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2024年3月26日(火)、東京海洋大学修士課程の学生の方をお招きし、校内で魚食文化やその研究について講話いただき、市場から仕入れた魚を使って観察実習を行いました。募集の段階から参加希望者が非常に多く、関心の高い中等1~4年生が集まりました。
前半の講話では、日本人にとっての魚食文化、魚が漁獲されてから市場を経由して消費者のもとに届くまでの流れを、実体験や動画を交えてわかりやすく説明いただきました。また、大学生活で魚と関わる活動をしていた経験や、海洋船に乗って遠洋での漁獲量調査の研究についてお話いただきました。生徒からたくさんの質問が飛び交い、時にユーモアを交えて、時に芯をつく言葉で答えていただき、生徒たちは魚食文化の現状と魚の魅力を知ることができました。
後半は大田市場から取り寄せたキハダマグロ、メジナ、クロダイ、ボラ、ホッケ、アンコウなど十数種類を超える魚を観察し、実際に包丁を使って選んだ魚を3枚に下ろす実習を行いました。生息海域の違い、漁法の違いについて説明を受けながら、食性や生活様式の違いによるウロコのつき方、口の大きさや形、ヒレの特徴などを学びました。3枚下ろし実習では、ほとんどの生徒が初めてだったため、ウロコ取りや刃の入れ方、骨と身の切り離し方などについて、丁寧なレクチャーを受けました。無事に実習を終えた生徒からは、感激の声があがり、実際に家庭でもやってみたいとの意気込みが聞こえてきました。
〈生徒の感想〉
・魚や漁業についての現状や将来への対策など様々なことを知ることが出来た。また実際に捌くことで魚への関心も高まった。
・初めて知ることが多く、魚がどうやって自分たちのところに来るか知れた。ほかの産業と比べて、人とのつながりが多くあって、面白いと思った。
・魚は種類によって大きさがかなり違うから、特定の種だけ減ったりしないように網の目の大きさに工夫が必要だと思った。
・サークル活動とかアルバイトでの市場の話は、自分が体験したことがないし、話を聞く機会がないので、面白く、大学生活がとても楽しみになった。研究では2週間も船の上にいる事とか大変だろうけどとても楽しそうで体験してみたくなった。
・イサキの鱗は手で取れたが小さく数が多いので全部取るのに時間がかかった。
・魚をさばくのは寿司屋の人がサッサッという感じで素早くやっていてすごいとしか思っていなかったけど、実際やってみて、自分はホッケでウロコ取りが大変だし、さばくのにも時間を要したので職人ってすごいと思いました。今度家でも練習して上手になれるよう頑張ろうと思います。
・捌く前のいつも食べている魚をこれほどしっかりと見たことはなかったので、マグロには水の抵抗を少なくして速く泳ぐために背びれや胸ビレをしまえる部分があったり、ほかの魚にはある鱗も進化の過程で退化して硬くなっていたりなど新しい発見なども多かった。
・ミドリフサアンコウやホウボウ、イトヨリダイなど、食卓では見ない魚を実際に捌く貴重な体験が出来て楽しかった。メバルのひれのとげがすごく痛かった。