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東京都立杉並工科高等学校

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2022/09/01 校長便り

校長便り 20220901

9月1日(木)2学期がスタートしました。夏休みがとても充実していたと思わせるほど、登校した生徒たちの顔は生き生きとしていました。

今日は、始業式、防災講話、HR活動を行いました。始業式では校長から以下のような講話をしました。

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夏の甲子園では、仙台育英高校が東北勢初の優勝を飾り、大いに盛り上がりました。

高校野球をテレビで見ていて、たとえピンチの時でも笑顔でプレーする選手が、最近特に多くなったと感じています。

例えば、立て続けにヒットを打たれてピンチになった時、守っていた選手がピッチャーの周りに集まって円陣を組み、言葉をかけ合う。すると、それまで引きつっていたピッチャーの顔が急に緩み、集まった全員が笑顔になる。このような光景を皆さんも見たことがあると思います。

笑顔は、全身の筋肉や脳の働きを柔軟にしてくれることが、科学的に証明されています。笑顔でプレーする選手のいるチームの指導者はそのことを知っていて、日頃から適切な言葉をかけ、ピンチの時こそ笑顔でプレーすることができるように指導しています。

以前は、選手がミスをしてピンチになると「なんでそんなミスをするんだ、お前らは馬鹿か、だから試合に勝てないんだ」と言って、怒りまくる指導者も中にはいました。このような、人格を否定し、全ての責任を押し付けるような言葉のかけ方は選手に恐れや怒りの感情を起こさせます。恐れや怒りの感情は、全身の筋肉を緊張させ脳の思考力を奪い、同じようなミスを繰り返させてしまいます。

指導者や仲間からの言葉かけ次第で、選手の心は動きます。適切な言葉は、選手を前向きにさせ、能力を引き出し、試合を有利に進めることができます。

言葉の使い方は、スポーツの世界に限らず日常の生活の中でもとても重要なことだと感じています。

日常の生活の中で、例えば、クラスで何かに取り組もうとした時、後ろ向きの言葉ばかりを言っている仲間がいると、何も決められず前に進むことができなくなります。逆に、前向きな言葉を言ってくれる仲間が多いクラスでは、物事を前へ前と進めることができます。また、人は乱暴で汚い言葉を聞かされ続けていると、知らぬ間に、心が傷つき荒んできます。逆に、優しく丁寧な言葉を聞いていると、心は優しく穏やかになります。

2学期が始まります。仲間と一緒に生活する時間が一気に増えます。授業や行事では、仲間と協働してものを作る機会も増えてくると思います。

特に10月末には杉工祭があります。杉工祭に向け、改めて言葉の大切さを考えてみてください。そして授業やHRでは、優しく前向きな言葉を互いに交わしながら、人の心を動かし、力を合わせてよりよいものを作り出してみてください。

その結果として皆さんが創り上げた作品を、杉工祭で見られることを楽しみにしています。

2学期、授業に部活動にそしてHR活動に全力で頑張ってください。