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東京都立小平西高等学校

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2024/03/13 今日の小西

令和5年度 第45回卒業式 学校長式辞 全文

第45回卒業式における学校長式辞の全文を掲載いたします。

 

式 辞

 只今、二百六十名の卒業生の皆さんに、卒業証書を授与いたしました。皆さんは、本校スクール・ミッションのもと勉学に励み、本校所定の教育課程を修了しました。教職員を代表して、卒業生、そして保護者の皆様に心より御祝い申し上げます。御卒業おめでとうございます。

 新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、今年度は4年ぶりに学校行事を公開して、実施することができました。とは言え、皆さんが入学してきた時は、様々な制限下の中での学校生活となり、学校行事等にも大きな支障が出ました。その中で、皆さんは、自身にできることを模索し、様々な工夫をしながら、学校生活を充実させてきたことと思います。一生懸命に競技に取り組み、仲間を応援した体育祭、仲間とともに感性豊かに演じた飛翔祭・合唱祭、そして、日々練習に励み、学校を代表して各種大会やコンクールに臨んだ部活動で人間力を高めることができました。

 また、学習面においては、日々の授業に臨むだけでなく、夏期講習等にも積極的に参加し、着実に学力を伸ばし、自らの可能性を拡げ、卒業後の進路実現に向けて、努力してきました。

 皆さんは、この三年間で人間的に大きく成長することができたのではないかと思います。ただ、この成長は、保護者の皆様や先生方の御支援・御指導があってのものということを忘れてはいけません。

 さて、これから進学や就職など新たな世界に向けて出発する皆さんに幾つかの言葉を送りたいと思います。

 以前に話したことも含めて、この旅立ちの日に伝えたいと思います。

 一つ目は、「上手くやるのではなく、正しくやる」こと。

 物事を要領よくやることは大切ですが、そこに安住すると、大事な局面で辻褄が合わなくなり、困ります。自身の言動は何気に見られているものです。その場しのぎ、場当たり的な立ち回りには限界が生じるものです。誠実に正しく振舞う姿に、他人からの信頼が寄せられます。

 二つ目は、「偉く見せるのではなく、立派な仕事をする」こと。

 人は虚栄心に惑わされがちですが、何のために大学や専門学校に進学するのか、何のために働くのか、何のために生きていくのか等、節々で振り返りながら謙虚に振舞うことにより結果が伴うのではないかと思います。

 三つ目は、「恩返し」です。

 様々なことがありましたが、ここまで育ててもらったことは事実です。保護者の方への感謝の気持ちとともに、愛情を込めて精一杯皆さんのために関わってきた様々な方のことを忘れてはいけません。皆さんが、進学・就職し、少しでも成長されることこそ恩返しになるかと思います。

 ここ数日間、皆さんの先輩方が書かれた卒業式の答辞を読んでいました。その中で、令和元年度の卒業生代表が読んだ答辞が目に留まりました。

 答辞では、「他人(人)に花を持たせよう。自分に花の香りが残る。」という言葉を紹介しています。

 卒業生は、この言葉を「相手に思いやりの気持ちを持って接することで、自分に優しい気持ちが残る」という風に解釈し、思いやりの気持ちを持って学校行事や部活動に取り組んだ結果、学校行事や部活動を成功させ、精神面で成長するとともに、よい人間関係を築くことができ、学校側から作られたクラスから、自分たちで作り上げたクラスに変えることができたと綴っています。

 そして卒業生は「学校行事では、どんな結果を得たかよりも、その過程で得た人間関係の方が、価値があると実感しました。私は三年間を通して、相手を思いやる気持ちを持つことで沢山の良い人に恵まれ、自分の人生が豊かになりました。皆さんも相手を思いやる気持ちを持ち続けて、共に楽しい日々を送りましょう。」という言葉で結んでいます。

 「他人(ひと)に花を持たせよう。自分に花の香りが残る。」この答辞を読んだ後、言葉の美しさと、何か清々しさが、私の心の中にずっと留まっています。

 やはり「心こそ大切」だと改めて感じました。

 卒業後、皆さんは楽しいことだけでなく、様々な困難や障害が待ち受けています。その時、本当の意味で、皆さんの姿勢が問われると思います。

 姿勢です。どんな人にも心を開き、挨拶を交わし、誠実に振舞う姿勢に、人は好感を抱いてくれます。

 そして、壁にぶつかり苦しんで本当に困っている時に、周りの心ある人々が手を差し伸べてくれるのです。

 他人に媚び諂うのではなく、可愛げのある人、愛嬌のある人になってください。

 結びに、保護者の皆様、本日は、御子様の御卒業、誠におめでとうございます。改めて、御祝い申し上げます。

 また、これまでの学校に対する御支援並びに御協力に衷心より感謝申し上げます。

 ご来賓の皆様には、御多用の中、御臨席賜り、謹んで御礼申し上げます。引き続き、本校の教育活動に御理解と御支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

 卒業生の皆さんの今後の御健康と大いなる活躍、そして、御多幸を祈念して式辞といたします。

 

令和六年三月七日

東京都立小平西高等学校長  西澤 博光

 

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