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2023年5月21日(日)、神奈川県横須賀市が管理する猿島にて、現地スタッフガイドのもと史跡を巡り学ぶツアーと、無人島ならではの豊かな磯場での観察実習を行いました。中等2年生から5年生まで幅広い参加希望者がいましたが、今回は選考で選ばれた前期生と後期生で行ってきました。
猿島は縄文時代早期(およそ1万年前)は対岸と陸続きだったため、縄文人の使用した土器や石器が見つかってます。その後、海面上昇で島となり、幕末に外国船の来襲に備えるための要塞島になりました。明治時代には対艦用のカノン砲が設置され、昭和時代初期には外国の航空機を撃墜する目的で高角砲が設置されました。今は役目を終え、豊かな自然と歴史に彩られる無人島です。
ガイドの方から、旧日本軍の兵舎や弾薬庫跡、砲台跡を巡りながらその時の暮らしや歴史的な背景をユーモアたっぷりに紹介いただきました。今では日本で4か所のみと言われる「フランス積み」の建物・トンネルが見られるとあって、貴重な経験をさせてもらいました。
猿島は東京湾の入り口に位置しているため、その磯場は内湾型・外洋型両方の海洋生物が生息しています。ほとんどの生徒が初めての磯観察で、見つけたヒトデやナマコ、イソギンチャク、カニに大興奮。大きなアメフラシや多彩な色のウミウシを記録しようと一生懸命カメラを構えていました。
生徒の感想(一部):・戦争中の一般兵士の方がどのように生活していたかが分かるとても貴重な機会だった。
・頑丈そうなレンガを大破させてしまう爆発の威力の大きさに驚き、改めて戦争は怖いなと感じた。
・初めは生き物が出てくるのが少し怖くてうまく観察出来なかったけど、やっていくうちに生き物を発見する楽しさを感じ、積極的に活動できた。アメフラシの大きさと触り心地が衝撃的。あと、シロウミウシがとても可愛かった。
・普段は体験できないような磯観察や島探索をすることが出来て楽しかった。帰りに清掃作業をしている人を見かけて、島を守るための取り組みがあるから、今でも多くの観光客が島に行くことができるんだなと感じた。
・猿島で「人が手を加えて環境を守ること」と「人が踏み込みすぎずに自然をそのまま残すこと」、この2つの大切さをそれぞれ感じ、猿島はそのバランスが上手く保たれているので現在でも史跡と自然を残すことが出来ているのだなと考えた。