学校からのメッセージ

校門の写真

校長あいさつ

 東京都立井草高等学校のホームページへようこそ。
 「『知性と感性を磨き自らの健康を培いながら向上進取の精神で自己実現を目指す』教育理念のもと、真理を探究し、問題を解決する態度や責任を重んじて自主的に行動できる生徒を育てます。さらに、国際交流プログラムや異文化交流を通して国際人の育成に力を入れグローバルに活躍する人材を育成します。」 これが、本校のスクール・ミッションです。
 本校は、学ぶ喜びや感動を原動力に、自らの進路を切り開くことができる生徒を育成する進学校です。本校では、自主・自律の精神を養うため、日々の学習はもとより、学校行事、生徒会活動、部活動等の教育活動を充実させ、様々な課題に対応できる能力と態度の育成を図っています。また、国際理解教育や奉仕活動等を通して人権について学び、生徒諸君が本校を巣立つとき、多様な人々を受容し、地域との連携を深め、率先して社会に貢献できる人材となるよう、教職員が一丸となって教育活動を行っています。
 高校生活を通して、本校の生徒は様々なことに挑戦し、挑戦するからこそ経験する多くの失敗から、たくさんのことを学んでいます。様々なことに悩み、時には葛藤を抱えながら、自主・自律の精神をもって、自分らしく自由な心で生きるために日々挑戦をしています。
 中学生の皆さん、高校生活は、自分の人生をしっかり生きていくための準備期間です。本校で、ともに学び、ともに悩み、自主・自律、そして自由への挑戦をいたしましょう。

東京都立井草高等学校
校長 粕谷 真由美

「闘魂」の力強い文字そのままに 自主・自律の体育祭

 5月24日金曜日、令和6年度体育祭を実施いたしました。
 全校生徒が見守る中、書道部生徒が大筆で今年度のテーマを書き上げ、正面に掲揚するところから、井草高校の体育祭は幕を開けます。
 本校では、全ての進行を生徒が取り仕切ります。前日の準備では、部活動生徒がそれぞれの担当箇所の準備を行ったり、委員会生徒が翌日に備えたりと、それぞれの役割を果たします。また、実行委員の生徒は、予行を振り返って課題を抽出し、当日に備えます。実行委員長はじめ3学年生徒から下級生へ激が飛び、下級生は自らの責任を改めて自覚して、当日を迎えます。
 教師は、生徒の主体的な学びを実現するため、リーダーを務める生徒たちと前年度から対話を重ねます。自主・自律とは、自分たちで行事を作るためにはどのような姿勢と行動が求められるのか。教師が真剣に向き合い、伴走し、より高きを求め期待し続ける、そして生徒がそれに応える。こうして井草の自主・自律を象徴する体育祭が創出されます。
 様々な困難を生徒同士で乗り越えていく過程で、他者を認め、お互いを支え励ましあうリーダー性が、さざ波のように広がり、生徒たちの中に育っていきます。
 体育祭では、縦割り7団、1学年から3学年までの生徒が一つの団となり、競技の点数を競います。午後の最初に実施する応援団のパフォーマンス、ダンスの披露は、生徒も保護者も参観を楽しみにしているプログラムの一つです。応援団への参加を下級生に呼びかけ、共に創り上げる仲間を募るところから、各団の活動は本格的に始まります。
 前日の最終リハーサル時、団長、副団長の想いの強さを感じるからこそ、緊張をますます高めていく下級生に対して、大丈夫、本番を楽しもうと声をかける3学年生徒の姿がありました。
 閉会式をする頃には、感極まって友人と抱き合い、互いをねぎらう生徒たち。縦割り7団に分かれた生徒たちは、開会時に勝利に向けて団員を鼓舞した団長の周りを再度囲み、円陣を組んで校歌を歌い、それぞれの団のリーダーからの挨拶で、団を解散します。
 閉会にあたり、実行委員長は、伝統の継承とよりよい行事の創造を下級生に託し、体育祭に関わった全ての人に感謝を述べ、リーダーとしての任を果たしました。その後、生徒が去った校舎内を、体育祭で育った複数のリーダーたちが巡回し、興奮の中置き去りにされたペットボトルなどを回収して、次週からの学びの環境を整えていました。翌月曜日、早朝から教室を巡回して最終仕上げをする生徒たちの姿があり、その労を労いつつ、日常への切り替えを促すリーダーによる放送を合図に、井草生は日常の学びに戻っていきました。
 「闘魂」の力強い文字そのままに、生徒諸君の熱い想いとエネルギーが溢れ、井草生の力を確かに感じた学校行事、体育祭。
 連日の練習を温かく見守っていただいた地域の皆様、冷たい飲料や氷の準備をいただいた保護者の皆様、そして、生徒諸君に声援を送っていただいた937名の参観者の皆様に、心より感謝申し上げます。

