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東京都立南多摩中等教育学校

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2022/08/26 フィールドワーク

東京大学史料編纂所スタディツアー

8月25日(木)東京大学史料編纂所を訪問しました。

本校では探究活動の一環として学外へのスタディーツアーを実施しています。今回は東京大学の本郷キャンパスにある東京大学史料編纂所の訪問です。

前半部では、本郷恵子編纂所所長から編纂所の歴史や活動、史料の復元方法、進行中の具体的なプロジェクトなど、史料編纂所のさまざまな活動と役割を説明していただきました。

さらに本郷先生をはじめ、荒木裕行先生、遠藤珠紀先生、林遼先生、前川祐一郎先生から、ご自身の研究テーマのお話や、なぜ研究者の道を歩まれたのかといったキャリアに関する話もしていただきました。

後半部では、南北朝時代の公家である中院通冬の日記「中院一品記」と豊臣秀吉の「刀狩令」の古文書(ともにレプリカ)の解説と古文書(レプリカ)のワークショップをしていただきました。実際に実物を手に取ってみる機会をいただき、古文書のサイズ感や筆跡、質感を実感することができました。加えて、先生方からは教科書には載っていない古文書にまつわるさまざまなエピソードも話してもらいました。

教科書や資料集、授業などで歴史の史資料に触れることはあっても、それをどのように読み解くのか、何に気をつけて解釈するのかなどは知りません。史資料から歴史を明らかにしていくプロセスが、生徒にとっては非常に新鮮な学びとなりました。

史料から読み取れる歴史の一側面からは、現代の私たちでも共感できる経験や思いが垣間見えます。時代が変わっても人間は変わらないなとしみじみ感じました。その一方で、私たちが当たり前と考える常識や制度、価値観とは全く異なる時代もあります。それらを踏まえると、私たちが持つ「当たり前」は本当に正しいのか、「常識」とはいったい何なのかと逡巡するなど、歴史から学ぶことが多い今回の訪問でした。

 

◆ 生徒の感想

・今までは古文書は教科書などで写真や文面を見るだけで、実際の質感を意識したことがなかったのですが、今回のスタディーツアーで実際の古文書のレプリカに触れて、こんな紙に書いていたんだ、このような字だったのかと新しい発見が沢山あり、とても面白かったです。江戸時代の手紙も鎌倉時代の手紙も、流れるような字で書いてあって、今のようにブロックで正しく、平仮名とカタカナで文字を書くようになったのはかなり最近のことなのだと気づきました。レプリカを見て、古文書にさらに興味が湧いたので、これからいろいろと知っていこうと思います。

・そもそも私が教わった歴史はどうやって伝えられてきているのか、というところに触れられて、これまであまり深く考えることのなかった世界だったのですごく興味深かった。自分の中でなんとなく、歴史といったら大河ドラマの世界のようなイメージが染み付いていて、威厳のある地位の高い人たちが争いを繰り広げているイメージだったが、「大名たちが集まってお酒を飲んで遊んでいた」「筆跡からいいかげんな性格だったことがわかる」「ちょっとしたことですぐ怒る」など、これまで全然知らなかったようなリアルな部分が史料から垣間見えた。実際にレプリカを触るような体験もできて、今日を通して歴史の見方が変わったと思う。今後は、出来事や時代背景を羅列して覚えるのではなく、このときこの人はどんなことを考えたのか、この出来事はどんな史料から読み取ることができたのか、などにも思いを馳せながら歴史を学びたいと思う。

 
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