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東京都立東大和南高等学校

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2022/07/27 皆さんよろしゅうございますか?

「皆さんよろしゅうございますか?」7月31日号 そもそも高校で微分積分を学ぶことが必要なのはなぜでしょうか?

 

そもそも高校で微分積分を学ぶことが必要なのはなぜでしょうか?

皆さんよろしゅうございますか?校長川瀬です。皆さんは何のために高等学校で学ぶのでしょうか?義務教育は中学校までなのに、ほとんどすべての人が中学卒業後は高校へと進学してきます。そしてその高校の数学では「微分積分」を学びます。そこで、皆さんに問います。「そもそも高校で微分積分」を学ぶことが必要なのはなぜでしょうか?いったいぜんたい、何の役にたつというのでしょうか?あなたはこのことを一度でも考えたことがあるでしょうか?

「微分積分」とは変化を計算するための数学です。数学が苦手な高校生は「微分積分」が特に苦手で難しいと感じています。そして「どうしても微分積分を学ばなければいけませんか?」と質問することすらあります。そんな高校生が寝坊してしまい、自転車で学校へ急いで向かっているとき、今の速度で走り続けると授業に間に合うかと考えたとします。この間に合うかという問いに答えを出すには微分の考え方が有効です。時速〇キロメートルで、学校までの距離はあと◇キロメートル、授業は△分後に始まるとすると、今とまったく同じペースで走り続けたとして授業に間に合うでしょうか?微分で「速度」が求まります。積分で「距離」が求まります。人工衛星の速度は?軌道は?景気はこの先このまま進むとどうなるのですか?どれも微分積分で考えるのではありませんか?

話は変わるようですが、早稲田大学政経学部が入試科目に数学必須として話題となったことがあります。政治経済学部と言えば早稲田の看板学部です。ついでに言えば早稲田大学6学部の数学入試の謎は何故なのでしょうか?早稲田の人間科学(文系)にも数学入試があります。いくつもの有名大学が文系である経済学部経済学科の入試科目に数学を課してトピックスに加えられたこともあります。大学入学後に必要な力として高等学校の数学が求められています。何故でしょうか?あなたは考えてみたことがあるでしょうか?

話をもとに戻します。「微分積分」は実は身近なもので現代社会を支えている考え方です。いつごろから使われているのでしょうか?その淵源をたずねると、1850年代から中国で西洋数学の本が訳されたときに「微分」とか「積分」とか言い始めたのを、そっくり日本へ取り入れたとみられています。英語で微分はdifferentialとかdifferential calculus,積分integralやintegral calculusといった語を辞書で調べてみると何かわかることはないでしょうか?

さて皆さんいかがですか?ただいま全国的に夏季休業中のことでもありますし、微分(自分)のことは自分(微分)で考えてみてください。(おやっ?あれっ?)