令和6年5月27日 校長

桜咲く入学式

 令和6年度入学式を挙行いたしました。
 277名の新入生、呼名応じて立ち上がる晴れやかな表情が、正門横で咲く満開の桜を想わせ、あいにくの雨を吹き飛ばすかのようでした。
 本校は、在校生徒が、入学式の入場指導をします。昨年新入生として入場した生徒たちが、先輩として、緊張しつつも確かな足取りで新入生をリードし、誘導役を務めます。また、その傍には、最上級生が、先輩の先輩として、寄り添い見守り、助言する姿があります。
 新入生を迎える喜ばしい日に、在校生が立派に役割を果たし、リーダーとして次の世代を迎え育てる姿を見るのは、大変嬉しいことです。
 人には与えられた役割があります。井草生は、与えられた役割を確実に果たすだけでなく、その役割の意味やふさわしい在り方を考え、自分なりに工夫をし、大切にしてほしい部分を着実に後輩に伝えています。また、役割を自ら見出し、自分だけでなく周囲の人にも役割を与え、高校生活をより充実した時間へと高めています。
 本校は、自主・自律を掲げ、国際社会で活躍するリーダーを育成する進学校です。生徒たちは自分の頭で考え、行動することを通して、リーダーとしての資質を身に付け、自らを磨いています。
 本日迎えた新入生には、井草生として得た縁を大切に、先輩の背中を追い、様々な挑戦と失敗を経験して、全日制普通科の高等学校である井草高校だからこその学びを得てほしいと、思います。
 本日、令和6年度の在籍生徒が揃いました。
 保護者の皆様、地域の皆様、本校に関わる全ての方に、今年度も引き続き、生徒諸君と本校の教育活動を温かく見守っていただけますよう、お願いいたします。

令和6年4月9日

出逢いの春

 令和6年度の教育課程が始まりました。
 始業式、体育館に集った生徒諸君の、良い意味で緊張感のある凛とした表情が、まぶしく感じられました。
 始業式では、この間読んだ本から言葉が人を形作ると感じたことについて、話をしました。また、それに先立ち、着任式で、本校で得た新しい縁を大切に、生徒諸君から挨拶をしてくださいとお願いをしました。
 そうしたところ、本日一日だけで、生徒諸君から気持ちの良い挨拶をもらい、言葉は、発する人を形作るだけでなく、向けられた相手にも大いに影響を与える、それも好ましい影響をこんなにも与えるのだということについて、身をもって実感しました。
 「コミュニケーションとは言葉を発することだけではありません。まずは外界のことに心を開いていくこと。自然であれ、動物であれ、人間であれ、他者に興味を持ち、心を開けるようになることがコミュニケーションの基本なんです。」
 岩波新書「動物がくれる力」の中で、児童発達支援センター「のぞみ牧場学園」の理事長、津田望さんの言葉として、紹介されています。
 心を開く、これはなかなか難しいことだと、私は思います。
 生徒諸君には、新たな年度の最初の学期に、コミュニケーションの基本を磨くことができるよう、ここ井草で、日々挑戦してほしい。
 人が社会で生き生きと暮らすためには、自分の居場所と出番があることが大切で、そこにいてもいい、受け入れられているという感覚に加え、誰かのために何かできると感じることが大切であると聞いたことがあります。
 令和6年度第一学期、新しい出逢いのなかで、生徒一人一人が自分の居場所と出番を発見する学期になることを期待します。

令和6年4月8日

巣立ちの春

 御来賓の皆様、保護者の皆様の御臨席を賜り、厳粛かつ晴れやかに、第76回卒業式を挙行することができました。心より感謝申し上げます。
本校の所定の課程を全て修了し、本日卒業証書を授与された270名の生徒諸君は、それぞれの衣装に身をつつみ、友や教師との別れを惜しみながら、本校の卒業生として、堂々と、巣立っていきました。
 卒業生諸君には、最後に、ネルソン・マンデラ氏の言葉を一つ、送りました。
“The greatest glory in living lies not in never falling, but in rising every time we fall.”
卒業生の人生がそれぞれに幸せであることを祈念します。
 本日本校を卒業した生徒諸君の学びを、様々な形で支えてくださった全ての方々に、改めて、深く感謝申し上げます。
 卒業生の皆さん、卒業おめでとう。

令和6年3月2日 校長 粕谷真由美

読書の秋、実りの秋

 2学年生徒による2023ビブリオバトル校内最終予選会を観戦しました。観戦できなかった生徒にも、是非知ってもらいたい内容でしたので、以下、観戦記録を公開します。

1『最高の死に方』 

「安楽死と聞いて、どんな死が連想できますか。三島由紀夫の割腹自殺がその一例だと聞いたとき、なぜ?と思ったらこの本を読んでください」
ん?なぜ?と、思いました。これは、読まなければ。

2『人は見た目が9割』(チャンプ本)

「なにを話すか、ということよりも、容姿、しぐさ、間、話し方など、いわゆる見た目で、物事の伝わり方が決まります。」 ならば、次の講話までに、急いで読もうか。

3『日本の恋歌』

「30首の恋歌の短編は、まるでラブソングを聞いているようで、本を読むのが苦手な人にもお薦め。与謝野晶子の恋歌が一番共感できました。」 そうか、今の高校生が共感する恋歌から是非読んでみたい。

