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26 27サイエンスカフェ

サイエンスカフェ

 

 学ぶ・語る・発表する・交流する・連携する場として、多方面の分野での「サイエンスカフェ」を実施しています。

 

●平成27年度に実施するサイエンスカフェ

 

実施日時

講師

第1回

420日(月)

共同通信カメラマン 遠藤弘太氏

「あの日も雪が」

第2回

526日(火)

昭和電工(株)川崎事業所工場見学会

プラスチックの再資源化、アンモニア合成のプラント見学

第3回

611日(木)

アメリカ ブラウン大学日本人学部生4

憬れよ、砕け散れ!

第4回

1020日(火)

スキャンボ・ファーマシューティカル社 久能祐子氏

サイエンスは、社会的インパクトを創造する エンタープレナーとは?    

第5回 1月20日(水)  始めようか、天体観測!
第6回 2月25日(木)

興和製薬 奥井武仁氏

薬がどのようにつくられるか

~製薬の基礎研究について知る~  

第7回 2月22日(月)

東京大学名誉教授 下井守氏

へんな元素 ホウ素の化学  

第8~12回

1月25日

2月1日

2月8日

2月22日

3月14日

東京工業大学理学部化学科、進路指導部チューター江尻智一氏

大学で学ぶ化学を知る

 第13回

3月16日(水)

(株)メックecoライフ 平生進一氏

三菱地所(株) 見立坂大輔氏

【ワークショップ】

理想のマンションプランをつくってみよう!

 

 

 

 

(1)普段見ることができない小石川植物園

 711日、東京大学大学院理学系研究科准教授 杉山宗隆先生のご案内で6 年生の生物選択者6 名が東京大学附属小石川植物園へ見学に行った。はじめに、杉山先生から小石川植物園について簡単に講義を受けた後、研究室や実験室を見せていただいた。DNAシーケンサーや遠心機、クリーンベンチ、電子顕微鏡などのいろいろな実験装置の他、標本室も見学できた。実際に杉山先生が実験されている、シロイヌナズナを栽培している恒温室にも入れていただき、培養中の植物体も見せていただいた。その後、外へ移動し、一般には公開されていない研究用植物の維持や管理をしている部分を見せていただいた。初めて見る植物やその維持・管理方法に感心するばかりだった。特に小笠原諸島の植物を研究・保存のために栽培している温室では、絶滅が危惧されるマークがたくさん見られ、植物園が担っている責任の重さを感じた。最後に、一般公開されている園内もご案内いただき、「精子発見のイチョウ」も再確認してきた。

 

 

(2)(3)(13)日本科学未来館と連携した取り組み~年3 回実施~

1 目的

 日本科学未来館と連携して「地球温暖化」をテーマとしたサイエンスカフェを、3 回シリーズで実施した。昨年、世界中の科学者が集まって、地球温暖化の科学的根拠や将来予測、各地域への影響などをとりまとめた報告書が7年ぶりに発表された。日本科学未来館は、この機会に、地球の将来について多くの人たちが話し合い、共に考える場をつくりたいと考え、科学技術振興機構科学コミュニケーションセンターや日本学術会議若手アカデミー委員会と協力し、新しいタイプのサイエンスカフェを開発することを検討する中で、本校と連携したサイエンスカフェを実施することにした。

2 活動概要

 実施前に、日本科学未来館の科学コミュニケーターの松岡均氏とサイエンスカフェの講師とのスカイプ等を用いた打ち合わせを行い、どのような形態のサイエンスカフェにする写真 意見発表の様子か検討した。生徒が得た知識を活用して表現する場を設定するようにした。また、1年生から6年生の生徒と保護者を縦割りにしたグループ討議と発表を取り入れることで、お互いの意見を共有し、考えを深めることができるようにした。

 

【年間計画】

第1回 717日                     

「地球温暖化は本当に起こっているか? 」

(国立環境研究所地球環境研究センター 

主任研究員)

第2回 107

「都市の温暖化はどこまで進んでいるか~その原因と対策を考える~」

半場佑子氏(京都工芸繊維大学工芸科学研究科応用生物学部門教授)

第3回 316

年間の活動のまとめと発表 筑波と京都をつないだスカイプ会議

3 成果と課題

 地球温暖化の問題に関する世の中の動き、これから社会がこの問題にどのように取り組むべきかについて、考えを深め、発信する機会となった。

 

 

