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2024/06/25 トピックス
【1年生4次】乗船実習⑱【船内実習・下船式】
1年4次実習5日目。
日本海側からの低気圧と本州に停滞する梅雨前線の影響で海上が普段よりも荒れています。
実習への影響を考慮して、相模湾西部で午前と午後の2回に分けて、操舵訓練を行うことになりました。
午前と午後の操舵訓練の間に、海洋観測実習とニューストンネット曳航観測の実習も行われました。
船酔いする生徒が多数見られ、生徒たちにとって自然の厳しさを知る実習にもなりました。
操舵練習は、生徒の感想に「6百トン以上ある大島丸を自分が動かしていると考えると、緊張で酔っている余裕がなく、全集中で15分間操舵する事ができました。」と書かれているほど、航海士の方々の指導の下、緊張感ある中、生徒一人一人が役割分担を図りながら実施されました。
生徒が双眼鏡で海上を観察していると、実際に、船の針路に右側から他の船が横切ろうとしていたり、また、船の進路を大きく変更する際に揺れないような対処方法など、状況に応じた指導を受けていました。
操舵練習の間に、曳航観測を行い海面にあるプラスチック破片やプランクトンの採取を行いました。
最後は、棒ズリを行い、全ての実習を終えました。
6日目に岡田港に無事着岸して、下船式が挙行されました。式辞を抜粋して紹介します。
〈乗船実習担当 副校長鈴木より〉
乗船式では、3つの大切なこと、「協力し合う」「時間を守る」「感謝する」ことについて話をしました。
6日間の実習を終えた皆さんは、これらの意味を各自が理解できたと思います。
同時に、本校の校訓である「誠実・礼節・協力」の意味も理解できたと思います。
この基礎航海は、自分の適性を見極めたり、これからの進路について考える機会となっただけでなく、社会で生きていく上で大切なことも学べたはずです。
4次航海は、自然の厳しさも体験しました。
皆さんの感想の中に「自分だけが酔い、苦しいわけではない。周りの人も苦しい思いをしている。その思いで船酔いを乗り越えられた。」というものがありました。
「一人だったら乗り越えられない困難も、仲間が入れば乗り越えられる」ことを肌で感じたことでしょう。
苦楽を共にした仲間をこれからも大切にしてください。
最後の2日間は、船酔いとの戦いで、辛くても、協力し合って頑張ろうとする生徒の姿が印象的でした。
カメラを向けると笑顔で返してくれました。
〈生徒の感想より抜粋〉
・4月から水産海洋基礎について学んでいましたが、やっぱり「百聞は一見にしかず」です。授業で学ぶのと、実際に船に乗ってみるのでは、学ぶ量と質に大きな差があると感じました。
・今回の実習で得られたのは、「理解・協調性・自主性」。
・人の温かさを実感しました。ベッドメイクが上手にできない時、班員と協力し、酔った時は、体を寄せ合って寝たり、食後の皆で談笑したり。青春の1ページとしては、色が濃すぎる気がした。
・最初の頃は、嫌に思っていた乗船実習でしたが、自分にとっては、とても成長することのできる6日間の実習だった。
・船員さんたちのおかげで楽しいと感じる実習ができました。6日間ありがとうございました。
生徒たちは、船員の方から「船は人、人は船」という言葉を教えてもらいました。
「どれだけ良い船でも、乗組員の質が良くないと(良い船があっても)悪くなってしまう」という意味だそうです。
この言葉を胸に、責任感を持って頑張れた生徒が多くいたに違いありません。
1次航海から4次航海、途中、島内での小中大島丸見学会などもあり、過密スケジュールの中、船員の皆さんには、いつも心のこもった生徒への指導と支援をいただきました。
また、寄港地の横浜では、忘れられない出来事もあり、心温まる出入港となりました。
この航海でたくさんの方にお世話になり、優しさに触れ、生徒にとって忘れられない航海の1ページになったことでしょう。
この思い出を忘れず、人との交流を大切にできる、この航海で受けた恩を何かの形で返していける人になってくれることを願っています。
〈以下、生徒の感想文より〉