4『Fランク化する大学』

「大学の選び方、ゼミの選び方などがわかって参考になります。例えば授業も、学生を置き去りで先生が一人で進めるものではなくて、学生の意見を聞いてくれたりする授業の方がよいなど、です。」
Fランク化は高校にも当てはまりそうな予感、これは読んでおこう。

5『寝ながら学べる構造主義』

「現代の思想構造主義、ちょっと笑える例え話、なるほどが止まらない、本当に寝ながら読める、本です。」
そういうものかと思って、深く考えずやりすごすことのなんと多いこと。どういうものだか是非読もう。

6『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』

「実は副業としてやっていて、さおだけ屋で利益を上げなくてもいいのです。この本を読むと、勉強の意識や目標についても参考になります。少しでも得な人生を送りたい人におすすめです。」
勉強の意識や目標?タイトルからは想像できなかった深い内容。読んでみよう。

7『友だち幻想』

「みんな仲良くというクラス目標が小学校などであるけれど、気の合わない人とも一緒にいないといけないわけで。君たちの可能性は無限だから頑張ろうと言われるけれど、上には上がいて限界もあるわけで。気の合わない人と一緒にいる作法、人生の苦みという表現で書かれている内容に共感する部分がありました。」 人生の苦みとは素敵な表現、読んでみたい。

8『ビブリオバトル』(準チャンプ本)

「そもそもビブリオバトルって?とビブリオを知るところから始めたら、ビブリオの楽しさがすごくわかりました。実際やってみて、こんな本を読むんだとか、その人の新しい面を見られるから、ビブリオで人を知ることができました。」
なるほど。ビブリオの面白さ、この本を読んで、さらに語れるようになりたいものだ。

最後に
 新書を一冊選び、じっくり読み、自分の言葉で語る皆さんの姿には、学びの実りが表れていました。そして、何よりも、早速読みたくなるものばかり、おかげで読書の秋を満喫できそうです。2学年の皆さん、素敵な書評をありがとうございました。
 ビブリオバトル東京都大会、観戦が楽しみです。

校長 粕谷真由美

第67回井草祭を終えて

 第67回井草祭には、2300名を超える皆様に来校いただきました。
数年ぶりに中学生を迎え、保護者の皆様にも参観いただいたことで、生徒諸君はますます張り切って学びの成果を発揮し、充実した二日間を過ごすことができました。
 今年度のスローガンは「Reach for the New World」。
スローガンどおり、昨年度にはなかった取組やさらに充実した発表内容を多く見ることができました。特に部や同好会の活動発表の発展・充実ぶりは顕著で、来校者が足をとめ、説明に聞き入る場面を多く目にしました。実験に目を輝かせる子ども、音楽やパフォーマンスに感嘆したり、アニメーションに足をとめゲームを楽しんだりした来校者、全ての皆さまに、井草生の知的好奇心の豊かさや自由な学びの雰囲気が伝わったことでしょう。本校の特色である国際交流プログラムについて、中学生・保護者の質問に対しプログラム参加生徒が堂々と説明していました、これもまた、生徒諸君の学習の成果です。食品販売は、前日の荒天で準備が全て当日になり、ほぼぶっつけ本番で臨まざるを得ない状況でしたが、その場の状況に応じて臨機応変に対応してくれた3年生、大変頼もしいと感じました。各HR教室の取組は、装飾が本格的な部屋、魅力的なアトラクション、クラスの団結が感じられる演劇や映像など、お互いの個性を認め能力を生かして文化祭に取組んだ様子が伺えました。二日間、学校内を歩き回り、生徒の皆さんや来校者の方々と言葉を交わしながら、スローガン通り、井草生の確かな歩みを感じました。
 井草祭開催の御挨拶に書いた通り、文化祭という一大行事では、井草生の集団としての人権感覚、健全性、成熟度、そして生徒一人一人がこの先どのような学びに向かうのかということを、感じることができます。生徒の中には、文化祭に参加することを考えただけでわくわくする生徒もいれば、身の置き場が見つからず憂鬱になる生徒もいますし、二者択一を求められ文化祭に参加できなかった生徒もいます。
 文化祭は、心の多様性を認めあい、一人一人のかけがえのなさを感じる感性を高める、学習機会の一つです。この二日間を通して、全ての生徒が、自分なりのNew Worldを発見し、自らの感性を高めてくれていたら、これ以上嬉しいことはありません。
 最後に、来校いただいた方々にお礼を申し上げるとともに、文化祭開催に当たり御理解をいただいた近隣の皆様、様々な支援に御尽力いただいた保護者の皆様、常任委員長を筆頭に新たな文化の創造に挑戦した生徒諸君、そして生徒の挑戦を全力で支えてくれた全ての皆様に、改めて感謝します。

令和5年9月10日 校長 粕谷真由美