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東京都立南多摩中等教育学校

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2025/10/27 フィールドワーク

第5回 檜原村フィールドワーク

この活動は、「衣・食・住」をキーワードに現代の暮らしを見つめ直し、参加生徒・教員・檜原村のスタッフが、活動と対話を通して持続可能な社会づくりについて考えるプロジェクトです。これまでに、花粉の出ないヒノキの植林やツリーハウスの土台づくり、生き物図鑑づくり、竹細工、自然観察会などを行ってきました。

2025年10月19日(日)の活動では、昨年に続き、檜原村文化財専門委員の方を講師に迎え、かつて檜原村にあった口留番所の歴史と、当時の裏道にあたる古道をたどる文化・歴史ツアーを実施しました。江戸時代に存在した口留番所の役割や、その背後で地元の人々に利用された古道、さらに古道の途中にある小高い場所が果たした機能などについて、歴史的史料を交えながら詳しいお話を伺いました。この古道には昭和初期まで人々の暮らしがあり、現在も石垣や井戸、トイレ跡など生活の痕跡が残っています。そこに立つと、当時の人々の営みが自然と想起されました。

いまでは散策以外で使われることのほとんどないこの古道ですが、中世・江戸・昭和と時代ごとに異なる役割を果たしてきた痕跡を確かに感じ取ることができました。今回の散策を通して、私たちはこの道を行き交った先人たちの息づかいと、時代を越えて受け継がれてきた暮らしの記憶に触れることができました。

以下は生徒の感想です。

・檜原村役場のバス停を降りた時は、付近の道路を見て、意外と車の通行量が多いことを感じていたが、江戸時代はそこに番所があり、役人が人々の通行を監視していたということが分かり、昔と現在で全然違っていた。ただ、少し面影が残っているように感じた。番所を通らずに進める裏道があったが、番所のあった両脇は山で、隣には川が流れていて、役人にしてみれば立地がとても良いのはないかと思う。檜原村は大自然というイメージしかなかったが、現在の山梨県と東京都の境目であり、江戸時代は交通の要所となっていて、歴史も奥深いことが分かった。 檜原村の自然の中を歩くのは初めてであったが、自然も豊かで、何より空気が美味しかった。カワガラスやヤマセミなどに加え、川の岩をひっくり返すと、小さいヤマメやサワガニ、カワムカデ(ヘビトンボ)が見られた。自然と歴史の両方を感じられ、良い学びになったと思う。

・昔使われていた口留番所は江戸時代から明治時代までの250年間使われていることが分かった。徳川家という有名な人の上洛に際して作られたとのことだったので、写真や図で見るより実際に見て、どのような歴史的背景があったのか知ることが出来た。また、天正の道を歩いた時には、「当時の番所の抜け道や生活道」と聞いていたので、舗道されているのかと思ったがそうではなく山を登るだけでも少し息が上がる道だった。ここでは、写真や図、文章などでは感じことのできない経験をすることが出来た。今回の檜原村のフィールドワークは歴史がメインだったので、次回参加するときには、ほかの分野のフィールドワークに参加してみたい。

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