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東京都立杉並工科高等学校

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2023/09/01 校長便り

校長便り 20230901

9月1日(金)2学期が始まりました。

朝、先生方は昇降口前に立って「おはよう」の挨拶で、久しぶりに登校してきた生徒たちを迎えました。

始業式は、床張り替え工事で体育館が使えないため放送で行いました。校長講話では以下のような話をしました。

 夏の甲子園は、神奈川県代表の慶応高校が107年ぶりに優勝しました。慶応高校の部員は髪が長いことや、練習は選手が主体的に行ってきたことなど、これまでの高校野球の常識とは違う新しい形を見せてくれました。キャプテンが試合後のインタビューで、「日本一とか常識を変えたいとか大きなことを言ってきて、笑われることやいろいろ言われることもあった。つらい思いが全部報われた」と振り返っていました。とても話題が多いチームで、その言動や行動に賛否両論があるほどでした。私が最も印象に残ったのは、監督の試合後のことばでした。「100人を超える大所帯で甲子園のベンチに入るのは20人。でも、その他にいろんな仕事があっていろいろな役割を全うしてくれたので、本当に全員の勝利です。」と語っていました。チームの上に立つ指導者が、まず、「試合に出れない部員を含め100人全員が役割を全うしたことが優勝できた一因でした」と感謝の気持ちを込めて述べていることから、大所帯でありながらチームワークはとても良いのではないかと思いました。そのことは、テレビに映る応援団席にいる80人が、20人の選手に負けないぐらいの笑顔で応援する姿や、ベンチにいた20人が応援団席に向かって手を振るしぐさなどからも感じ取れました。試合で勝つためには、技術とフィジカルが備わっていることが条件ですが、チームワークはプラスアルファの力を引き出すためにとても重要です。チームワークが良いチームは、たとえ技術とフィジカルに劣っていても試合に勝てることがあります。今回の決勝戦も、仙台育英の選手のほうが体は大きくフィジカルは少なくとも上回っていたと思います。それでも慶応が勝ったのはチームワークの良さがあったからかもしれません。

 チームワークは育てるものです。チームを引っ張るリーダーと支えるフォロワーがいて、全員が同じ目標を持ち、チーム内で自分がすべきことをしっかりと理解し、それぞれが積極的に取り組むことでチームワークが育ちます。10月に行われる杉工祭では、クラスというチームで一つの作品を作り上げます。より良い作品に仕上げるためにチームワークが必要です。皆さんには、より良いチームワークを生むために自分はどんな役割があって、どう取り組むべきかしっかりと考えてみてほしいと思います。チームワークが良いクラスは、よい作品を作り出すだけでなく、その制作の過程は、そこにいるメンバーにとって、とても楽しく充実したものになると思います。また、3年生は、進路活動が真っただ中だと思いますが、進路活動もチーム戦です。志を一つに、仲間同士で声を掛け合い、時には励ましあいながらチームワーク良く取り組み、クラスの全員が希望進路を実現することを目指してほしいと思います。

 今日から2学期が始まります。チーム杉工の皆さん、学校行事、進路活動にそして授業に部活動に、チームワーク良く積極的に取り組み、結果として大きな成果が上がることを期待しています。