校章

東京都立世田谷泉高等学校 定時制(単位制・昼夜間)

Q&A

教育理念に関する質問

Q. 学校の教育目標は何か。また、どのような生徒に育てていくのですか?
A. 教育目標は「であう・みがく・いきる」です。
  • 「であう」は人やもの出会いを大切にし、それぞれの良さを知る
  • 「みがく」は出会いを通して自分を知り、良さをみがいて向上する
  • 「いきる」は自分の生き方に責任を持ち、自立してたくましく生きる
  • 個々の豊かな自己を表現できる生徒
  • 将来の夢や目標をしっかりと確立できる生徒
  • 他人を尊重し、お互いに認め合い、助け合える生徒
  • 自信を持って学力向上に取り組み、社会の変化に柔軟に対応できる能力を持つ生徒
Q. 開校理念はどのようなものですか?
A. だれでもいつでも学べる学校
  • 自ら学習計画を立て、自分の希望する科目を選択し、学習目的に応じて時間割編成ができる学校
  • 体験学習や実習を重視し、学校独自の学習を可能とするなど教育課程の一層の弾力化が図られる学校
  • 市民講師の活用、福祉施設・企業等、地域社会に支えられ育てられる開かれた学校
Q. どのような生徒を対象としているのですか?
  • A.(1)過去に不登校や中途退学など、これまでの学校生活では自分の個性や能力を十分発揮できなかったが、基礎学力を身に付け、学習していきたいという意思をもっている生徒
  •  (2)学ぶ時間帯が選べる「3部制」、学ぶ科目が選べる「総合学科」、学ぶ計画が選べる「単位制」といった本校の特色を生かして、自らのペースで社会的・経済的自立に向けた努力を継続しようとする生徒
  •  (3)探究的な学習や学校外の学修等、様々な場面での活動を通して、「学びに向かう力・人間性」を育み、目標実現に向けて自分自身に合った生き方・在り方を考えようとする生徒

特色に関する質問

Q. 3部生の場合、日によって部を変えることはできるか?
A. 願書提出時に所属する部を決めて入学し、その部で学習することになります。入学後は、希望の部の定員に空きがあった場合のみ在学中1回に限り、転部出願することが可能です。定時制は、四年間での卒業が基本になりますので、所属する部で4時間授業を受けていきます。
 しかし、本校では3修制といって3年間での卒業を可能にする仕組みをつくっていますので、この仕組みを活用すれば、週に10時間以内の制限はありますが、2部(午後部)の授業を受けることができます。ですから、日によっては、午後部の授業から受講し、所属する部の授業と合わせて最大限1日に連続8時間の授業を受講することができます。 このように、所属する部以外での時間を有効に活用できる仕組みとなっています。
Q. 不登校生徒を受け入れる学校ですか?
A. 本校は、中学校時代に不登校を経験した生徒を含め、これまでの教育の中では自己の能力や適性を十分生かしきれなかった生徒の入学を想定して設立されました。そのため、中学校時代に不登校を経験した生徒も積極的に受け入れることができるように、入学選抜方法を工夫して、そのような生徒が不利にならないようにしています。不登校生だけを受け入れる学校ではありません。本校の系列や単位制などに魅力を感じている生徒など、多様な生徒を受け入れます。
Q. 系列に定員はありますか?
A. 系列とは、生徒が選択科目を決めるときに、選びやすいように、選択科目を内容の関連する3つのグループに分けたものです。 したがって、専門高校やコース制の学校のように、どれかの系列に所属したりすることはありませんし、また、系列ごとの定員もありません。 本校には、生活・福祉、製作・技術、創作・表現の3つの系列があります。そして、どの系列の科目でも好きな科目を履修することができます。
 このように、職業と関連させながら、数多く開講された体験学習や実技を中心とした科目の中から自由に選択し、幅広く学習することができます。
Q. 総合学科高校と既存の専門高校との違いはどこにありますか?
A. これまでの高校は普通高校と専門高校に分かれていました。普通高校は、普通科目を中心にカリキュラムがつくられています。 専門高校は、工業・商業・農業などがあり、高校卒業後実社会で役立つ職業科目を中心にカリキュラムがつくられています。
 これに対して第3の学科と呼ばれる総合学科高校は、普通科目と職業科目を同時に学ぶことができる点が新しい特徴です。 本校は総合学科高校として、3つの系列の選択科目群をおいています。また、専門高校とは異なりどの系列の科目も選択できると言う特徴をもっています。 つまり、入学後に自分の将来の進路を考えながら科目の選択をすることができるのです。これが総合学科高校の特徴です。 幅広く学ぶことができますが、深く専門的に学ぶことには余り適していないと言えるでしょう。

