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2024/05/31 学校行事
IT・環境科1年「環境探究基礎」が面白い!①
新学科1年生の「環境探究基礎」が4月より始まりました。この授業は、2年生後半から取り組む「課題研究」のベースとなる科目です。
そして、1年生が入学してすぐにHR合宿に行った富士山の樹海での学びや2年生で計画されている修学旅行、さらに課題研究にもつながる杉並工科高校オリジナルの科目です。
週に1回、2時間連続で行われます。1つのクラスを3つの班に分けて、3つのショップ(「環境分析」、「物理計測」、「バイオⅠ」)を回りながら、実験やフィールドワーク等を行い、仲間とコミュニケーションをとりながら学びを深めていきます。
これから少しずつ授業の様子を紹介していきます。興味を持たれた方は、是非学校見学会にお越しください。
【水質浄化のモデル実験】
今回は「水質浄化のモデル実験」の様子をご紹介します。
4月入学当初のHR合宿では、富士山の裾野に富士五湖が存在し、透明度が高く豊かな地下水に恵まれた環境であることを学びました。
私たちは湖や河川、地下水などの水を浄化して、飲料水に活用しています。水質を浄化する方法の一つに「物理吸着」があります。
今回は、10ppm(mg/L)のメチレンブルー溶液を活性炭で浄化しようというモデル実験です。
市販の活性炭以外に課題研究で先輩が作製した竹炭、卵の殻を細かく砕いた物の3つを吸着材として使用します。
市販の活性炭に対して、竹炭と卵の殻にハンデを与えての浄化実験とします。
始めに吸着材の性能をグループで相談し、浄化能力の順位を決めます。
物理吸着の原理を参考にして予想し、各グループごとに理由と共に予想順位を発表します。
メチレンブルー100mlに活性炭0.05g、竹炭0.50g(活性炭の10倍量)、卵の殻1.00g(活性炭の20倍量)をそれぞれ入れて、スターラーを使い5分間撹拌します。
実験中に観察し、メモを取ります。
実験中に気になることはPCで調べます。
約20分静置します。
左が市販の活性炭、中央が卵の殻、右が竹炭です。
活性炭は、凄い。透明になっています。
卵の殻は、白かった殻が青や水色に染まっています。
竹炭の溶液は、粉末が液面に浮いています。
各溶液の上澄み液を駒込ピペットでとり、小型のガラス容器に入れます。
ガラス容器を分光光度計にセットし、メチレンブルー溶液の吸光度を測定し、濃度を求めます。
波長をメチレンブルーの最大吸収波長に合わせて、吸光度を測定します。
さあ、各グループの予想は当たったでしょうか。
実験前に10ppm(mg/L)だった溶液の濃度は、どのくらい減少したのでしょうか?
卵の殻と竹炭を使ったメチレンブルーの溶液の色は、どちらも少し薄くなりました。
最後に減少したメチレンブルー溶液の濃度を表にまとめて、グループごとに考察します。
活性炭と他の吸着材との違いは何か、竹炭も卵の殻も撹拌時間を長くしたり、添加量を増やせば浄化能力が向上するかも、卵の殻は粉末にして表面積を増やしたら良いのでは、吸着材の表面を顕微鏡で見てみたい、吸着面を分析してみたら、などなど考えが深まります。
ここがこの授業の一番大切なところです。この部分を発展させると課題研究へとつながります。
どうですか、面白いでしょう。ここが面白いと感じる人は、杉並工科に合っています。
そして、実験後のメチレンブルー溶液の濃度が気になる人は、杉並工科に入学してください。一緒に探究しましょう!