ニュース

2024/05/27

「闘魂」の力強い文字そのままに 自主・自律の体育祭

 5月24日金曜日、令和6年度体育祭を実施いたしました。

 全校生徒が見守る中、書道部生徒が大筆で今年度のテーマを書き上げ、正面に掲揚するところから、井草高校の体育祭は幕を開けます。

 本校では、全ての進行を生徒が取り仕切ります。前日の準備では、部活動生徒がそれぞれの担当箇所の準備を行ったり、委員会生徒が翌日に備えたりと、それぞれの役割を果たします。また、実行委員の生徒は、予行を振り返って課題を抽出し、当日に備えます。実行委員長はじめ3学年生徒から下級生へ激が飛び、下級生は自らの責任を改めて自覚して、当日を迎えます。

 教師は、生徒の主体的な学びを実現するため、リーダーを務める生徒たちと前年度から対話を重ねます。自主・自律とは、自分たちで行事を作るためにはどのような姿勢と行動が求められるのか。教師が真剣に向き合い、伴走し、より高きを求め期待し続ける、そして生徒がそれに応える。こうして井草の自主・自律を象徴する体育祭が創出されます。

 様々な困難を生徒同士で乗り越えていく過程で、他者を認め、お互いを支え励ましあうリーダー性が、さざ波のように広がり、生徒たちの中に育っていきます。

 体育祭では、縦割り7団、1学年から3学年までの生徒が一つの団となり、競技の点数を競います。午後の最初に実施する応援団のパフォーマンス、ダンスの披露は、生徒も保護者も参観を楽しみにしているプログラムの一つです。応援団への参加を下級生に呼びかけ、共に創り上げる仲間を募るところから、各団の活動は本格的に始まります。

 前日の最終リハーサル時、団長、副団長の想いの強さを感じるからこそ、緊張をますます高めていく下級生に対して、大丈夫、本番を楽しもうと声をかける3学年生徒の姿がありました。

 閉会式をする頃には、感極まって友人と抱き合い、互いをねぎらう生徒たち。縦割り7団に分かれた生徒たちは、開会時に勝利に向けて団員を鼓舞した団長の周りを再度囲み、円陣を組んで校歌を歌い、それぞれの団のリーダーからの挨拶で、団を解散します。

 閉会にあたり、実行委員長は、伝統の継承とよりよい行事の創造を下級生に託し、体育祭に関わった全ての人に感謝を述べ、リーダーとしての任を果たしました。その後、生徒が去った校舎内を、体育祭で育った複数のリーダーたちが巡回し、興奮の中置き去りにされたペットボトルなどを回収して、次週からの学びの環境を整えていました。翌月曜日、早朝から教室を巡回して最終仕上げをする生徒たちの姿があり、その労を労いつつ、日常への切り替えを促すリーダーによる放送を合図に、井草生は日常の学びに戻っていきました。

 「闘魂」の力強い文字そのままに、生徒諸君の熱い想いとエネルギーが溢れ、井草生の力を確かに感じた学校行事、体育祭。

 連日の練習を温かく見守っていただいた地域の皆様、冷たい飲料や氷の準備をいただいた保護者の皆様、そして、生徒諸君に声援を送っていただいた937名の参観者の皆様に、心より感謝申し上げます。

 

令和6年5月27日

校長 粕谷 真由美