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東京都立神津高等学校

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2024/03/22 神高NEWS

第50回 卒業式 送辞

【第50回 卒業式 送辞】


第50回卒業式が行われました。2年生代表生徒からの送辞です。

 

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海沿いには春を知らせる紫色のアツバスミレが咲き始め、暖かさを感じられる季節となりました。

卒業生の皆さま、ご卒業おめでとうございます。在校生一同、心よりお祝い申し上げます。

私たちが入学してから先輩方と過ごした二年間は、本当にあっという間でした。振り返ると先輩方との思い出が沢山浮かんできます。

私が一年生の時の新入生歓迎会の日、私は入学したばかりでとても緊張していました。

その様な中、先輩方は「ため口でいいよ」「四葉のクローバー探そうよ」など、気さくに声を掛かけてくれました。

そのおかげで私はすぐに神津高校の輪に入ることが出来ました。先輩方の優しさがとても嬉しく、「こんな頼もしい先輩になりたい。」と思いました。

私だけではなく他の一年生も先輩方のおかげで交友関係を広げることができ、学校生活を明るい気持ちで始めることができたと思います。

その年の黒潮祭では、さらに先輩方の偉大さを強く感じる出来事がありました。それはクラス企画のお化け屋敷です。

黒潮祭当日、来校した子どもたちをクラス全員で楽しませていました。

クラス前の廊下には子どもたちの「超怖かったね」、「また行きたい」という声があふれていました。

大勢の子どもたちが何度もお化け屋敷に向かい、クラス一丸となり、その一人一人に対して丁寧に接客していました。

企画を成功させるまでには様々な困難があったと思います。

しかし、当日の先輩方の姿からはその様な困難や苦悩のあとは一切見えず、ただただ子どもたちを笑顔にしたいという気持ちが伝わってくるものでした。

全員で企画運営に取り組む先輩方の姿は、他の団体を圧巻する格好良さがあり、感銘を受けました。

同じ年の2学期の終わり、私は生徒会に入りました。憧れの先輩方と共に企画した新入生歓迎会では、心のこもった会を開催することができました。

雨が降る中、バーベキューに使う鉄板をピッカピッカに磨く先輩方の仕事ぶりは、久しぶりのバーベキュー開催に臨むやる気や熱量を強く感じさせるいち場面でした。

この様な努力が実り、当日は生徒会だけでなく、上級生皆で一年生を楽しく迎えることができました。

上級生が「一年生、主役なんだから、もっと食べな、食べな。」とお肉や焼きそばをお皿によそい、一年生が「有難うございます!」とお皿を受け取る姿がありました。

この様子を見たとき、私は一年前の新入生歓迎会での先輩の姿を思い出しました。

そして今度は私が先輩として神津高校の輪を繋げることができたと実感し、これこそが神津高校の伝統だと胸が熱くなりました。

先輩方と共に神津高校の生徒会として、生徒同士の交流を深める一端を担えたことは、今でも私の誇りです。

先輩方が築いてくださった伝統を、今度は私たちが後輩に繋いでいきます。

どうぞ安心して任せてください。

これから先輩方は一人一人が選んだ道に向かって進んでいきます。

時には、簡単には解決できない問題があったり、他の人と意見が合わず上手くいかなかったりなど様々な困難があるでしょう。

ですが、新入生歓迎会や黒潮祭で後輩のため、子どもたちのため、仲間のためにと一生懸命になれる先輩方ならどの様な問題や困難も必ず乗り越えられます。

在校生一同心より応援しています。

今まで本当に有難うございました。

最後になりましたが先輩方の健康と、今後ますますのご活躍をお祈りして、送辞といたします。

 

令和六年 三月二日