教育課程に関する質問

Q. 基本的に四年間で卒業とありますが、四年間で卒業単位が修得できない場合はどうなるのですか?
A. 4年間で卒業できない場合は、その後次の年に続けて勉強することが可能です。 修業年限(在籍することが可能な年限)の上限を6年間に定めていますので、その年限を超えない範囲で卒業単位を修得すれば、卒業が認定されます。
Q. 中学を卒業したばかりの生徒には、数多い選択科目の中から自分の勉強する科目を選び、独自の時間割を作ることは難しいのではないか?
A. 確かに中学校を卒業したばかりの生徒には、卒業を見通して数多い選択科目の中から自分の勉強する科目を選ぶことは難しいと思います。 そこで、本校では、1年次には全員、学習指導要領に定められた必履修科目を中心に勉強していきます。そして、これらの必修科目の勉強をしながら、
  • (1)1年次に「産業社会と人間」と言う総合学科に特有の社会の仕組みに関する学習、それぞれの系列の代表的な科目および系列の扱うさまざまな側面に関する学習を通して、自分の将来の進路を考えながら、2年次に向けて選択科目を選ぶことができるように指導をしていきます。
  • (2)また、このほかに進路部に日常的にキャリアガイダンスを行う(キャリア)ガイダンス室を設けていつでも生徒が科目選択や進路のこと、また日常の学習について相談できる体制を設けています。
Q. 入学時に3年間で卒業するか、4年間で卒業するかを決めるのですか?
A. 決める必要はありません。入学時に4年間、または3年間を見通した学習計画を立てますが、それは入学後に勉強しながら変更が可能です。 つまり、1年次から3年間での卒業を目指して勉強する生徒もいますが、2年次になってから3年間での卒業を目指し、勉強を開始することもできます。
Q. いろいろな系列の勉強ができますか?
A. 系列とは、生徒の選択や学びやすさを考えて、内容が関連する選択科目をグループとしてまとめて発表したものです。 学科やコースとは違いますので、これら選択科目の中から、それぞれの生徒は興味・関心にもとづいていろいろな系列の科目の勉強ができます。
Q. 基礎ばかり学ぶのでしょうか? 専門的なことも学べますか?
A. 教育課程の特色に基礎科目の充実をあげていますが、それと同時に発展科目も設けていますので、全日制課程とほぼ同じような勉強もできます。 ただ、本校は総合学科であり、また、開校の理念から専門学科と同じような教育課程は設置しておりませんので専門学科に比べると専門性においては充分な内容とは言えないでしょう。
Q. どの部の授業でも受けられますか?
A. 入学した部で授業を受けるのが基本ですが、本校は3修制を取り入れており、他部での受講を認めています。具体的には、
  • 1部生は5・6時限目から7・8時限目(2部の時間帯)
  • 2部生は3・4時限目(1部の時間帯)と9・10時限目(3部の時間帯)
  • 3部生は5・6時限目から7・8時限目(2部の時間帯)
から選択科目を選ぶことができます。
Q. 年次途中に科目選択の変更を可能でしょうか?
A. 履修登録時に、学ぶ科目を決定します。途中での変更は認めていません。
Q. 科目の履修を途中であきらめたらどうなりますか?
A. 次年度以降に、希望があれば再度履修することができます。

