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2024/09/02 お知らせ

令和6年度2学期始業式 校長便り

9月2日(月)2学期 始業式を体育館で行いました。

台風10号の影響による大雨が続きましたが、本日は久しぶりの青空の下で2学期をスタートさせることができました。

始業式では校長講話で以下のような話をしました。

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 1学期終業式で壮行会を行った野球部は、次の日八王子市民球場で優勝候補だった日大三高と対戦し1対5で敗れました。結果西東京大会ベスト16と見事な成績を残してくれました。

 野球部の活躍もあって夏の甲子園は例年以上に関心を持ってテレビ観戦しました。 高校野球をテレビで見ていると、たとえピンチの時でも笑顔でプレーする選手が、最近特に多くなったと感じています。例えば、立て続けにヒットを打たれてピンチになった時、ベンチから伝令が出てきて、選手を集め監督からの言葉を伝えます。すると、それまで引きつっていたピッチャーの顔が急に緩み、全員がパーと笑顔になる。このような光景を何度も見ました。伝令の選手は、監督からのことばを伝えることだけでなく、選手を笑顔にさせることが重要な役目なのだと思いました。笑顔は、全身の筋肉や脳の働きを柔軟にしてくれることが、科学的に証明されています。笑顔でプレーする選手のいるチームの指導者はそのことを知っていて、緊張して筋肉が固まったり、よい判断ができなくなったりするようなピンチの時こそ、笑顔でプレーすることができるように日頃から指導をしています。以前は、選手がミスをしてピンチになると「なんでそんなミスをするんだ、へたくそ、やる気あるのか、お前がいるから試合に勝てないんだ」などと言って、怒鳴るだけの指導者もいました。このような、人格を否定し、全ての責任を押し付けるような言葉のかけ方は、選手に恐れや怒りの感情を起こさせます。恐れや怒りの感情は、全身の筋肉を緊張させ脳の思考力を奪い、かえって同じようなミスを繰り返し、ピンチを拡げます。指導者や仲間からの言葉かけ次第で、選手の心は動きます。適切な言葉は、選手を前向きにさせ、能力を引き出し、試合を有利に進めることができます。

 言葉の使い方は、スポーツの世界に限らず日常の生活の中でもとても重要なことだと感じています。日常の生活の中で、例えば、クラスで何かに取り組もうとした時、「つまらない」「やってもきっとうまくいかないから無駄」などと後ろ向きな言葉ばかりを言っている仲間がいると、何も決められず前に進むことができなくなります。逆に、「面白そう」「あきらめなければ必ずできる」などと前向きな言葉を言ってくれる仲間が多いクラスでは、物事を前へ前と進め良い結果を得る可能性が膨らみます。金メダルを逆転で手にしたオリンピック男子体操団体の、日本選手同士の声掛けがまさにそうでした。

また、直接面と向かって会話をしていなくても、周りに乱暴で汚い言葉が飛び交っていると、知らぬ間に、そこにいる人の心が傷つき荒んできます。逆に、丁寧で優しい言葉に囲まれていると、そこにいる人みんなが、心優しく穏やかになります。

言霊という言葉があるほど、言葉は大きな力を持っています。

2学期が始まります。仲間と一緒に生活する時間が一気に増えます。相手が傷つくような乱暴で汚い言葉は慎み、人の心を前向きにしてくれる、丁寧で優しい言葉を互いに交わし、授業やHRそして部活動に取り組んでください。特に10月末には府中工祭があります。仲間と協力してものを作る機会も増えてきます。改めて言葉の大切さを考え、行動してみてください。

2学期が、全ての人にとって、楽しく有意義な学期になることを期待しています。