科学コンテストへの挑戦・発表
●平成27年度の挑戦
ポーランド科学アカデミー主催 第23回国際物理学論文コンテスト
6年生1名参加
第1チャレンジ 7月12日 16名参加
第2チャレンジ 銀賞6年1名
1次選考 7月20日 3年3名4年1名5年4名6年1名参加
2次選考 6年1名 ※物理チャレンジと重複したため辞退
日本化学会関東支部より、支部長賞受賞
5月10日(日)~15日(金)
アメリカ ペンシルベニア州ピッツバーグ
2年1名招待参加、Broadcom MASTERS 受賞
7月25日(土)~26日(日)
パネル展示によるブース出典とステージによる研究発表
「変形体の自他を見分ける力」2年1名
7月4日(土)~13日(月)
インド ムンバイ
日本代表として、国際オリンピックへの参加
銅メダル6年1名
8月22日
5年2名統計分野で発表
8月30日(日)
1年9名2年12名(3人1チーム)参加
JST次世代科学者育成プログラム 平成27年度全国受講生研究発表会
9月19日(土)
筑波大学GFESTプログラム受講生代表として、英語での口頭発表、ポスター発表2年1名
「地球温暖化対策のグローバルネットワーク」高校生の部優秀賞5年1名
5年生1名参加 日韓合同チームで優勝
グローバルサイエンスキャンパス 筑波大学GFEST次世代科学者育成プログラム平成27年度全国受講生研究発表会
9月19日(土)、20日(日)
受講生代表として口頭発表2年1名
第9回高校生理科研究発表会(千葉大学)
9月26日(土)
「生物模倣の小型風力発電機の制作」ポスター発表優秀賞4年1名
努力賞3年1名
サイエンスアゴラ2015
11月15日(日)
ポスター発表2年1名4年1名
東京都大会 11月8日(日)6名参加
総合優勝(数学1位、地学1位、情報5位、物理7位、生物12位、化学20位、実技競技2位)
全国大会 3月18日(金)~21日(月)
11月28日(土)
副学長賞 研究発表5年1名(物理分野)
12月30日(日)
公立中学1,2年生300人を対象にしたイベントで研究発表 5年1名
日本生物学オリンピック予選
4年1名5年1名参加 優秀賞1名(5年)予選上位5%以内
4年1名本選出場
5年2名、4年1名本選出場
1月11日(祝日)
1年3名、2年4名、3年19名予選参加
3年1名本選出場
● 平成26年度の挑戦
ポーランド科学アカデミー主催 第22回国際物理学論文コンテスト
佳作5年2名
最優秀賞1年1名、努力賞3年1名、奨励賞4年1名
日本学生科学賞中央審査
内閣総理大臣賞1年1名
高校生科学技術チャレンジ
佳作4年2名
銀賞2年生6名(3名1チーム)参加
科学の甲子園 東京都大会20141116
総合11位(物理4位)
二次 最優秀賞1年1名優秀賞2年3名アイデア賞5年1名技術省5年1名
東京都児童生徒発明くふう展
優秀賞3年1名
東京都科学塾での発表
5年2名「金属樹の研究」
つくばScience Edge2015サイエンスアイディアコンテストへの参加
4年2名発表
第32回化学クラブ研究発表会
4年2名発表
ポーランド科学アカデミー主催 第22回国際物理学論文コンテスト
1 コンテストの概要
ポーランド科学アカデミーの物理研究所では、1991/2年に、国内の高校生を対象に物理学の研究論文のコンテストを実施し、翌年から国際的な論文コンテストになった。今年は22 回目である。
このコンテストの応募資格は、高校生で年齢が20 歳未満というだけである。学校とは無縁に個人として参加することになっており、論文は毎年17か国前後の物理学者によって審査される。
このコンテストの目的は、(1)若者たちの科学への興味を増進し、(2)際立った能力を示す学生がその能力を伸ばす機会を増やすように、また、(3)学校を刺激して積極的に科学研究に進む学生を増やし、(4)高い能力を示した若い物理学者との交流の機会を提供することにある。
また論文の審査にあたっては、(1)若さによる手加減をせずに、一人前の研究者として評価する、(2)入賞者には研究所に1か月滞在して研究する機会を与える(滞在費は出すが、旅費は自分でスポンサーを見つける)だけで、褒美の品は何も与えない、(3)入賞作を集めたプロシーディングを作成する、の三原則が守られている。
