校章

東京都立南多摩中等教育学校

学校からのメッセージ

記念碑の写真

御挨拶

校長の写真
統括校長 富川 麗子
オオルリ

「探究心と知の翼で共創する力を育む
~学力 突破力 協働力 探究力~」


 東京都立南多摩中等教育学校のホームページをご覧の皆様、こんにちは。このたび校長に着任いたしました富川 麗子と申します。まずは、在校生の皆さんや保護者の皆様、地域の方々、そして教育関係者の皆様に、日頃より本校を支えていただいていることに深く感謝申し上げます。また、小学生と保護者の皆様には、本校が進める教育活動にご関心を寄せていただき、ありがとうございます。
 本校の歴史は、今から117年前の明治41年(1908年)に「東京府立第四高等女学校」として開校したことに始まります。昭和25年(1950年)には「東京都立南多摩高等学校」と改称し、平成22年(2010年)からは中高一貫の形態をとる「東京都立南多摩中等教育学校」となり、今日に至るまで多様な人材を輩出してまいりました。この長い歴史の中で培われてきた伝統と、時代の要請に応え続ける柔軟な改革姿勢こそが本校の強みであり、財産でもあります。
 私たちが大切にしている精神「人間力の南多摩―心・知・体の調和―」は、まさに“総合力”を育むことに重きを置いたものです。その柱となるのが「学力・突破力・協働力・探究力」です。知識を確実に習得する学力、困難な課題を乗り越える突破力、仲間と力を合わせる協働力、そして未知へ挑み新たな知見を切り拓く探究力。これらの力を総合的に高めることで、生徒たちが自らの未来を切り拓き、社会に貢献できる人間へと成長することを目指しています。
 本校のシンボルマークである「オオルリ」は、透き通る歌声で知られる鳥ですが、それと同時に「世界に羽ばたく」というイメージが込められています。また、その背景を囲む三角形は、「心・知・体の調和」を象徴するものです。さらに、本校のシンボルツリーである「オオクスノキ」は、昭和20年の空襲で焼け焦げながらも、翌年には若芽を芽吹かせ復活を遂げました。いかなる困難の中でも、再び立ち上がり未来へ歩む力。それを体現する象徴として、今も校庭で生徒たちを見守り続けています。
 私が着任に当たって強く思うのは、こうした本校の歴史と伝統、そしてシンボルに込められた“再生”や“挑戦”の精神を絶やすことなく継承し、新しい時代の教育ニーズへ応えていく責任を果たしていきたいということです。世界は急速に変化し、新しい技術や価値観が生まれる中で、生徒たちが主体的に社会を支えていけるような教育が求められています。本校が実践している探究活動(フィールドワークとキャリアデザイン)を、さらに充実したカリキュラムや学習支援へと展開していく所存です。
 特に力を入れたいのは、地域社会との連携です。これまでも保護者の皆様や地域の方々には多大なるご協力をいただいてきましたが、たとえば企業や大学との連携による探究学習プログラムなど、実社会とつながる場をいっそう拡充していきたいと考えております。生徒たちがリアルな社会課題に触れることで、“知識としての学び”を“具体的な行動”へと発展させ、さらなる成長を遂げることが期待できます。
 同時に、本校は「人間力」を育む場として、一人ひとりの個性や可能性を大切にする教育環境づくりを目指しています。知的好奇心を伸ばすだけでなく、部活動や学校行事、ボランティア活動など、多角的に活躍できるチャンスが数多くあります。「自分は何が得意で、どのように社会に貢献できるのか」を、在学中にとことん試行錯誤してほしいと思います。
 保護者の皆様には、今後とも生徒たちの学びと成長を温かく見守っていただきながら、学校との連携を一層深めていただければ幸いです。教育は学校だけでは成り立ちません。家庭や地域が一体となることで、子どもたちは安心感を得て、さらに大きく成長します。本校の取り組みに対して、引き続きご理解とご支援をお願い申し上げます。
 私自身、校長として、全教職員とともに力を合わせながら、本校の教育をより豊かなものに高める努力を惜しみません。新たな時代にふさわしい学びを築き、地域や世界へ羽ばたく生徒を育てるために、全力を尽くす所存です。生徒の皆さんには、「失敗を恐れずにまず挑戦することこそが成長の鍵である」ことを改めて強調したいと思います。オオクスノキのように、再生する力を忘れないでください。私たち教職員は、その歩みを力強くサポートしてまいります。
 結びに、本校に関わってくださるすべての皆様に、心から感謝を申し上げます。伝統と革新を融合させながら、これからも「人間力の南多摩」の名にふさわしい学び舎を築いていく所存です。どうぞ、東京都立南多摩中等教育学校の今後にご期待いただき、変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

令和7年4月1日
東京都立南多摩中等教育学校
統括校長
富川 麗子