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2024年8月22日(木)東京大学史料編纂所を訪問しました。本校では探究活動の一環として学外へのスタディーツアーを実施しています。今回は一昨年より始まった東京大学の本郷キャンパスにある東京大学史料編纂所の訪問です。
前半部では、本郷恵子教授から編纂所の歴史や活動、史料の復元方法、進行中の具体的なプロジェクトなど、史料編纂所のさまざまな活動と役割を説明していただきました。さらに金子拓教授からは「長篠合戦とはどんないくさだったのか」をテーマとして、長篠合戦図屏風の読み解き、鉄砲の煙が描かれている徳川美術館本が高校教科書に載っている理由、信長の超防御的な戦いが結果として織田・徳川連合軍に勝利をもたらしたことなど長篠合戦の再検討に関するお話をしていただきました。最後に、堀川康史准教と林遼助教からなぜ研究者の道を歩まれたのかといったキャリアに関する話もしていただきました。
後半部では、南北朝時代の公家である中院通冬の日記「中院一品記」、豊臣秀吉の「刀狩令」、鳥居強右衛門のレプリカの解説とワークショップをしていただきました。各古文書に触れながら、その書状が書かれた歴史的背景、筆跡にまつわるお話、古文書から読み解ける歴史の話など多岐にわたる解説をしていただき、時間いっぱいに史料が持つ魅力とその意義を伝えて下さいました。
以下は生徒の感想です。
・資料そのものを集めたいのではなく複製でもいいからそこから何かを調べたいというのが当たり前のことかもしれないけれど目から鱗な気分だった。 長篠の戦いの説明では、鉄砲を使って大勝利を収めたのが実は兵力を減らしたくないからというネガティブな理由で行われていたことに驚いた。
・長篠の戦いという戦いが単に鉄砲によって織田信長が大勝利をおさめた戦いというわけではなく、歴史的経緯からそれ以外の様々な見方ができると学べた。歴史も多角的な視点から考えていくべきだと思った。