本校では、2004 年に津村加奈が入賞(Prize)して以来このコンテストに取り組み、合計で15 回入賞・入選している。
2 どのような生徒が参加しているか
このコンテストに挑戦したいという生徒は年々増えている。実際にこの研究に取り組んでいるのは、(1)オープンラボ物理の輪読に参加している生徒、(2) 4 年生の小石川フィロソフィーで物理講座をとっている生徒、(3)物理研究会に所属している生徒、の3つに大別できる。このコンテストへの応募は高等学校の時から行われているが、中等教育学校に移行してからは(2)の「小石川フィロソフィー」(1、2 期生は「課題研究」)で物理講座をとっている生徒がこの研究に取り組むことが多い。これは、講座のガイダンスの時に、このコンテストへの応募を目指して研究を行うとアナウンスしているため、物理講座を選択する時点で研究の意志を強く持っているからだろう。
物理チャレンジ 第一チャレンジ(実験課題、理論課題)
物理チャレンジ 第二チャレンジ(実験課題、理論課題)
1 コンテストの概要
「物理チャレンジ」は、国際物理オリンピックの国内予選・選考を兼ねた物理系のコンテストである。第一チャレンジは実験課題(レポート)と理論課題(テスト)があり、ここで全国から約100 名が第二チャレンジに進出する。
第二チャレンジでも5時間の実験や理論問題に取り組み、この中から「物理オリンピック」の日本代表候補者約10 名が選ばれている。
2 物理チャレンジへの取り組み
オープン・ラボの物理に参加している生徒は2 年生から取り組んでいる者もいるが、多くは4年生のフィロソフィーで初めて「物理チャレンジ」に挑戦する。5 年生でも引き続き取り組むと第二チャレンジに進む割合が高くなる。
3 成果と課題(今年度の成果)
FSNPは森井陸・高橋泰樹(ともに5 年)の研究「Doesthe total radiation depend on radiator’s thickness?」を応募し、佳作となった。この研究は2009 年に千吉良舞が始めた研究を引き継いでいる。継続的に実験装置や手法をバージョンアップさせながら研究を続けてきた。
森井・高橋の研究では、物体の厚さが増えるに従い、単位面積あたりの熱放射も増えること、その際の熱の輻射は物体の温度の4 乗に比例することを明らかにした。
「物理チャレンジ」では、高橋拓豊(5 年)が第二チャレンジで優秀賞となり、全国約10名の日本代表候補となった。これは小石川高校の時からみても初めての快挙である。今後、課題や合宿などを通じて最終的に日本代表選手5 名が選出される。
化学グランプリ 1次選考(実験、記述試験)
「化学グランプリ」は、高校3 年相当以下であれば、中学生でも参加できる。本校では平成24 年度から中学3 年生以上の生徒を対象に募集をかけ、団体申し込みを行っている。今年度一次予選に臨んだ生徒のうち6 年生の小宮優吾が、一次選考を突破し、東北大学で行われた二次選考に駒を進め、「金賞」受賞という成果を上げた。高校3 年生は世界大会候補者の対象外という規定により、「国際化学オリンピック」代表候補にはなれなかったが、4 年生から3 年間チャレンジし続けた努力が実を結んだ結果となった。このことが他の生徒に継続的に「化学グランプリ」に挑戦しようとする動機づけとして好影響を与えている。
生物学オリンピック
【生物学オリンピックに向けて】
例年、7月中旬に行われる「生物学オリンピック」への勧誘も含め、3 年生に2009 年に筑波で開催された「国際生物学オリンピック」の話をし、「国際生物学オリンピック」 (International Biology Olympiad : IBO)を目指してみないかと勧誘している。
「生物学オリンピック」に特化した学習会は行っていないが、土曜と昼休みに次の教材を使って学習会を行っている。
・土曜学習会 毎週土曜9:00 ~ 11:00
Biozone 社presentation media
・昼休み学習会 毎日12:25 ~ 12:50
Biology for the IB Diploma (IB Study Guides)
Oxford Univ Pr (Sd)
昨年まで参加していた現6 年生は昼休み学習会でのテキストは一冊読了した。彼らに代わり、土曜は5 年生が、昼休みは4 年生が中心となった。土曜はそれまでの続きを学習しているが、昼休みは初めから再読に入っている。