(4)国際教養大学へのすすめ  ~小石川から世界へ飛び立つために~

1 概要

 20143月に本校を卒業し国際教養大学へ進学した山本楓子氏を招いて、サイエンスカフェを実施した。

 小石川中等教育学校に在籍中に、将来の進路についてどのように考え、国際教養大学へ進学したかの経緯を話した後、本校での学びとそれがどのように繋がっているかの視点で、現在の学びについて話された。大学の授業は、すべての授業が英語で行われており、英語の力はもちろん必要であるが、本校で学んだ各教科の学びが必要とされる場面が多いこと、国際教養大学への入試の個別試験科目には数学や理科はないが、数学や理科の学びが現在の学びに役に立っていることなど、感じていることを飾らず素のままで話していたことが印象的であった。

 現在、様々な国からの留学生とともに大学の寮で生活しており、いろいろな場面で議論することが多く、「自分」を持っていることが何より重要であるので、ぜひ、自己を確立して様々なことを学んでほしい、と後輩達へエールを送った。

2 参加した生徒の感想より

・国際教養大学では、英語やコミュニケーション力もつくし、自分のやりたいことをしっかり見つけられるというのが魅力的だと思った。そのような力をつけることで、将来の選択肢も増えると思うので、今日のサイエンスカフェでますます興味が深くなった。英語だけでなく、いろいろな教養が必要とされているのだなと思った。(3 年)

・英語での授業や留学も含め、様々なことをやっているのだなと思い、入学したら夢が広がると思った。英語での日常会話は憧れる。しかし、憧れるだけでなく、チャンスを得るかどうかは自分次第だと感じた。(6 年)

 

 

(5)世界結晶年特別企画

身近な結晶の世界-有機化合物編-

1 目的

 2014 年は、世界結晶年とよばれている。これは、マックス・フォン・ラウエのX 線回折現象の発見(1912 )と、ヘンリーとローレンスのブラッグ親子がX線回折現象を利用して食塩の結晶構造の解析に成功(1913 )したことによる、現代結晶学誕生から100 年になることに由来している。

 今回、結晶についての理解を深め、色々な結晶が私たちの生活の中の様々なことと関わりのあることを楽しみながら学ぶことを目的として、サイエンスカフェを企画した。

2 概要

1)日時:平成26 129日(火)1620 1800

2)場所:本校理科室

3)講師:横浜国立大学大学院環境情報研究院

     人工環境と情報部門 教授 松本真哉氏

4)参加者:1年~ 6 年の生徒及び教職員 21

5)内容

 「結晶とは何か」「結晶っぽいもの・コトバ」からはじまり、結晶の定義、結晶性固体、そして、X線結晶構造解析など結晶における全般的なレクチャーを受けた。その後、松本先生の専門分野である有機化合物の結晶多形について、実際の合成サンプルを見せていただきながらレクチャーを受けた。最後に、結晶の話題だけでなく、大学で学ぶということはどんなことか、松本先生のもう一つのご専門である「私たちの生活と環境」についての話もうかがうことができた。

 一方的な講義形式ではなく、参加者に質問をしながら双方向的に展開され、和やかな雰囲気の中で、興味深く楽しむことができた。

3 参加した生徒の感想より

・今回知らないことがいっぱいであり、とても楽しかった。また何より結晶はきれいだと思った。次回もぜひ参加したいと思う。(1年)

・難しそうな記号や図や言葉が出てきましたが、身近なものに関連づけて考えるととてもわかりやすいと思いました。

今回の講義で、聞いた用語をもっと理解できるようになりたいです。(1年)

・肩の力を抜いて様々な身のまわりの結晶について学ぶことができた。色素の部分は、ちょっと専門的でしたが、お菓子や薬なども結晶であることがわかり意外でした。(4 年)

・難しい内容もありましたが、わかりやすく説明が面白かったです。何となく自分が賢くなった気がしました。(5 年)

 

 

(6)動物たちとかかわりたくて

 1217日、本校卒業生の中佐藤彩氏( 本校057 期生)と小沼あすか氏(059期生)をお招きしてサイエンスカフェ「動物たちとかかわりたくて」を開催した。

 中佐藤氏は、アメリカの大学で動物看護師の資格を取得後、現地で仕事をしていたが、愛犬の介護のため帰国。今は日本で働いている。

小沼氏は帯広畜産大学大学院修士課程修了後、現在東京大学大学院博士課程在学中である。動物と関わる仕事に就きたいと思いながら、いろいろな選択肢の中から今の二人がある。二人から、学生時代の様子を当時の写真を交えて紹介していただいた後、なぜそれぞれの場面でそのような選択をしてきたかをお話しいただいた。アメリカと北海道という異なる地で学んだ二人だが、学生時代の様子や動物と関わることに対する姿勢など、共通する部分が多く、大変興味深くお話をうかがった。

講演終了後も、動物と関わる仕事に就きたいと思っている生徒や、留学を考えている生徒と個人的にたくさん語っていただいた。

 

 