生徒指導に関する質問

Q. どんな校則を設けていますか?
A. 生徒が学校生活を楽しく過ごすために、本校では、最低限のルールを5つ定めています。
  • (1)法令に違反しないこと
  • (2)他の人権を傷つけないこと
  • (3)授業妨害しないこと
  • (4)校舎使用規定に違反しないこと
  • (5)地域住民に迷惑をかけないこと
これらについて、生徒に対して接し方は「やさしいけれども厳しく」指導します。従って、違反行為があった場合は、特別指導の対象になります。これら以外のことも、日常の教育活動の中で、生徒に対しては、生徒心得や基本的な注意事項という形で示し、生徒を指導しています。
Q. 部活動はどこで、どのような活動をするのですか?
A. 授業が1日に12時間連続して設定されていますので、他校のように放課後がありません。 そこで、授業に支障のない範囲で、体育施設や他の施設を利用して、部活動を実施しています。 具体的には、入学後に、部活動登録期間に、入部申請をし、顧問の先生と他の部員たちと相談して空き時間と活動場所を確保して部活動を実施しています。
Q. ホームルームはありますか? 担任はいるのですか?
A. 生徒の居場所とよりどころを確保するためにホームルームはあります。 ホームルームには担任を置き、生徒は全員ホームルームに所属します。 毎日ショートホームルームがあり、出席を取り、連絡などをしています。 ロングホームルームは週に1回45分間、現在は、木曜日に設けています。
Q. 学校行事はどのような形態で行っていますか?
A. 移動教室(2年次)や修学旅行(3年次)などの宿泊を伴う行事は三部合同で実施しています。 体育祭や、華泉祭(文化祭)などは、三部合同で週末の土曜日などを利用して実施します。 平日に三部合同で実施するものとしては、入学式、芸術鑑賞教室、進路体験学習、学習成果発表会、前期終業式、卒業式や修了式などあります。 これらの行事は、事前に生徒に連絡して実施しています。
Q. 不登校を経験した生徒等も積極的に受け入れるということですが、そのような生徒に具体的にどのような指導体制を考えているのですか?
A. 大きくは、三部制で総合学科で単位制をとっている定時制高校という仕組みそのものが不登校経験者にとって効果的であると考えています。入学した生徒の不登校経験者の約3分の2以上の生徒は卒業できると考えています。中学校の通級指導のような個別指導はありませんが、担任を中心にして、スクールカウンセラーの配置や、カウンセリングルームでの教育相談の実施など保健室とも連携した教育相談機能の充実により対応しています。

進路に関する質問

Q. 進学・就職指導について教えてください。大学への進学も可能なのでしょうか?
A. 本校では「自分の生き方に責任をもち、自立してたくましく生きる」ことを教育目標にしています。したがって入学から卒業年次までに計画的にキャリアガイダンスを実施しています。
①生徒自身の自己理解を深めること②職業や学問への適性を把握すること③自己の社会的な役割を認識すること④卒業後の進路決定や将来設計を行うこと、これらを卒業までに実現できるよう教科での学習、ホームルーム活動や学校行事が計画されています。
進路指導部では年次進行につれて、各種の進路ガイダンス実施や進路相談、面接試験対策等を実施しています。近年の進路実績として卒業生の約3割が大学または短大への進学、約3割が専門学校への進学、約1割が就職、残りが進学準備等となっています。
Q. 就職活動に力を入れていますか?
A. 本校は総合学科の特徴をいかし、「生活・福祉」「製作・技術」「創作・表現」の3系列の専門科目を開講しているので自己の興味関心に応じた授業を選択することで実践的な授業を受けることができます。またキャリアガイダンス的な意味合いを持った科目として「産業社会と人間」の学習を通じて職業観を育成します。
卒業予定者への就職あっせんは進路指導部が主に担当し、ハローワークをはじめとする外部機関とも連携しながら、それぞれの進路実現に向けたきめ細かなサポートを行っています。

