Q&A

高校って、なに?

【Q】高校で学ぶ目的は?
【A】社会で自立するための一般的な教養や専門的な技能を身につけることや、個性を確立し、将来、職業に就くことを通じて社会をつくり支える一人となる自覚を養うことなどが高校で学ぶ目的です。友達や先生とともに学校行事や授業などを通して人との関わりの大切さを学ぶことも大切です。
【Q】工芸高校は、どのような高校?
【A】本校は、生徒一人ひとりが個性と創造力を活かし、Only Oneのオリジナルの作品をつくるための知識や技術を学び、センスを磨く工芸・デザイン系の専門高校です。設計図が与えられ、友達と同じものをつくるのではありません。しかし、設計やデザインの考え方を友達に伝えたり、つくりあげた作品を友達同士で評価し合ったりして、ものづくりへの思いを友達と共有します。本校には、扱う素材、作品のデザイン、制作技術などにより分かれた、特色ある5学科が設置されています。
【Q】工芸高校が設置された理由は?
【A】社会の要請に応えるためです。工芸高校は明治40年に開校されました。現在のアートクラフト科は、西洋文化が日本に入り金属を用いた装飾品や置物の需要が高まったことを受け、金属工芸科として誕生しました。インテリア科は増加した家具の需要に応える木材工芸科という学科でした。グラフィックアーツ科は、印刷物の需要が高まりに対応した、かつての製版印刷科であり、デザイン科は図案科、マシンクラフト科は精密機械科というように、各学科は旧名称と歴史を持っています。昔と変わらないのは、どの学科も社会や企業からの要請に応えられる知識と技術が身につけられること。そのため、今でも工芸高校の卒業生を求める求人依頼が企業から集まります。また近年は工芸高校で身につけたことを活かし、大学や専門学校に進む卒業生も増えています。
【Q】専門高校で学ぶ意義は?
【A】グローバル時代を迎え、日本国内で働く外国人労働者が増えつつあります。こうした状況で日本人が求められているのは、外国人労働者を先導できる高度な専門知識・技術を身につけることであり、専門高校はそうしたスペシャリストを育成する場として期待されています。東京都教育委員会も近年、さまざまな専門高校を開校しています。

授業・カリキュラム・科目・単位

【Q】中学校と高校の授業の違いは?
【A】義務教育である中学校の授業は、教科ごとの時間数や内容が全国共通であることを原則とします。それに対し高校の授業計画は、普通高校であっても公立・私立を問わず学校ごとに異なります。そのため中学生が受験校を選ぶ際は、学校説明会などに参加し、志望する高校でどのような授業が行われるか知ることで、自分に合った進学先を選びやすくなります。
【Q】カリキュラムとは?
【A】カリキュラムは、日本語では教育課程や授業計画といわれ、高校の3年間(課程によっては4年間)で教育目標を達成するため、各学年で学ぶ授業「科目」と授業時間数「単位」を一覧できるように記載しています。カリキュラムは、学校ごとに「普通科目」と「専門科目」を組み合わせて構成されます。工芸高校の場合、生徒が希望する進路に応じて、「普通科目」か「専門科目」のいずれかを選べる「選択科目」を設定しています。
【Q】カリキュラムの単位数とは?
【A】簡単な理解としては、週に1時間(50分)学ぶ科目を「1単位の授業と考えてください。具体的には、1年間の総授業時間1,750分を1単位とします。1,750分とは、週に1度50分の授業を年間35週受けた場合の総時間数です。中学校の授業も、年間35週で計画されています。例えば、週に3時間ある中学3年生の「国語」を高校での科目として考えれば、「3単位の授業」になります。高校では、定期テストの成績や授業中の勉強、さらに授業への出席により、科目ごとに設定された単位を取得し、その合計単位数により進級や卒業ができるようになっています。
【Q】高校で学ぶ「科目」とは?
【A】高校での授業は、中学校で学ぶ国語、数学、理科……などの9教科を、さらにくわしく学ぶ「普通科目」と、専門高校で学ぶ「専門科目」があります。「普通科目」は58科目、例えば、中学校での「国語」は、「国語総合」「国語表現Ⅰ」などの科目で、より詳しく学びます。「専門科目」は、農業、工業、英語、美術、体育……など、専門分野に区分された230科目があります。
【Q】「普通科目」とは?
【A】中学校で学ぶ9教科を、さらに詳しく学ぶ58科目があります。その中には、健康維持のための「体育保健」、社会生活で必要な「家庭総合」など最低31単位の「普通科目」が必ず学ばなければいけない「必履修科目」とされています。
【Q】専門高校(工芸高校)の「専門科目」とは?
【A】高校の「専門科目」は、農業、工業、英語、美術、体育……など230科目があります。そして、専門高校は、専門分野に区分された「専門科目」を最低25単位学ぶことが条件となっています。
【Q】「選択科目」とは?
【A】専門高校では、生徒一人ひとりの進路に応じて「普通科目」と「専門科目」のいずれかを選べる「選択科目」が設定されています。この「選択科目」の枠組みを活用し、大学進学を目指す生徒は大学入試科目に相当する「普通科目」を学び、就職を志望する生徒は就職先企業の仕事に関わる「専門科目」を学ぶことができます。
【Q】普通科目と専門科目の授業形態の違いは?
【A】「普通科目」は中学校と同様、普通教室で1クラス(都立高校では35~40名)の全員が学びます。「専門科目」は、都立の専門高校の場合、1クラス35名が3~4班に分かれ、それぞれの班に指導教員がつく少人数の体験的事業(実習)が、授業の半分以上を占めます。そのため普通高校と比較して、生徒数に対する教員数が多いのが専門高校の特徴です。
【Q】普通高校と工芸高校の授業の違いは?
【A】普通高校の授業は「普通科目」だけですが、工芸高校には「普通科目」と「専門科目」の授業があります。
工芸高校の「普通科目」は、工芸・デザイン系の大学・学部受験や就職試験を想定して、58科目から15科目を選択できます。最大58科目の中で、大学受験や就職試験にとらわれない「普通科目」や「専門科目」」を学ぶこともでき、生徒主体の学習計画が立てられるカリキュラムとなっています。
【Q】工芸高校の時間割は?
【A】工芸高校の時間割は3年間を通し、45分の授業を、月・水・金曜日が6時間、火・木曜日は7時間で編成されています。大学の工学部を受験する生徒は、3学生の月・金曜日の7時間目に自由選択科目として、入試に必要な「数学C」を学べます。
【Q】工芸高校の校舎・教室は?
【A】工芸高校の校舎は、日本の高校の中で最大規模を誇ります。校舎内は、冷暖房を完備。体育館の広さは、公立中学校にある体育館の一般的な面積のおよそ2倍あり、柔道、剣道、茶道、華道など日本の伝統的な武道や文化を学べる施設も整っています。さらに普通高校にはない特徴として、本校には作品制作の特別教室(実習室)があります。大きな校舎を持つのは、そうした制作のための設備が充実しているからです。
【Q】工芸高校の授業以外での単位認定は?
【A】本校は、「高大連携事業」として多摩美術大学と連携しています。多摩美術大学に開講される公開講座を受講した場合、科目「大学集中講座」の1単位を単位認定をします。
【Q】どんな授業がありますか。
【A】カリキュラムを参照してください。すべての教科・科目が、必履修科目です。
【Q】授業見学はできますか。
【A】随時見学はできますが、事前にご連絡ください。また、授業公開や学校説明会(中学生相談会)なども実施しています。

