陸に足をつけたときの感動は一生忘れない」と語る生徒も。これまで気づかなかった「当たり前の尊さ」に気づき、感謝の気持ちをもって日常を過ごす姿勢も育まれました。
さらに、「コミュニケーションの大切さ」や「時間を守る意識」、「探究心の芽生え」など、多くの学びがありました。実習を通じて「自分がまず動く」「相手を思いやる」「みんなで協力すれば100点が取れる」という気づきも、今後の学校生活をより豊かにする糧になるはずです。
最後に、今回の乗船実習を安全に、そして実りあるものとして支えてくださった船員の皆様、寄港地で温かく迎えてくださった皆様に、心より感謝申し上げます。
下船後は、再び寮生活が始まります。それぞれが実習で得た気づきや成長を、これからの生活や学習にしっかりと活かしてくれることを期待しています。仲間と助け合いながら一歩一歩成長していく生徒たちの姿を、教職員一同、これからも温かく見守ってまいります。
大島丸より海洋探究系最後のデイリーレポートが届きました。
・20250521 デイリーレポート (656.5KB) 岡田港到着・下船式