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東京都立国分寺高等学校

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2025/04/07 学習活動

文理融合型SSH「小笠原父島の生物と歴史を学ぶ」巡検報告

1.日程

2025年3月26日(水)~31日(月)

 

2.場所

小笠原諸島_父島

 

3.参加生徒

10名(1年4名 2年6名)

 

4.目的 

・小笠原の自然や歴史について学ぶ

・アカガシラカラスバトの調査

・他校生や研究者・地元のガイドさんたちと交流

 

5.行程

3/26(火)

・東京港(竹芝)出航

3/27(水)

・父島 着

・地元のガイドさんの案内で自然観察

(アカガシラカラスバト,オガサワラオオコウモリ,星空)

3/28(木)

・アカガシラカラスバトの調査

・地元のガイドさんの案内で海洋生物を観察(ザトウクジラ,ハシナガイルカ)

・安藤博士の案内で自然観察@中央山,初寝浦

3/29(金)

・アカガシラカラスバトの調査

・地元のガイドさんの案内で自然観察

@東平サンクチュアリー,小笠原亜熱帯農業センター

・地元のガイドさんの案内で戦跡巡り

@夜明山 森林生態系保護地域

・他校の中高生・大学生,研究者等との交流会

3/30(土)

・アカガシラカラスバトの調査

・小笠原海洋センターでカメの観察

・父島 出航

3/31(月)

・東京港(竹芝) 着

 

6.生徒の感想(報告書より一部抜粋)

 

 今回の4泊6日に渡る小笠原自然観察では、とても貴重な経験を得ることができました。特にアカガシラカラスバト(あかポッポ)の調査と現地の人との関係性はとても印象に残りました。アカガシラカラスバトはおおらかな性格で、大島などに生息するカラスバトの性格からは想像できないほど、人に対する警戒心がないことに驚きました。実際、調査の中で自ら人の近くに飛んできたり、人の前を歩いて通ったりすることもあり、絶滅危惧種に指定されている理由を体感しました。また、現地ガイドの方から、16年前に始まったアカガシラカラスバトの保全を目的とした国際ワークショップが開かれて以降、現地の住民の方々の意識が高まっているという話を聞きました。森の中に保護区域(サンクチュアリー)が設けられていたり、あかポッポという愛称で親しまれていたり、長い年月が経った今でも現地の方々の保全に対する熱意を感じました。そんな姿を見て、私もカラスバトの研究に対するモチベーションが高まりました。(2年 T.S.)

 

 高校生ではなかなか行くことが出来ないであろう「小笠原・父島」という自然豊かな島で、カラスバトとは性格や脚、頭等の外見が違うアカガシラカラスバトの生態に密着するという貴重な体験をさせて頂きました。研究者の方でも目にするのが珍しいアカガシラカラスバトの雛や子育てシーンを目撃することができ、今までにない非常に稀有な経験を積むことが出来ました。また10年前、絶滅の危機にあったアカガシラカラスバトの繁殖に携わった方の生の声や体験談を聞き、島の人達の愛に溢れる行動や奮闘に心を打たれました。その他にも、ホエールウォッチングではザトウクジラやハシナガイルカを、夜にはオガサワラオオコウモリ、サンクチュアリーでは固有種であるノヤシやオガサワラビロウなど、様々な動植物と間近で触れ合い、ガイドの方の解説によってより多くの学びを得ることが出来ました。研修初日や最終日には島の方々の熱烈なセレモニーに参加し心温まる小笠原文化を体験させて頂きました。(2年 N.I.)


 今回小笠原、父島に行き第一に感じたのはこれ程美しい場所があるのかということでした。島内には多くの固有の生物がおり、海は透き通るような青色をしていました。しかし、観察の中ガイドさんに説明をして頂きながら巡った山の中で、私たちの観察の目的であったアカガシラカラスバトが絶滅の危機に瀕してしまったのは人間の持ち込んだネコやヤギの影響であるということ、他にも多くの固有の生物達が人間の持ち込んだものによって悪影響を受けていることを知りました。また海では初めて実際にクジラやイルカを見ることができ、小笠原のような美しい環境を守っていきたい。そして小笠原以外の自然環境についてもより良くしていきたいという思いが強くなり、自然の大切さについて学ぶことが出来ました。

 また、私は小笠原に対して「自然」というイメージが強く、他のものについては良く知らなかったのですが、ガイドの方に案内をしていただいた中で父島には貴重な戦争の記録が多く残っていることを知り、歴史を学ぶことの大切さを実感しました。山の中には、当時使用されていたガラス瓶や発電所跡、大砲などが多く見られ、まるでその地の時が止まっているように感じました。日頃あまり目を向けることの無い当時の状況について実際のものを見ながらお話を聞いた経験は本当に貴重なものになりました。(1年 S.S.)

 

7.写真

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        「おがさわら丸」で片道24時間の船旅 

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              ボニンブルーの海

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             大迫力のザトウクジラ!

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          アカガシラカラスバトの調査

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        保護区へのノネコやノヤギの進入を防ぐ柵 

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           外来種の持ち込みを防ぐための対策

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           小笠原の自然と歴史について学ぶ  

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              盛大なお見送りに感激!