入学者選抜に関する質問

Q. どんな入学選抜ですか? 作文の課題は?
A. 入学選抜についての基本的な考え方は、本校の設置の趣旨から、学力よりもむしろ学ぶ意欲と熱意をみることに重点をおいて、面接を実施しています。そして、作文を実施しています。 作文の課題は、これまでは本校の特色についての理解と本校で学ぶ意欲と熱意に結びついた内容となっています。
Q. 面接の形態などは?
A. 面接は面接官2人に対して受検生1人という形態で実施しています。
Q. 偏差値はどのくらいですか? どの程度の学力で入学可能なのですか?
A. 入学選抜に際して、調査書の提出を求めませんし、学力検査は実施していませんので、従来のこれらの基準などに照らしてどのくらいの成績での入学が可能かというようなことはいえません。
Q. 中学校の成績に関係なく、募集するということですか?
A. はい、そのとおりです。過去にとらわれずにこれからの世田谷泉高校での学校生活に意欲と熱意を持っている生徒を、積極的に受け入れています。

その他の質問

Q. 総合学科高校とはどんな学校ですか?
A. 従来の専門高校は、工業、商業、農業等に分かれており、さらにその中に専門の学科が設置され、各学科独自のカリキュラムが編成されていました。 そのため、在学中に他の学科の科目を学ぶことが困難であり、生徒は入学以前の段階で、高校卒業後の進路も見越して、高校や学科を選択する必要がありました。
 しかし、本校は総合学科高校であるため、入学後に自分の将来の進路を職業と関連させながら、数多く開講された体験学習を中心とした科目の中から自由に選択し、幅広く勉強することができます。
Q. 各系列ではどんなことを学習しますか。卒業までにどのくらいの科目数を学習しますか?
A. 総合学科には様々な系列がありますが、本校には、生活・福祉、製作・技術、創作・表現の3つの系列があります。
 製作・技術系列では、本校の前身である烏山工業高校の充実した施設・設備を引き継いでいますので、それらを活用したものづくり中心の体験的な学習活動が充実しています。 例えば、製図・トレースを基本にして、メタルクラフト、デザインクラフト、木材クラフト、通信ネットワーク、自動車技術、玩具技術などがあります。 生活・福祉系列や創作表現系列も、大規模改修により他校に比べて充実した施設で教育活動を行なっています。 学習内容も、生活・福祉系列では、調理、発達と保育、手話、点字、ホームヘルプ、くらしと法律、リビングデザインなどがあります。 創作・表現系列でも、施設は大変充実しており、系列の科目の例をあげると、ダンス、日本語コミュニケーション、演劇、プレゼンテーション、現代の音楽、器楽、文字芸術、素描、彫金、陶芸、写真、コンピュータグラフィックスなどがあります。 そして、学校設定科目の中でも専門性が強い科目では市民講師を招いての授業を行なっています。
 このように、各系列では多様な科目を用意していますが、必ず履修しなければならない科目数が21科目程度あり、この他の選択科目の履修の仕方では、更に15~16科目から20科目程度の選択が可能となっています。
Q. 卒業するには?
A. 卒業に関する規程では、次の4つの条件を満たすことが必要となります。
  • (1)通算3年以上、高等学校で修業する
  • (2)必履修科目をすべて履修する
  • (3)習得した科目の合計単位数が74単位以上となる
  • (4)特別活動の成果が、その目標からみて満足できる
4年間での卒業を基本としていますが、上記の条件を満たせば3年間でも卒業できますし、4年間で卒業できない場合でも6年間在籍できますので、その間に条件をクリアして下さい。
 この他、技能審査の単位の認定を行なっており、さまざまな対応科目の検定試験に合格すれば、合格した級に見合って単位を増加させて認定する仕組みが整っていますので、この制度を活用して卒業して行った生徒も多数います。
Q. 資格取得に向けて指導をしてくれますか?
A. 実用英語技能検定や日本語ワープロ検定など各種の検定試験に合格できるよう、応援しています。 その他、家庭科技術検定、カラーコーディネーター検定、計算技術検定、実用数学技能検定、実用英語技能検定、情報技術検定、情報処理技術者、基礎製図検定、日本漢字能力検定、日本語文章能力検定、レタリング技能検定等の資格を取得できる機会を設けています。
Q. 学校外の学修の単位の認定につながるものにはどんなものがありますか?
  • A.(1)技能審査 
  •  (2)高校卒業程度(大検に代わるもの)認定試験 
  •  (3)ボランティア活動 
  •  (4)実務代替
等があります。