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2024年12月26日(木)、中等2~5年生24名が茨城県にある筑波大学とJAXAつくば宇宙センターを訪問しました。このスタディーツアーは三菱みらい育成財団の助成により実現したものです。当日は朝早くに学校に集まりバスに乗車してつくば方面に向かいました。
午前中に到着した筑波大学では、本校第6,7期生の卒業生(社会学系・医学系分野)に構内を案内いただきました。広大な筑波大学のキャンパスでの生活や各施設の紹介のほか、先史学・考古学がご専門の滝沢先生案内のもと人文社会系学術展示室を特別に見学させてもらいました。貴重な資料の数々を一つ一つ解説していただき、何人もの生徒からの熱心な質問に丁寧に対応いただきました。その後の講義では、考古学の学問領域とご自身の研究について、大学講義さながらの内容をお話しいただきました。その後は食堂で沢山の大学生に混じって皆で学食を堪能しました。
後半はJAXAつくば宇宙センターのガイドツアーに参加しました。「きぼう」運用管制室の見学では、実験運用や宇宙飛行士の支援を24時間体制で行っている管制室をガラス越しに参観しました。宇宙飛行士と交信して指示をするなど、ヒューストンの管制室とリアルタイムでつながっているモニターを実際にみた参加者からは歓声があがりました。その後の宇宙飛行士養成エリアでは、宇宙服のレプリカのほか、ISSでの宇宙医学研究について説明を受け、選抜試験や訓練で使用する閉鎖環境適応訓練設備と低圧環境適応訓練設備をガラス越しに見学することができました。心躍る体験の連続に参加した生徒からはもっと滞在したいと要望が相次ぎました。
生徒の感想(一部)
・筑波大学は地方にある事で広い敷地が確保されているため理系から文系まで様々な学部が一箇所にまとまっている。そのため他の学部も身近であり、専門的な範囲でなければ他の学部も受講することが出来るというのが魅力的だなと思った。
・学群・学類で分けられていることにより、自分の専攻科目以外も比較的自由に学べるという点が素晴らしいと感じた。
・古墳と言えば近畿のイメージが強かったので、関東を含め全国的に分布しているというのは意外だった。また、当時の鎧の種類や古墳の配置から地域間の繋がりや交通について考察できるというのがとても興味深かった。過去の物質資料から当時の様子を想像し人類の行動様式や社会構造を解き明かす、考古学という学問も面白そうだと思った。
・展示物の中に「耳栓」があり、これは何のために作られたのかと質問したところ、「耳栓は飾りのような役割で、子供の時に小さいものを埋め込んで、大人になったときに大きいものを埋め込む。これは民俗事例の一つである。」とお答えいただきました。他の民俗事例についても興味を持ちました。
・私は始め、考古学と聞いて発掘調査とその出土品の分析を行う学問だというイメージが強かったが、今回のお話を聞いて、考古学とは物質資料の形態から社会の変化にまでせまる学問であることがわかりました。
・前方に大きなスクリーンが3つ並んでいて、1番左の1つがきぼうから見える地球の様子を映していて、私たちからしたら宇宙はとても遠い場所だけど管制塔の職員の方たちは近くに感じることができていいなあと思った。JAXAつくば宇宙センターが日本一宇宙に近い場所と呼ばれる所以なのかも。
・まずセキュリティーの高さに驚いた。それだけこの設備の重要性を実感した。きぼうモジュールの維持にたくさんの人が24時間関わっているということに驚いた。
・以前宇宙兄弟を読んでいたので、実際繋がるところがありより深く理解出来たなと感じた。 H3ロケットやイプシロンロケットというコストを減らしたり等の新しいロケットを開発していることによって、より宇宙を身近に感じられるようにという取り組みが印象に残った。
・高品質タンパク質の説明の中で重力がないからこそ薬品などの沈殿や浮遊などが起きずに実験ができると分かり今までなぜ高品質なのだろうと思っていたので、謎が解決してよかったです。
・宇宙飛行士の訓練や、ISSでの実験装置の設計など、技術的な側面についても学ぶことができた。 展示物などを通じて、宇宙での生活がどれほど厳しいものであるか、またその中での人間の適応能力や科学技術の重要性を実感した。さらに、JAXAの研究者や技術者の熱意や専門知識に触れることで、宇宙探査への関心が一層深まった。