ただし、今年度は「生物学オリンピック」の受験者が1名しかいなかったこと、学習会も3 学期に入って事実上参加者がいないことなど、今後の課題も多い。来年度へ向け、継続的な取組みとしていくための準備中である。
日本地学オリンピック
第6 回「日本地学オリンピック」予選が2013 年 12月 15日に行われた。受験者は、1462 名。本校では、6 年1名、5 年2 名の計3 名が応募し3 名とも上位5%に入った。このうち、6 年1名と5 年1名が合格。出場資格がある5 年の奥井晴香が、2014 年 3月23日~ 25日に行われた本選に出場した(83 名/ 1462 名中)。あと15点弱で選抜されるのを逃したが、女子生徒第一の成績を収め、「日本地球惑星科学連合賞」を受賞した。奥井は、4 年時から挑戦し、第7回「日本地学オリンピック」予選にも合格した。小学生のときから、地学に興味があり、地学系の大学進学を目指している。第7 回の予選は、2014 年12月21日に行われ、本校からは、奥井と4 年1名が応募。奥井は、合格。4 年生も上位5%に入った。第8 回大会の合格を目指している。
日本ジュニア数学オリンピック(JJMO) 予選
1 はじめに
「日本ジュニア数学オリンピック」(JJMO)とは、毎年1月の成人の日に行われる数学の国際的なコンテストであり、中学3 年生以下の者に受験資格がある。いわば、高校生を対象とした「日本数学オリンピック」の中学生版の大会である。予選の形式は、答えとなる数値のみを解答欄に記入する形で、全12 問(1問1点)を3 時間で解く。例年、8点から9点程度で本選出場となる。
本校数学科では、このJJMO の予選に向けて1期生の頃から勉強会を実施しており、今年度は3年生を対象として、小石川フィロソフィー1「数学探究」の講座内で活動を展開
した。
普段の授業内の問題とは違い、特殊なひらめきを要したり、地道な検証により性質を予想して、的確な場合分けをして解いていくものなど一筋縄ではいかない問題がそろっている。
2 活動の概要
小石川フィロソフィー1「数学探究」では、数学に関する様々な題材について、お互いが意見を出し合いながら探究を深めることをねらいとしている。その中で、1学期には「四平方の定理」や「モンモール問題」などの題材に触れると同時に、JJMO の過去の問題に触れる機会を設けた。そして、2 学期から本格的にJJMO の過去問題を扱い、多面的にじっくりと問題に取り組む時間を作った。個人で進めていくだけでなく、皆で意見を交わしながら問題を解決していく姿が確認できた。
3 成果と課題
今年度は3年生10名の生徒がJJMOの予選会に参加した。普段の数学の成績に関係なく、数学が好きな生徒たちが意欲的に応募してきた。予選を通過するだけでも大きく評価できるほどの問題なので、それに向かって努力し、意見を交換し、数学を深めていく姿は頼もしいものがあった。予選を通過できなかったとしてもこの経験は今後の数学を学ぶ姿勢に生かされてくるはずである。
日本学生科学賞 東京都大会
東京都大会 最優秀賞
1年「変形体の「自他」を見分ける力」
東京都大会 努力賞
3年 「トンボの羽根型風車の研究」
日本学生科学賞 全国大会
<中学の部>
中央審査 内閣総理大臣賞
1年「変形体の「自他」を見分ける力」
今年度は、化学分野だけでなく、物理分野、生物分野においても、「日本学生科学賞」に応募し、受賞したのでここに報告する。特に、1年生の増井真那の研究は、5 歳から行っている継続研究で、中央審査において内閣総理大臣賞を受賞した。
JSEC(高校生科学技術チャレンジ)
科学系部活動ではなく、運動系部活動に所属している生徒の中にも、化学分野の課題研究に取り組む生徒も増えている。今年度朝日新聞社主催のJSEC で佳作に入賞したのは、柔道部の4 年生野村俊貴と陸上部の浅見理王である。JSEC(Japan Science & Engineering Challenge)は、高校生と高等専門学校3 年生までを対象としたコンテストである。専門家の審査委員による書類審査とプレゼンテーション審査で優秀な研究作品を表彰、上位入賞者の中から数人は米国で開催される国際大会Intel ISEF(IntelInternational Science and Engineering Fair) に派遣される。