校章

東京都立南多摩中等教育学校

ニュース

2024/01/16 フィールドワーク

富岡製糸場スタディーツアー

2023年12月23日(土)、群馬県富岡市にある世界遺産群の一つである富岡製糸場と世界遺産センター「セカイト」を訪問しました。今回の訪問は三菱みらい育成財団「心のエンジンを駆動させるプログラム」による助成金を活用し実現したスタディーツアーです。中等1~5年生22名の有志生徒が参加しました。

最初の行き先は富岡市上州富岡駅前にある世界遺産センター「セカイト」。最新の技術を駆使した展示方法で養蚕から製糸、織物になるまでの過程を知ったほか、巨大スクリーンによる迫力ある映像で製糸場と共に世界遺産登録された3つの施設の紹介とつながり、コンピューターグラフィックスで再現された富岡製糸場の内部解説などを楽しみながら学びました。かつて養蚕で栄えた自分たちが通う八王子市との関わりについても考えを深めました。

昼食後は、富岡市の特産品や名物などを見学しながら富岡市のまち歩きをし、富岡製糸場へと向かいました。富岡製糸場では本校生徒の興味関心に合わせたガイドツアーをしていただきました。明治期より国を挙げての養蚕、製糸、絹織物の振興策が取られ、日本の近代化に貢献した富岡製糸場。その設立には渋沢栄一が関わり、絹産業は外貨を得る手段として長らく日本経済を支えていた事実を知り、ガイドの方の言葉一つ一つに生徒は食い入るように聞き入っていました。また、そこで働く同世代の工女の暮らしについてもお話いただき、住み込みで働く工女の当時の生活について思いを馳せました。

丸一日かけて巡検した特別プログラムでしたが、夕方帰校したときにはどの生徒も充実した様子でした。

 

生徒の感想(一部)

・西洋からもたらされた技術が日本で改良され、効率化が達成されたことを知り、日本人の工夫は西洋を超える力があることを感じた。

・繭から糸の先を見つけて、それを紡ぐという作業を行う機会がすごいなと思った。当初は手作業でやっていたようだが、外国から機械が運ばれてきて、4年をかけてその機械の仕組みを再現し、大量に生産したと聞いて、機械の中の構造を完全に真似するのはすごい技術だなと思った。

・富岡製糸場の機械(技術)は想像以上に発展していた。昭和30年代には一人で40個以上の窯を一人で扱っていたというのは初めて聞いた。また日産の技術が活用されているということにも驚いた。

・富岡製糸場は工場で働く工女をはじめ、フランスの検査人や診療所の医師、蒸気エンジンの管理人など、色々な役職の人が勤務していたことが分かった。労働時間が約8時間で毎週の休日と長期休暇があり、食堂・寮・診療所も整っていて、150年前にしてはかなり労働環境が良くて驚いた。

・女工館と東西置繭所のレンガの焼き加減や形が、たった一年でこんなに違うんだと言うほど上達していたり、資料集の写真で見た繰糸所と実際に入ってみた繰糸所の機械の密度の違いが桁違いだったりで、技術の進歩は凄まじいなと感じた。

・建築は日本と海外の文化が融合した建物が並んでいてすごいと思った。病気に弱い蚕のために建築物にたくさんの工夫が凝らされていたことに感動した。

・学校で繭から糸をとるのは難しかったので、実際に機械を使って糸を取っているところを見ることができてよかった。糸を撚り合わせる仕組みはとても参考になったので、できる限り再現してみたいと思った。

・当時一般人には手が出せなかった高級品である生糸でできた着物やネクタイ、手ぬぐいなど普及させたところが富岡製糸場が世界遺産に登録された理由かなと感じた。そして、生糸の技術や機械などの他国からの輸入、そしてできた生糸の輸出などから、国際的な交流のきっかけとなったと思う。

・日本の近代化は養蚕なしでは語れない、と改めて感じた。富岡製糸場は国家主導で造られた最先端の工場だったと思うと今見てもロマンがあってかっこよかった。

・富岡製糸場には3、4年前に一回行ったことがあったのですがそのときよりも授業やセカイトで絹産業についてある程度知識をいれた上で行くことができたのでとても濃い時間を過ごせて良かったしとっっっっっっても楽しかったです!!

20231223富岡製糸場-1  20231223富岡製糸場-2

20231223富岡製糸場-3  20231223富岡製糸場-4

20231223富岡製糸場-5  20231223富岡製糸場-6

20231223富岡製糸場-7  20231223富岡製糸場-8

20231223富岡製糸場-9  20231223富岡製糸場-10

20231223富岡製糸場-11