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東京都立南多摩中等教育学校

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2023/05/08 フィールドワーク

八王子市酪農体験実習

2023年5月1日(月)、東京都八王子市にある磯沼ミルクファームにて、酪農体験実習を行いました。多くの参加希望者がいましたが今回は選考で選ばれた前期生と後期生で行ってきました。
磯沼ミルクファームは京王線山田駅から徒歩5分のところにある東京郊外の牧場です。今回、中高生のために特別に実習を受け入れてくださいました。磯沼ミルクファームでは循環型社会を目指し、食品工場から出る野菜くずなどをエコフィードとして給餌していたり、チョコレート工場やコーヒー工場から出る豆や殻を牛の寝床に敷いています。本来、産業廃棄物として廃棄されるものを牛のエサや敷料として利活用している現場を見学させてもらいました。また、牛の糞尿にコーヒー豆や殻などを混ぜて発酵させた堆肥は、本校で栽培している綿花や野菜の畑でも利用させてもらっています。
実習では、牛たちが命あるものとして一頭一頭が大切に育てられている現場を見ながら、子牛の体調管理の確認、40度前後に調節した子牛用の乳作り、餌やり、搾乳室の清掃などを体験させてもらいました。個性あふれる牛たちと触れあいながら日常生活でできないたくさんの経験をしました。
特に今回は家畜人工授精師の方による、母牛への受精卵移植の現場も参観させてもらいました。エコー画面などで体の中の様子を見せてもらったり、妊娠や出産、搾乳、乳牛の一生など命に関わるお話をしていただきました。話を聞いた生徒たちは自分たちの生活に関わる乳製品や食肉がどういう経緯で届いているかを知り、たくさんの乳牛を前に改めて自分たちの生活を考え、見直すことになりました。今回の経験を、家族や今回参加できなかった友達に伝え広めていくことを約束し、充実した実習を終えました。
 
生徒の感想(一部):牛の状態(体調)を毎日継続的に観察することでその変化に気をつけたり、一頭一頭に気を配っている酪農家の方々は大変だろうなと思った。生まれてはじめて実際に受精卵を子宮に入れるところを見て、生命の尊さのようなものを感じた。
自分たちの手元に牛乳が届くまでに想像していたよりも多くの人が関わっていることを知った。牛乳に対してのみならず、日々の食事への感謝の意が高まった。
酪農というのは、身近に感じるけど実際には全然知らないことだらけで、色々な人の努力で成り立っているものと知りました。知ることで自然と牛乳を大事に消費しようと思い、皆が酪農への興味を持っていくのではないかと思いました。
乳牛について「家畜」として、尊い命・生き物として可愛らしいだけでなく、経済・生産性などの側面など、様々な要因が複雑に絡み合っていることをあらためて強く感じた。
 
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