JSEC に応募した2 名は、今年度学校設定科目小石川フィロソフィー2で「英語で科学を学ぶ」という講座を受講している生徒で、講座内では英語でのポスターやプレゼンの作成について学んでいる。放課後や土日、長期休暇を利用し、部活動の合間を縫って「Research about isolation from natural organic compound ~By isolating Shikoninn from Murasaki ~」をテーマに研究に取り組んでいる。小石川の花であるムラサキ( 紫草Lithospermum erythrorhizon )からシコニンの単離・精製を行う過程で、天然物有機化学の方法の改善を行うことを目的とし、研究を行った。現在も「つくばScience Edge」に向けて準備を進めているところである。小石川フィロソフィー1でも3 年生の運動系部活動に所属している生徒が研究に取り組み始め、課題研究への取組が広がりを見せている。
高校生科学の祭典 科学の甲子園 東京都予選大会
総合11位(47校中)
物理4位、科学10位、生物24位、地学22位、数学8位、情報20位、実技10位
11月16日、都内の47 校が参加して、高校生科学の祭典2「第4 回科学の甲子園」東京都予選大会が、都立科学技術高校にて開催された。
この大会は科学的思考力を問う筆記競技とあらかじめ指定された課題による実技競技の二部門からなり、成績トップの学校が、東京都代表として全国大会に出場する。
開会式のあと、午前中2 時間の筆記競技が行われ、昼食をはさんで、課題のホバークラフトの製作( 実技競技)、午後2 時より参加全校が見守るなか、ホバークラフトレースが実施された。規定のコースを走行するタイムを競うレースでは制限時間内に完走できない学校も続出したが、高校生らしく他のチームにも声援を送るなど大いに盛り上がりをみせた。
小石川は5 年4 名、4 年2 名のチームで前日までホバークラフトの調整、テスト走行などを入念に行ってきたことも功を奏し、なんとか完走することができた。
大会終了後、小石川のメンバーで、筆記競技の中身やホバークラフトレースについて意見交換を行った。
成績発表は、12月19日、代々木オリンピックセンターで行われた。発表に先立ち、学生サークルによる実験ショーや学研の科学雑誌の付録製作に長年携わった講師から製作にまつわる裏話の紹介、実演デモも行われ、楽しい時間を過ごすことができた。
最後に成績発表、晴れの東京都代表は、筆記競技の各分野、ホバークラフトレースでともに好成績を上げた筑波大付駒場高校が選出された。小石川は、ホバークラフトレース10 位、総合成績は11位であったが、物理分野では4 位、数学分野では8 位と健闘した。短期間ではあったが、メンバーにとっては学年を超え、チームで科学の課題に取り組むという貴重な経験ができたといえるだろう。
科学の甲子園ジュニア 東京都予選「中学校科学コンテスト」
「科学の甲子園ジュニア」は、独立行政法人科学技術振興機構が、科学好きの裾野を広げるとともに、未知の分野に挑戦する探究心や創造性に優れた人材を育成することを目的として、平成25 年度からスタートした事業である。中等教育学校前期課程を含む中学1年、2 年を対象に3人が1チームとしてエントリーし、各都道府県で予選を勝ち抜いた代表チームが全国大会に出場するしくみとなっている。
2 予選に向けて
東京都予選「中学生科学コンテスト」では、同一校からの複数のチームがエントリーできることから、校内で募集をしたところ、希望する2チームが出場した。競技は、筆記競技と実技競技からなり、公開されている第1回「科学の甲子園ジュニア全国大会」の問題を参考にチーム内で夏休みを利用して各自で準備を進めた。
3 結果と今後
チーム競技ということで、3人が協力し最後まであきらめずに頑張ること、科学コンテストを楽しむことを目標に、それぞれのチームがコンテストに臨んだ。東京都予選では、174チームが出場し、本校の1チームが銀賞(総合順位が3 位~ 5 位)を受賞した。コンテスト終了後、楽しかった、コンテストに参加してよかったという感想を述べており、これをきっかけに、科学の楽しさ面白さを実感して、今後も様々なことに挑戦してくれることを期待したい。