学校生活

【Q】工芸高校の部活動は?
【A】工芸高校には、文化系と運動系を合わせて30のクラブが活動しています。なかでも、本校の施設・設備を利用した陶芸部、グラスアート部、テクニカル部、クラフト部など、ものづくりに取り組む部の活動が活発です。
【Q】工芸高校の放課後の様子は?
【A】放課後は、家庭ではできない課題(作品制作)に取り組む生徒が多くいます。また、定時制の授業が始まる午後5時まで、部活動に励む生徒もいます。
【Q】工芸高校の特色のある学校行事は?
【A】本校の文化祭は「工芸祭」といい、11月の第1土・日曜日に開催されています。毎年2日間で6,000人以上が来校し、生徒のオンリーワンの作品・オリジナルの作品をご覧になります。また、年度末に東京都美術館で開催する卒業制作展には、約3,000人が訪れます。
【Q】高校の学校給食は?
【A】都立の全日制高校で、学校給食を実施している学校はありません。生徒は各自、昼食を準備する必要があります。昼食時の外出も許可していませんから、登校時に持参してください。これに対し都立の定時制高校では、すべての学校で食堂が設けられており、予約制で給食を実施しています。給食費は高校により異なりますが、1食380円前後です。昼間に仕事をしている、または仕事を探している生徒には東京都教育委員会から1食あたり60円の補助があります。
【Q】工芸高校の制服は?
【A】工芸高校の生徒の大半は、私服で登校しています。私服とはいえ、高校生らしい服装を奨励しており、特に高校卒業後に就職を希望する生徒は、求人企業の方にお目にかかる機会もあり、社会人としてのマナー教育の意味も含め、生活態度とあわせて服装を厳しく指導しています。なお、作品制作時や体育の授業では、必ず学校指定の服の着用を義務づけています。
【Q】高校でのアルバイトは?
【A】全日制都立高校で、アルバイトを無許可で認めている学校はありません。ただし、家庭の経済的状況などでアルバイトをする必要のある生徒は、担任教員や生徒指導部などで許可を得てアルバイトができます。全日制の生徒がアルバイトをする場合、就業時間は放課後から夜になるため学業に支障を来す怖れがあります。そのため、在学中のアルバイトを希望する生徒には、日中働ける定時制への進学をお勧めします。
【Q】高校の校則は?
【A】高校の校則は、中学校での指導の延長と考えてください。