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東京都立南多摩中等教育学校

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2023/05/08 フィールドワーク

芝崎磯の観察会

2023年5月7日(日)、神奈川県三浦郡葉山町一色にある芝崎ナチュラルリザーブにて、葉山しおさい博物館員の指導のもと、磯の観察実習を行いました。中等2年生から5年生まで幅広い参加希望者がいましたが、今回は選考で選ばれた前期生と後期生で行ってきました。
芝崎ナチュラルリザーブは三浦半島のなかでも最も海洋生物が豊かな水域の一つで、かつて昭和天皇が調査研究をされ、多くの新種や貴重な種が見つかる場所として知られています。そのため、天然記念物指定エリアとして登録され、自然観察などを行う生涯学習の場としての活用だけでなく、環境保全について学べる場として有名です。生徒たちのうち何人かは、7月の逗子海岸の調査を行った経験があります。やはり多様性の豊かさは素晴らしく、数多くのウミウシやナマコ、ウニ、貝のなかまを観察できたばかりか、マダコやボウシュウボラなど大型の生物も見つけることができました。
指導員の方は、なぜ同じ岩場なのに高さの違いで生き物が明確に分かれるのか、小さな生物の生存戦略、貝が海藻を繁殖させる手助けをしている話など、中高生の興味をひきつける話題をたくさん提供してくださいました。その一つ一つにうなずいたり、メモをとったり、大きな声でリアクションをとったり、楽しそうに実習に参加する生徒の姿がありました。
 
生徒の感想(一部):
・生き物たちはただ住みやすいからそこに住んでいるだけでなく、わずかな場所の違いやほかの生き物が深く関わっていると分かった。また、普段気にしないで踏んでいる岩の表面にも、たくさんの種類の生き物を見つけることが出来た。
・貝やカニ、ヒトデにも、微妙に特徴の違うものがたくさんあり、見ていて全く飽きなかった。パッと見て生物だと思えないものも多く、教えてもらったときにとても驚いた。特にタツナミガイが地味な割に刺激を受けた時の反応が派手で面白かった。また、海でウミウシを見られたのは初めだったので、本当に嬉しかったし可愛かった。
・「教科書に残っている言葉があっているとは限らない」という言葉が心に残った。そういった話は時々聞くことがあったが、海藻の例のように明確に示されたのは初めてだった。
生き物のことを人間の都合で評価するのではなく、その多様性を認め、同じ生き物として守っていくべきだと思った。
・何かを探したり調査したりするときは、自分から細かく観察していくことが大切だと感じた。正直、今回観察した場所の生物はその多くが小さく、地味な色をしていてとても見つけにくかった。ぼんやり見るだけでは全く生物を見つけられない。自分から身をかがめたり岩をひっくり返したりするアクションがあって初めて生物に出会えると感じた。また、その前提として調査するものに対する知識が不可欠だと思った。これは生物観察以外にも活かせると感じた。
 
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