(7)始めようか、天体観測♪

115日の実施予定が雨により、19日に延期して行った。特に注目すべき天文現象があるわけではなかったが、冬至前後の日没が早い時期に設定したほうが、早い時間に暗くなるという理由で、今回は1月の実施となった。

昨年は、金星を見る予定であったが、近隣のマンションに隠れてしまい、全員に見ることができなかったが、今回は、金星の高度も高く、見せることができた。他には、火星を見てもらった。天文研究会では、4 年生、3 年生が中心となり、望遠鏡を操作したり、双眼鏡にプレアデス星団を入れたり、冬の星座の説明を行った。

参加者は、生徒22 名、保護者2 名であった。星をじっくりと見たことがない生徒も多く、「寒かったけれど、ていねいに説明してもらい、いろいろな星を見ることができてよかった」という感想をもらうことができた。

参加者の中には、物理研究会の写真班も多く、はじめての星夜写真の撮影に取り組んでいた。残念ながらアンドロメダ銀河は見られなかった。天文研究会では、技能を高め、より多くの人に楽しんでもらえるように頑張りたいとはりきっている。

 

 

(8)三者三様  ~化研の同級生が歩んだそれぞれの道~

1 概要

 120 日、本校062 期生(2010 年卒)の天笠翔太氏、岸野秀昭氏、湯沢丈氏を招いて、サイエンスカフェを実施した。3人は同級生で、在学中、化学研究会に所属していることが共通点であるが、卒業後は全く異なる道へ進んだ。今回のサイエンスカフェでは、本校を卒業後の進路を踏まえ、在校へのメッセージを発信してもらった。

 天笠翔太氏は、本校卒業後、化学の道へ進んだ。現在、東京理科大学4 年に在籍し微粒子合成の研究を行い、来年度から同大学の大学院へ進学する予定である。化学の道への選択は、高校時の化学研究会での活動がきっかけであるが、化学の道へ進んでもよいのかと迷った時期もあった。将来の進路を決めた一番の理由は、化学が好きであったことである。他人と競うのではなく、自分の好きなことを見つけ、進んでほしいことを述べた。

 岸野秀昭氏は、卒業後、情報工学への道へ進み、現在、電気通信大学4 年に在籍している。在学中から携わっている日本の「子どもの貧困」問題について活動、無料学習支援についての話をされた。この活動を通じて学んだ、「やりたいことは人に言おう」「自分にしかない個性を極めよう」「未知への挑戦も面白いよ」と発信していたことが印象的であった。

 湯沢丈氏は、卒業後、考古学の道へ進み、現在、東京大学大学院で研究活動を行っている。考古学を学ぶ中で、大学進学時は理系、文系に分けることが多いが、実際の学びでは文系、理系の区別はないことが多く、思い込みで区別するのではなく、柔軟に、そして本質的に学んでほしいことを発信された。

2 参加した生徒の感想より

・ 今回のサイエンスカフェに参加して、改めて“ 視野を広げること”、“人との関わりの大切さ”を感じました。文系・理系にとどまらず、まずは自分の好きなことから興味、関心を広げ、様々な可能性を見つけていきたいと思う。(5 年)

・ 文系、理系に決めつけず、好きなことについて調べ、進路について幅広く考えてみようと思った。(4 年)

・ サイエンスカフェに参加して視野が広がった気がする。(5年)

 

 

(9)建築学とその現場

 123日、株式会社大成建設千葉支店建築部建築室室長の廣瀬淳一氏を招いて「建築学とその現場」というタイトルでサイエンスカフェを開催した。3年生~5年生の11名が参加して、市川駅南口再開発事業やJR千葉駅駅ビル工事など具体的なビル建築現場のお話しを聞いた。

 廣瀬氏は入社以来、長く現場監督の仕事をされてきており、現場監督とは何か、実際の建築現場の作業はどのようなものかなどを、写真を交えてわかりやすく解説していただいた。また、実際に建物が作られた設計図などもお持ちいただき、参加した生徒達は興味深く見入っていた。「楽譜が同じでも指揮者が違うと違った音楽になるように、設計図が同じでも現場監督が違うと違った建物になる」という言葉が印象に残った。現場では女性の参加も期待されているという点もこれからの建築現場が変わっていくという感じを受けた。

 

 

(10)理想のマンションをつくってみよう

1 目的

 三菱地所株式会社CSR推進部と、三菱地所グループ株式会社メックecoライフと連携し、『「ディベロッパーってどんな仕事?』簡単業界ガイダンス&みんなで理想のマンションの間取りをつくってみよう!」をテーマに、サイエンスカフェを実施した。私たちが暮らしている街がどのように計画され、つくられているのかをワークショップを行うことで、ディベロッパーの仕事について知る機会とすることを目的とした。

