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2024/05/16 トピックス
【海洋探究系】乗船実習 ~寄港地 in 気仙沼~
悪天候のため仙台港の出港が遅れましたが、気仙沼港へ無事入港いたしました。
天候が回復して絶好の上陸日和となりました。
気仙沼市は、東日本大震災による大津波とその後の大規模な火災に見舞われました。
死者1,143人(震災関連死を含む。)、行方不明者212人に上る最大級の悲劇をもたらしました。
生徒たちは、東日本大震災の被災地での記憶と教訓を後世に伝えるために設立された「気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館」を訪問しました。
津波で4階まで被災した高校の旧校舎を震災遺構としてそのままの姿として存在しています。
津波の被害状況や復興の歩み、被災した方々の思いや教訓を学ぶことができました。
震災伝承館内では、震災当時の記録映像資料や写真のパネル等で被害の様子を知ることができました。
生徒たちは、一つ一つの展示物に思いを馳せながら見学しました。
施設では語り部の方(熊谷さん)やスタッフの方が丁寧に解説・対応していただきました。
生徒たちはメモを取りながら、話に真剣に耳を傾け、深い理解と学びを得ることができました。
語り部の熊谷さんは、津波の猛威とその後の復興の困難さなどを生々しく語ってくれました。
生徒たちは、被災した方々の辛さ、悔しさを知りました。
施設の見学や貴重な体験を通じて、最後に「感じたこと・伝えたいこと」を書き残して施設を後にしました。
生徒の感想を抜粋してお伝えします。
・震災の映像や実際に被災した校舎を見て、震災が広範囲で甚大な被害をもたらしたことに改めて気づかされた。階上(はしかみ)中学校の卒業式における代表の答辞(答辞 (204.8KB))の動画で見て、やはり「当たり前」は「当たり前」ではなく、簡単に奪われてしまうものであり、私たちが大切にしなければならない、と言うことが良く分かった。「当たり前」に感謝したい。
・震災伝承館では、想像できないものを目の当たりにして、驚いたり、混乱したりと、上手く頭にはいってきませんでした。震災というのは、その時の一瞬の判断によって、自分や周りの人々の命に係わると知り、「自然に対して人間は無力」ということは、(身近に感じることができないにしても)苦しさが伝わりとても心に刺さりました。
・これまで小学校・中学校とこの震災についてたくさんの話を聞いて、わかってきたような気持で過ごしてきました。今回、動画や展示物、実際に被災した校舎を見て、知っていると思ったことが、”知っている気になっているだけ”だということがわかりました。階上中学校の卒業式の答辞を聞いて、自分が同じ立場に立ったらと考え、今からでもできる地震対策をしっかり調べ、家族にも教えていきたい。
・ニュースやSNSの映像で観るのと実際に自分の目で見た被害の大きさ・深刻さは、予想していたものとは全く違い、想像を絶するほどでした。崩れ落ちた天井や漂流して校舎に激突した車や冷凍工場の爪痕。波とともに流されてきた土砂や木材など、細かい部分まで当時のまま現存されていて、痛いほどに当時のことが良く伝わってきました。
・私が何よりも考えさせられたのは、「語り部が若い」ということでした。「語り部」と言われて、想像するのは、戦争や空襲など、高齢の方ですが、20代程の年齢が近い人で、改めて”最近“の出来事であり、自分も関わっていることだから、しっかりと考えて、備えることが大切だと感じた。訪れてみて本当に良かった。
・伊豆大島は、津波だけでなく、三原山という火山があるので、今までより防災訓練などやる気をもって行わなければならないと思った。
・・・ など、訪問を通して防災への意識がいっきに高まりました。
学校では、地震や災害に備えるだけで終わらず、地域の絆を大切にし、困難に立ち向かう力を育てていきたいと思います。
また、市内の班別行動では、常に時刻を気にして、班員同士で時刻を伝え合いながら行動している班もありました。
生徒たちは、集合時刻に間に合うように、(時刻を守ることの意味を理解して)ゆとりをもって行動することができています。
夕食後の寄港地訪問の振り返り発表では、随所に工夫が見られるようになってきました。
発表の準備も班員で協力して手際よく行っています。
また、他人の発表を聞くことで「自分の感じたことを大切にしてアウトプットしたい」など気づきのある報告会になっています。
気仙沼港を後にして、次は「生物調査実習」です。天候が心配です。(文責:副校長 鈴木)
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