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東京都立南多摩中等教育学校

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2025/02/25 フィールドワーク

北極研究講話と北極ボードゲーム

2025年2月15日(土)、JAMSTEC地球環境部門北極環境変動総合研究センターの方をお招きして北極を取り巻く現状についての講話、その後北極ボードゲーム「The Arctic」ワークショップを実施しました。中等1年生~中等5年生までの幅広い参加者が集まりました。

前半は北極圏の気候や風土、現地での生活について実体験や写真をもとにお話しいただきました。太陽が沈まない白夜下での町の様子や、凍てつく寒さのなかで売られている魚介の紹介に生徒たちは驚きを隠せない様子でした。また、北極氷の融解の最新知見として、「床暖房」のように着々と熱がたまってきているというお話は、地球規模での環境課題を考えるきっかけをいただきました。

後半の北極ボードゲームは2チームに分かれ、各チームごとに実施しました。参加者はそれぞれ「先住民」「文化人類学者」「海洋学者」「外交官」「漁業者」「開発業者」の6つの立場に分かれ、達成したいゴールを目指し協議をしました。お互いの北極を巡る利権や限られた時間や資源を巡って、政策に賛成意見や反対意見を述べ合い、時に投票を通じて政策を決定していきます。一方の立場の意見が優先的に通っていくと、もう一方の立場の思いがないがしろにされていく状況に、国際的な場で現実に起こっている状況を参加者は体感して知ることができました。

それぞれのチームで北極を舞台に協力し合いながらゲームを進めましたが、一方のチームは全員目標達成、もう一方のチームは全員未達成と異なる結果となり、事後の振り返りが大変有意義な時間となりました。

参加者の感想(一部)

・北極圏というのが北緯66度33分より北の地域を指すということは知っていたが、それが白夜、極夜が見られるという基準から定められているということは知らなかった。その理由を知ると北極圏の定義づけについて納得ができた。英語で北極がarcticで、南極がantarcticということを知って、なぜ英語では北極のほうが基準となっているのか疑問に思った。

・シシャモといえば樺太シシャモのイメージがあったが、ほとんどがアイスランド産と知って驚いた。

・サンタクロースの町などの話は非常に興味深かった また、2人の方どちらもお話が面白くて自分の知らないことばかりで物価のことや実際の写真を見て、北極ってこんな感じなんだーって思えて行きたくなりました。

・私は外交官の役だったのですが、かなり中立的な立場で、初めは正直、どう動いていいか分かりませんでした。しかし、せっかくの機会だから何か意見を言いたい!と思い、「できるだけみんなが『平等に』ハッピーになる」というのを目標に、自分なりの意見を述べて、議論に参加できたと思います。

・文化人類学者の役だった。現地の発展と文化の保護、なにより学者として研究を優先させたはずが、惨敗だった。何か起きる前に研究を進め、対処できるようにすることが大事かもしれない。

・海洋学者としてプレイしました。 さまざまな発生・投票イベントを通して、まだまだ北極には達成しなければならないことが多いことを実感させられるとともに、予算や文化経済環境のバランスを調整するのがとにかく複雑で難しかったです。 しかし、事前の対策が問題が起こった時のなによりのアプローチになることを体験し、日々お仕事を通じてバランスをとっている方々の凄さを感じました。

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