2 活動概要

 講演では、50年前から現在までの家の間取りの変遷や世界の家の間取り、マンションがどのように企画され、つくられていくのかという説明があった。

 ワークショップでは、住んでみたいマンションの間取りをつくった。今回のワークショップのためにご用意いただいたキットを使って、班ごとにコンセプトを設定し、マンションの間取りを考え、インテリアを配置した。班は1年生から5年生までの、学年ごとの7つの班と、保護者の班3つの合計10班。

 ワークショップの後は、班でマンションのコンセプトと間取りについて発表を行い、メック株式会社ecoライフ顧問の平生進一氏から講評をいただいた。

3 成果と課題

 今回のサイエンスカフェの成果は、参加希望者が生徒36名、保護者16名、合計52名と多かったことである。参加者からは「日頃、やってみたかったことができた」という感想が多く、生徒の中には、保護者の考えるマンションのコンセプトに驚きと発見があったという意見もあった。現在4 階SSHコーナーに作品を掲示している。参加していな

い生徒も関心を持ち作品を見ている姿が多く見られた。

   
 写真1 ワークショップの様子  写真2 つくった間取りを発表

  

(12)理系出身者のお仕事って幅広い!

 221日、本校055 期生(2003 年卒)の蓑田裕美氏(株式会社資生堂研究推進部学術室)をお招きしてサイエンスカフェ「理系出身者のお仕事は幅広い!」を開催し、生徒7名が参加した。

 理系の仕事は研究職以外にも、開発した化粧品レシピを作りだす製造部門、安心安全な原料を買いつける購買部門、商品に使われた技術の素晴らしさを消費者にわかりやすい言葉へ翻訳して伝える技術広報など、様々な職種がある。

氏の経験をもとに理系出身者のキャリア選択は実は幅広いこと、学生時代の専門が何であれ、理系で学べる多くのこと;「論理的に考える」「自分の考えを持つ」「意見の異なる方と議論できる」「主体的に行動する」という点は社会に出てからも役立つことなどお話しいただいた。「やりたいこと」と「やれること」と「やるべきこと」の重なった部分が、自分が活躍できる分野、中高生の頃にいろいろな事に取り組んでいるとそれが強みにつながる、とのメッセージをいただいた。

  

 


●平成26年度に実施したサイエンスカフェ13回

(1)普段みることができない小石川植物園

(2)日本科学未来館との連携 1地球温暖化は本当に起こっているか

(3)日本科学未来館との連携 2都市の温暖化はどこまで進んでいるのか

(4)国際教養大学のすすめ ~小石川から世界へ飛び立つために~

(5)身近な結晶の世界 ~有機化合物編~

(6)動物とかかわりたくて ~1人の卒業生の約10年~

(7)始めてみようか天体観測

(8)三者三様 ~化研の同級生が歩んだそれぞれの道~

(9)建築学とその現場

(10)ディベロッパーってどんな仕事? ~理想のマンションの間取りをつくってみよう~

(11)プラスチックのリサイクル 講義と実験

(12)理系出身者のお仕事って実は幅広い!

(13)日本科学未来館との連携 3年間活動のまとめと発表(大学等とスカイプ)

 

【平成26年度サイエンスカフェにご協力いただいた講師・団体】

(1) 東京大学大学院理学系研究科准教授 杉山宗隆氏 

  東京大学附属小石川植物園

(2)(3)(13) 国立環境研究所地球環境研究センター主任研究員 横畠徳太氏

  京都工芸繊維大学工芸科学研究科応用生物学部門教授 半場佑子氏

  日本科学未来館科学コミュニケーター 松岡均氏

科学技術振興機構化学コミュニケーションセンター

日本学術会議若手アカデミー委員会

(4) 本校卒業生 国際教養大学在学 山本楓子氏

(5) 横浜国立大学大学院環境情報研究院教授 松本真哉氏

(6) 本校卒業生 動物看護士 中佐藤彩氏

  本校卒業生 東京大学大学院博士課程在学 小沼あすか氏

(7) 本校主幹教諭 瀬戸治夫

(8) 本校卒業生 東京理科大学在学 天笠翔太氏

本校卒業生 電気通信大学在学 岸野秀昭氏

本校卒業生 東京大学大学院在学 湯沢丈氏

(9) 株式会社大成建設 廣瀬淳一氏

(10) 三菱地所株式会社環境・SR推進部 見立坂大輔氏  

三菱地所グループ株式会社メックecoライフ顧問 平生進一氏

(11) 一般社団法人プラスチック循環利用協会 神谷卓司氏

  一般社団法人プラスチック循環利用協会 鈴木雅夫氏

(12) 本校卒業生 株式会社資生堂研究推進部学術室 蓑田裕美氏
 

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