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2024年10月15日(土)、飼育倫理と水質調査ワークショップに中等1年から中等5年生までの22名の生徒が参加しました。ドイツで飼育用品を製造しているセラ社に講師としてご協力いただき、本校生物室で実施しました。
前半では「飼育」とは何かについて、主に日本とドイツの考え方の違いを話してもらいました。飼育の視点として、生き物にとっての快適な飼育と飼育者にとっての快適な飼育があります。ドイツでは前者、日本では後者が優先されることが多いという話があり、参加生徒の多くが実際の経験からも気づくことがあったようです。動物愛護に関しての法整備の違いやペットショップや金魚すくい、釣りについても国の違いで考え方が大きく異なることを知りました。動物にとっての幸せを追究するためには、その動物の生態を学ぶことが大切です。飼育者が飼育の環境を正しく整備することの重要性を確認しました。
後半では、科学部が生物を飼育している水槽の水やLWPで水質関係の調査として持参した水を使い、アンモニウムイオンや硝酸イオン、リン酸塩などの有害物質やpHを専用の試薬キットを使って調査しました。目には見えない物質の危険度を色によって識別して、それぞれの危険性とその原因を教わり、今後の飼育に向けたアドバイスをいただきました。このとき使用した試薬キットは一昨年のワークショップでも紹介されたもので、8月に総文祭に出場した科学部の生徒の研究で大いに活用させていただきまた。今回も調査・活用のノウハウをご指導いただけたので、今後の部活動や個々の探究活動に活かしていく予定です。
参加者の感想(一部)
・生き物を飼育するうえで、人間が楽しむだけでなく同じ生き物として魚が暮らしやすい環境にするのは大切だと気づくことができた。
・ドイツは日本と比べて動物愛護の考えが進んでいて、法律で厳しく制限されていることを知った。水槽に自然のままを再現しようとしたり動物を飼うまでの高いハードルがあったりと、生き物に対してはっきりと区別をつけて一定の距離を保っているような印象を受けた。
・ペットショップで生き物を直接売っていないことや十分な広いスペースを確保して生き物を飼っているということは、事前に知っていましたが、アクアリウムに明確な区別があることは初めて知りました。
・日本は手軽に生き物を飼えてしまう環境が整っているからこそ飼い主側の準備が疎かになりやすいのではないかと思う。
・家のメダカも水質のことが前から気になっていたのでいただいた水を調整する液体で水質の管理が少しでもできればいいと思った。
・魚は体調が分かりにくいので、大丈夫だと思っていてもいつの間にか病気になっていた、ということも時々あり、もっと気をつけて水質を見てあげればよかったかな、と思います。水質を意識しすぎて水を換えすぎても魚にストレスがかかってしまうので、うまくバランスを保つのは難しいことなのだとわかりました。
・金魚の水槽は一見奇麗に見えるが硝酸塩やリン酸塩が多かったので、水の交換の回数や量を増やしたり、水草を増やしたりすることが必要だと分かった。今回の結果とアドバイスを基に飼育環境をよりよくしていきたいと思った。