小石川セミナー
大学教授や専門家から最先端の研究のお話をお聞きする「小石川セミナー」は、生徒たちが知的好奇心を高め、豊かで幅広い教養を身につける キャリア教育の機会となっています。
平成27年度小石川セミナー
|
実施日時
|
講演者
|
演題
|
第1回
|
12月12日(土)
10時~12時
|
・明治大学名誉教授
向殿政男氏
・セコム株式会社
小松崎常夫氏
・セコム株式会社
高田直幸氏
|
・「安全」を追求する道、それを支える使命
・セコムのステッカーの向こう側~研究を支える企業の思い
・研究開発の最前線を体験しよう!セコムの顔認証システム
|
第2回
|
12月24日(土)
10時35分~12時10分
|
フォトジャーナリスト
安田菜津紀氏
|
写真で伝える世界、東北の「今」
|
第3回
|
2月13日(土)
|
一橋大学大学院商学研究科教授
江川雅子氏
|
グローバル時代をどう生きるか
|
第4回
|
3月24日(土)
|
国立天文台天文情報センター
渡部潤一氏
|
|
平成26年度第1回小石川セミナー
「私の研究活動 ~セレンディピティーを大切に~」
「セコムのステッカーの向こう側」
●「私の研究活動の原動力~セレンディピティーを大切に」
淑徳大学人文学部教授・工学博士 北野大(まさる)氏 講演
●「セコムのステッカーの向こう側」
セコム株式会社常務執行役員 IS 研究所長 小松崎常夫 氏講演
●セコムが開発した「小型飛行監視ロボット」飛行デモ
7月5日、希望生徒と保護者を対象に、日本経済新聞社の企画による上記の講演会と実演を行った。
北野氏の講演では、「セレンディピティー」つまり、「偶然の幸福」や「探しているものとは別の価値のあるものを発見する」ということが、いかに科学の研究において重要かについて、科学史上の発見や北野氏の経験も交えたお話があった。
小松崎氏は、「セコムのステッカーの向こう側」として、セコムという会社が、警備にとどまらない「安全・安心」を社会に届けるために、どのような技術開発を行っているかや、開発を支える“想い”について熱く語られたのが印象的だった。
その後、剣道場に場所を移し、「小型飛行監視ロボット」の飛行デモが行われた。実際にロボットが飛び上がる時には歓声が上がった。犯人役の人をロボットが追跡するデモもあり、大変な盛り上がりだった。質疑応答が活発に行われ、終了後も残った生徒たちによる質問が続いた。
平成26年第2回 小石川セミナー 菱山豊氏講演
「最先端の医学研究について
みんなで考えなければならないこと~ iPS 細胞を中心に」
12月20日、希望生徒と保護者の方を対象に第2 回小石川セミナーをSSH連携で行った。
内閣官房健康・医療戦略室次長菱山豊氏は東京大学医学部保健学科卒業後、科学技術庁に入庁し、原子力安全、宇宙開発、海洋開発等の行政に従事されてきた。1995 年から1998 年まで在ドイツ日本大使館で科学技術・環境担当の一等書記官を務めた後、文部科学省で生命倫理・安全対策室長を務め、ヒトES 細胞、ヒトゲノム、疫学、クローン技術等に関する各種指針や遺伝子組換え技術に関する法案作りに従事された。さらに、文部科学省研究振興局ライフサイエンス課長を務め、ヒトiPS 細胞研究、脳科学、タンパク質等ライフサイエンス政策に取り組まれた。その後、文教施設企画部計画課長、科学技術振興機構経営企画部長、研究振興局振興企画課長、大臣官房審議官(研究振興局担当)を経て、2013 年10月から内閣官房健康・医療戦略室次長を務めている。このように、生命科学の最先端に関わってきた経歴から、生命科学にまつわる諸問題やその経緯について具体的にお話しいただいた。
まずはじめに、iPS 細胞についての解説をいただいた後、「STAP 細胞」について氏の見解をうかがった。さらに、iPS 細胞に期待される再生医療や日本の研究環境についても言及された。
次に、2014 年の秋、iPS 細胞から作製した網膜上皮細胞を加齢黄斑変性症の患者に移植することに成功した高橋政代先生(理化学研究所)らの業績を例に、生命倫理と関連させ、iPS 細胞の応用、臨床研究の必要性と条件について述べられた。さらに、個人のゲノム情報にまつわる様々な法整備の必要性、理論的には卵や精子がiPS 細胞から作ることができる点などについても具体的に解説していただいた。
最後に、研究不正について、その歴史、なぜ不正が起こるのか、不正を防ぐ方法論などについて具体例を交えながらお話しいただいた。
平成26年第3回 小石川セミナー 赤城剛氏講演
「がん遺伝子発見物語~がんとはなんなのか~」
3月14日、希望生徒と保護者の方を対象に第3 回小石川セミナーを行った。
赤城剛氏は東京大学医学系大学院修士課程修了後、国立がんセンター研究所ウイルス部、ロックフェラー大学(花房研)ポストドクトラルフェローを経て、1999 年から大阪バイオサイエンス研究所分子腫瘍学部門・副部長、2006年から株式会社カン研究所主幹研究員、2014 年より株式会社エーザイ筑波研究所研究員と、長くがんの基礎研究をされてきた。
今では生物の教科書に当たり前のように載っている、がん発生のしくみの概略がよくわかってきたのはここ40 年ほどのことである。ちょうど、氏の研究歴と共に発展してきたがん遺伝子の解明の歴史をやさしく解説していただいた。
平成26年第4回 小石川セミナー 新井紀子氏講演
「ロボットと拓く明日は何色?」
3月23日、全校生徒と希望保護者の方を対象に第4 回小石川セミナーを行った。
新井紀子氏は高校卒業後、一橋大学法学部に進み、大学在学中に数学に目覚め、アメリカイリノイ大学に数学研究のために留学。帰国して、一橋大学を卒業後も数学研究を続け、理学博士となる。広島市立大学を経て国立情報学研究所に勤務。現在、同研究所教授を勤めている。専門の数学研究から、ひろく情報や人工知能などの研究やその成果の情報発信を続けている。2011年に「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトの統括責任者となった。
講演では、人工知能にできることは何なのか。できないことは何なのか。そしてそのような不完全な人工知能と迎える、私たちにとっての遠くない未来、例えば20 年後の2030 年というのはどんな姿なのかを一緒に考察していただいた。
平成25年度第2回小石川セミナー 山本一彦氏講演「免疫ってなんだろう」