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東京都立大島海洋国際高等学校 全日制

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2025/05/20 トピックス

【海洋探究系】(2年生2次乗船実習③)気仙沼港に入港・寄港地活動・鳥島沖へ!

 

 5月12日(月)~ 5月21日(水)の日程で、2年生の海洋探究系の2次乗船実習を行っています。

4日目の13時頃に、初めの目的地である気仙沼港に入港し、13時半頃に着岸しました。生徒たちは分担に従って、船首・船尾・ブリッジ・コンパスデッキの配置に付き、船員さんの入港作業を見学しました。船員同士が無線機を使って連絡を取り合いながら、少しずつ船体を岸壁に近づけていく様子は、緊張感のあるものでした。何か指示や連絡があると、それを受けた船員は必ずその指示を復唱して、連絡が確実に伝わったことを知らせていました。生徒たちは、乗船実習全体を通して相手に伝わる返事をすること、航海当直では航海士からの指示をアンサーバック(復唱)することを指導されています。それは生徒だから求められていることではなく、船員たちが協力して安全に一つの船を動かすために不可欠なことであるのだと実感したはずです。

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気仙沼では、上陸見学を行いました。〜歴史と命を学ぶ上陸学習〜

乗船実習4日目、大島を出航して以来、2日ぶりに私たちは気仙沼の地に足を踏み下ろしました。港に降り立った瞬間、生徒たちの顔にはやや緊張も見られましたが、それ以上に「現地で学ぶぞ」という意気込みが感じられました。

命をつなぐ語り部の声 〜気仙沼震災遺構・伝承館を訪れて〜2日目には、気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館を訪問しました。ここは、2011年の東日本大震災における津波の被害を今に伝える施設であり、震災当時の状況がそのまま残された「気仙沼向洋高校旧校舎」を中心に構成されています。

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生徒たちは語り部の方のお話に耳を傾けながら、校舎内を見学しました。破壊された教室、流された机や備品の数々に、生徒たちは言葉を失いながらも、真剣な表情で歩いていました。

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「想像以上の被害で、写真や映像では分からない“現場の重み”を感じました。語り部の方の言葉が胸に響きました」「震災を知らない世代として、これからも忘れずに語り継ぐ責任があると感じました」などの感想が寄せられ、生徒たちが実際に現地を訪れ、直接話を聞くことで、震災の教訓を自分ごととして受け止めている様子がうかがえました。

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見学の最後には、「ありがとうございました 伝承は 命を繋ぐ バトンパス」と書かれた大段幕を手に記念撮影を行い、語り部の方々やスタッフの皆さまに温かく見送られて施設を後にしました。

今回の見学を通じて、震災の教訓を未来へつなげる大切さをあらためて実感しました。語り部として貴重なお話を聞かせてくださった皆さま、施設を案内し支えてくださったスタッフの皆さまに、心より感謝申し上げます。

気仙沼寄港を終え、乗船実習も4日目を迎えました。この数日で、生徒同士の助け合いや声かけが自然と増え、仲間意識が大きく育ってきています。夜には、生徒主体で3日間の反省会を行いました。「最強のチーム」になることを目指して、現状に満足せず助け合い、高め合い充実した実習にしてくれることを期待しています。