校長あいさつ
今の日本を取り巻く状況は、少子高齢化や第四次産業革命、グローバル競争の激化、地球温暖化など、様々な課題が山積している状況です。こうした課題に向き合い、新たな価値を創造しながら、豊かな未来を切り拓いていくことが求められています。
この変化の激しい時代の中をしなやかにたくましく生き、リーダーとなって社会に貢献できる人物を育てることが、八王子東高校のミッションです。
本校は、生徒の皆さんを、自らの力で伸びようとする「新しい芽」と考え、その芽を大切にして生徒一人一人の可能性を最大限まで伸ばすことを目指し、様々な教育活動を展開してきました。
開校以来、多くの若人が、この八王子東高校において、質の高い授業により身に付けた幅広く深い教養や確かな学力、入学時から卒業時を見据え計画的に行われた進路指導、生徒が主体的に取り組む学校行事や部活動などを通して、自らの能力を開花させ、それぞれが抱く高い「志」を自分のものとし、実現してきました。
本校の特色は、様々な教育活動の一つ一つを丁寧に行うところにあります。
加えて、高校三年間を見通した探究活動は、各教科の学びと融合させ、生徒一人一人が自ら課題を見つけ、教科や科目を超えた知識を活用し、データ分析や論理的思考、仲間との協働作業を通して、より良い解決策を導き出す力やその解決策を伝える表現力等を身に付ける取組であり、学校全体で推進しています。今後も、これらの取組をさらに発展・進化させ、生徒が、変化の激しい社会に対応していくことに加え、地球規模の課題についても、その能力を存分に発揮し、解決に向けて取り組めるよう努力していきます。
令和6年3月14日、本校第46期生308名が卒業しました。
この学年は、新型コロナウイルス感染症の対応を続ける中、入学し、感染症への対応を行いながら、新しい日常と新しい学校生活の確立に向け、仲間や先生方、保護者の皆様が、工夫を凝らし一体となって取り組みました。1・2年生の時は、十分な高校生活を送る状況にはありませんでしたが、その中でも、勉強や部活動、学校行事、校外での様々な活動に対して、積極的に関わり、持てる力を十分に出し切ることができたと思います。
3年生になり、新しいスタイルを模索した合唱祭や文化祭、体育祭のそれぞれは、規模をフル規格に戻し、過去の実施状況を調べ、一つ一つ丁寧に作り上げる姿を見せてくれました。
進路決定や行事への参加を始めとして、目の前に迫る、いくつもの壁に向き合った時であっても、仲間同士が明るく話し合い、お互い励まし合いながら乗り越えてきました。こうした姿勢は、この46期生が残してくれた財産の一つです。
これからも、308名の絆を大切に、楽しい時間は勿論のこと、苦しい時こそ連絡を取り合い、豊かな人生を送って欲しいと思います。今後、社会の中で様々な組織に所属し、国内外の課題に向き合う場面も出てくると思います。この八王子東高校で培った資質・能力を基盤とし、常に「自ら学ぶ」「自ら考える」「自ら創る」の姿勢を忘れずに、「何としても目標を達成するという強い信念のもと、粘り強く取り組む姿勢」を堅持し、今後の人生をチャレンジングに、そして、数多くの経験を積みながら、成長し続けて欲しい。
激しく変化する時代の荒波のなかで、自らの夢の実現に向かって努力し、社会の様々な分野でリーダーとして活躍されることを心から期待しています。
卒業式の翌日、この46期生の有志多数が学校に集まっていました。
姿は私服であったり中には学校ジャージを着たりして、教室や廊下、ロッカーや下駄箱を丁寧に掃除する姿があった。一日違いで随分印象は変わったが、とても気持ちの良い青年たちが、やはり気の合う仲間と明るく話しながら、お世話になった学び舎を磨き上げている姿を見て、とても穏やかな気持ちになりました。
卒業、おめでとう。そして、ありがとう。
間もなく、第49期生が入学します。
この八王子東高校において、在校生である新2・3年生と共に、諸先輩を追いかけ、将来の夢の実現に向けた歩みを始めましょう。
統括校長 佐藤 聖一