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東京都立杉並工科高等学校

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2023/07/20 校長便り

校長便り 20230720

 7月20日(木)1学期終業式を体育館で行いました。連日猛暑が続いていますが、体育館は空調を利かせてわずかですが涼しさを感じながら行うことができました。校長講話では以下のような話をしました。

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 先日、避難訓練が行われました。今回は、皆さんの主体的な行動が求められる訓練でした。一緒に訓練に参加しましが、皆さんの行動は素晴らしかったと感じました。何が素晴らしかったのか、一番に感じたことは、避難場所の体育館まで移動するとき、ほとんどの人が無駄なおしゃべりをしていなかったことです。なぜ、災害時で避難するとき、無駄なおしゃべりをしてはいけないのか。以前、消防の方から聞いたことがあります。災害時の混乱した状況の中で、無駄なおしゃべりが原因で、間違った情報がデマとなって町に流れ、2次的な被害が起きることがよくある。だから、無駄なおしゃべりはいけない。といった内容の話でした。100年前に起きた関東大震災の時には、朝鮮の人たちが井戸に毒を入れたというデマが広がって、大虐殺につながった不幸な出来事もありました。

 無駄なおしゃべりをしないことも大切なことですが、受け手側が、情報を正しく認識することもとても重要です。SNSなどを通じて情報があふれている今日では、正しい情報を選択する力はとても重要です。 たくさんの情報の中から、正しくて必要な情報だと判断するには、判断するための材料(知識)が自分に備わっていなければできません。判断材料(知識)は、様々な経験や勉強、読書などで身につきます。なかでも学校での勉強はとても有効です。学校で教わることの大体は正しいことなので、学校で教えられることを身につければ、それを材料にして、正しい情報かどうか判断することができるようになります。HRで1学期の成績表が渡されると思います。そこには、1学期勉強したことが身についているか数字で示されています。成績が振るわなかった人は、もう一度教わったことを振り返り、あきらめずに身につけてほしいと思います。そこで身につけた知識が、今後、情報を選択しなければならないとき、正しい判断に導く材料になると思います。

 ここで、東京都教育委員会から、皆さんへ向けてメッセージがきているので伝えます。性暴力に関することです。自分の心や体を性暴力等から守るためには、距離感が必要です。距離感には体の距離感と心の距離感があります。不快に思う距離は、人によって違います。近寄られるだけで嫌がる人もいます。相手が近づいてきて、嫌だなと感じたら、自分の距離が守られていないことです。皆さんが嫌だと思うことは嫌だと伝えることができます。相手が嫌がっているのに、性的な言葉を言ったり、体を触ったり、見せつけたりする等、性的な言葉や行動で、人を傷つけることを、性暴力と言います。体に触る行為だけが性暴力ではありません。LINEやメールで性的な言葉を送って、人を傷つける行為も性暴力に含まれます。性暴力は、どんな理由があっても、誰であっても、決して許されるものではありません。性暴力の被害にあった人たちは、体調が悪くなったり、嫌な気持ちになったりするだけでなく、自分が悪いのではないかと思ってしまうこともあるそうです。でも、決して被害に遭った人は悪くありません。悪いのは、性暴力を行う人であり、それは誰であっても許されることではないのです。あってはいけないことなのですが、もしその相手が、学校の先生の場合であったとしても、性暴力は、決して許されることではありません。令和4年4月1日、「教育職員等による児童生徒 性暴力等の防止に関する法律」が定められました。この法律には、性暴力の被害に合いながら学校には相談できない場合のため、学校以外に相談できる場所を設置することについて記されています。後ほど、相談できる場所を記した「相談シート」を皆さんにTeamsで配信します。連絡すると、性暴力の相談にのってくれて、皆さんのことを助けてくれます。また、この用紙に相談したいことを書いて、糊付けをすれば、切手無しでも郵送で相談することができます。自分が、性暴力を受けていないとしても、友だちが性暴力を受けるのを見たときは、迷わず相談してください。ぜひ一人で悩まないで、相談してください。

以上で講話を終わります。

夏休み明け9月1日に元気な姿をまた見せてください。