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東京都立南多摩中等教育学校

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2024/12/04 フィールドワーク

朝日新聞社・全日本写真連盟による講演会とワークショップ

2024年11月27日(水)、4年生FWの時間に朝日新聞社・全日本写真連盟による講演会とワークショップが行われました。今回の企画は日頃、檜原村フィールドワークで支援いただいている朝日新聞社の方のご縁で実施いたしました。

講演会では「写真は被災地をどう伝えたか」をテーマに、東日本大震災で現地の取材に直接かかわった方から、当時の被災地の状況をご自身が撮影した写真を用いて話をしていただきました。現場を見た時の喪失感、真実や現状を正確に伝えるために現地で被災者の方にインタビューした際の心の葛藤、残された方々の現地での生活など、貴重な写真や当時の記事が生徒たちに伝えられました。改めて知る震災の惨状に涙を流しながら聞く生徒もいましたが、被災し家族を失いながらも懸命に生きる高校生のエピソードが、取材にあたった講師の方の言葉や写真、その後に撮影された動画で紹介され、力強く生きるその姿勢に生徒たちは心を打たれていました。

ワークショップでは事前に生徒たちは3,4人のグループで「私たちの青春」をテーマに自分たちで4枚の写真を用意し、それに込めた思いを講師の方に発表しました。どのグループも工夫をこらした作品ばかりで驚きあり笑いありで盛り上がりました。講師の方は映し出された一枚一枚の写真に込められた思いをくみ取り、ストーリー性や高校生らしさを評価しつつ、より良く相手に思いを伝えるための撮影工夫、画角や被写体の移し方、写真の配置、レイアウトやピントの置き方など、具体的なアドバイスを示していただきました。最後に担任の先生方の「私たちの青春」として昔の写真4枚が示されたときが一番の盛り上がりでした。

生徒からの感想(一部)

・東日本大震災による凄惨な被害の数々が、写真や講演を通じてよく伝わってきた。また、自分自身の目で現場を見て体験し、その上でそれを記事や写真を通して多くの人に伝えるという、写真記者という仕事の理念のようなものがよくわかり、情報媒体として写真は大きな役割を果たすのだと感じた。

・被災地へ実際に足を運んでその状況を伝えるために動くという行為自体中々できることでは無いし、様々な人に気を使ったり恐怖心を感じるながらも伝えてくれる取材をしてくれているということに当たり前だと思わず感謝したいなと思った。今後このような写真を見る時にも撮る側の気持ちを考えたりと視点が変わると思う。

・写真を撮る記者にも、葛藤があったのだろう。その中でも、被災地の状況を正確に伝えようとした当時の記者たちには敬意を表したい。トランペットを吹く被災者の写真を見てグッとくるものがあった。

・何枚かの写真を並べてストーリー性を出す時には、途中で全く違う写真を入れることも効果的だとわかった。また、起承転結を意識して写真を入れたり、テーマから連想して新たなことについて写真を撮ることも良いとわかった。

・私たちが何気なく撮った写真1枚1枚について、良い点や改善できる点を説明してもらえて嬉しかった。広角や露出の使い方を教わったので、早速試してみたい。

・写真を撮るときに、全てを捉えようとするのではなく一番伝えたいと思うところにフォーカスした方が印象的に伝わりやすいということがわかった。スマホでも高画質で撮れるようになってきているので、狙いを決めてから写真を撮ることを心がけていきたい。

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※新聞記事・写真は許可をいただいて掲載しています