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東京都立南多摩中等教育学校

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2024/06/21 フィールドワーク

新江ノ島水族館施設訪問

2024年6月1日(土)、神奈川県藤沢市にある新江ノ島水族館に本校4,5学年生徒と共に訪問しました。江ノ島水族館は70年近くの歴史を誇り、昭和天皇をはじめ、皇室の方々の海洋生物研究にも深い縁がある水族館です。今回の施設訪問企画は4,5年生に限定をしましたが、募集開始初日に募集定員に達するなど、本校生徒の関心の高さがうかがえるスタディーツアーとなりました。申込生徒の中からLWP(ライフワークプロジェクト)のテーマに関係する生徒、および海や生物に興味関心の高い生徒を今回連れて行きました。

週末の江ノ島は観光客でにぎわっていました。今回は特別にバックヤードを見学させてもらい、普段見ることができない巨大水槽の裏側や、病気やケガなどをしている海洋生物たちを管理する水槽などを見せていただきました。また、普段与えている館内の生き物ごとのエサについてや、シラスの人工繁殖、水槽の魅せ方・維持管理についてお話いただきました。

見学プログラムを終えた後も生徒たちはその場に残り、30分以上も質問を飼育スタッフに投げかけました。飼育スタッフの方はその一つ一つに丁寧に、時に熱心に回答してくださり、初めて知る生物の生態や、水族館の業務の多様さに生徒たちからは驚きの声が多く上がりました。多くの種類がいる魚の病気は多様であり、まだまだわからないことだらけであること、水族館の水槽や館内照明の工夫、海の生き物をどのように入手し展示に活かすか、展示を通して利用者にどんなことを考えてもらいたいか、など貴重なお話を聞かせてもらい、生徒も必死にメモをとっていました。親切にご対応いただいたスタッフの方々に改めて御礼申し上げます。

その後は館内を見学し、一人一種の海洋生物を選び、その生物について調べ、成果物として後日ポスターを校内に掲示する予定です。本校にいらした際、ぜひ見ていただけたらと思います。

 

生徒の感想(一部)

・普段ただ「綺麗~!可愛い~」と楽しんでいただけの水族館の裏に、たくさんの工夫や努力があることを知ることができてとても良い経験になりました。水族館のスタッフさん達は、お客さんのことも魚のことも思いやっているんだと感じました。

・バックヤードを見れたり、飼育スタッフさんのお話が聞けてとても貴重な体験だった。特に飼育スタッフさん自ら水槽を直したり作ったりするということはとても印象に残った。また、飼育員さんが魚をおろして餌にしているということを聞き、水槽といい餌といい飼育員さんは魚たちをお世話するだけでないということが分かった

・クラゲの飼育が思ったよりも大変だと知って驚いた。水流や一つの水槽に入れる個体数の細かい調節をしなければ、絡まって弱ってしまうということを知った。クラゲに限らず、バックヤードでも人通りが多い場所の水槽にはカバーをかけたり、水槽から水槽へと生き物を移すときはバケツリレーで移動の時間を減らしたりと、生き物のストレスを極力減らす努力がされていることがわかった。

・幅のない水槽も壁を青くして奥行きがあるように見せていると聞き、後から実際にその水槽を見てみると確かに広そうなのに実際は幅の狭い水槽で驚きました。水族館の魚は漁師さんから貰うことがあり、その時は3日ほど薬の入った水槽に入れて感染症が入らないようにしているそうです。餌は季節によって変えていて、飼育員の方が三枚おろしにするなど自分たちで魚が食べられる形にしていることも知りました。

・水族館で展示されている魚をスタッフの方が実際に海に取りに行くことがあるとわかった。その後の取った魚はすぐに展示されるのではなく、バックヤードの水槽で新たな環境に慣れさせているということにもとても驚いた。また、館内が暗くなっていることにも魚のための明確な理由があると分かった。

・ただ水族館の中の魚だけに気を遣うのではなく、水族館という場を活かして周辺の海に合った魚を広めようという姿から、LWPの授業でよく言われる「社会的に意義のある探究」とはこのようなことを指すのだな、と感じた。

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