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東京都立東大和南高等学校

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2022/05/18 皆さんよろしゅうございますか?

「皆さんよろしゅうございますか?」5月18日号 今日は「徹夜勉強は有効か?(中間考査と知的正直)」についてのお話です。

 

皆さんよろしゅうございますか?校長川瀬です。

今日は「徹夜勉強は有効か?(中間考査と知的正直)」についての話です。

 本校では来たる5月24日から第一学期中間考査が実施されます。その目的の一つとして、始業以来の勉強によって身に付いた学力を測定することがあります。私が申すまでもなく、生徒の皆さん一人一人の真剣な取り組みがなされるのに違いないのです。

 自分自身の高校時代(今からおよそ45年前)、高校2年の2学期中間考査ころまでは徹夜勉強をしていました。考査期間は仮眠することもほとんどなく、ほぼ完全徹夜でべんきょうしていました。3日目とか4日目になると「へろへろ」になったが、普段の勉強不足からそうしないと考査を乗り切れないと思い込んでいました。幸か不幸か私はそのころ極めて体力に恵まれていたのかもしれません。申すまでもないが徹夜勉強は健康に良くないばかりでなく、学習効率が悪い誤った勉強法です。特に数学や物理などの前日は、必要な復讐を要領よくこなして十分な睡眠をとる方が翌日の考査において思考力・判断力・表現力を十分に発揮できて結果がよいに違いないのです。

他の科目であっても、「覚えられるだけ頭に詰め込んで忘れないうちに受験する」などというのは、考査ではさも自分がその学習内容を充分身に付けているかのように装い、その実、考査が終了してみれば何もかもきれいさっぱりと忘れているという詐欺的行為です。学習内容が身に付いてはいないのに本当に知っているふりをするこの行為を私は「知的不正直」と言います。

高校2年の秋に修学旅行へ行ったのを境に、私は定期考査準備徹夜勉強をやめました。その後、定期考査のために徹夜で勉強したことはありません。旅行中、同室の友人と徹夜で語り明かした私は(念のため断っておくが、これもよくない行為であり、生徒の皆さんは絶対に真似てはいけません)、同室の友人と話していて「定期考査を受けるにあたり、知的正直(自分に真に身に付いた学力を測ってもらおうとすること)でなければ大学入試は乗り切れず、進学後も学業・研究を進めるのに必要な基礎学力がないために常に苦労するにきまっている」と意見の一致をみたのです。それ以来、定期考査直前の徹夜勉強はしたことがありません。

誤解をして欲しくないので申し添えますが、私はいわゆる「ノー勉強(ノーベン)」を推奨しているのではありません。ふだんから計画的に授業の予習復習に努め、しっかりと学力を身に付けてから、定期考査直前には振り返りを要領よくすませ、前日は必要な睡眠時間を確保して欲しいと言っているのです。私の願いは、私と同じ失敗をして欲しくないというところにあります。そして最後に、考査には学力測定以外にもたくさんの目的がありますが、それについてはいずれまた。
以上、少々不出来な「失敗学」による一考察でした。