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東京都立杉並工科高等学校

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2022/03/05 校長便り

校長便り 20220305

令和4年3月5日(土)春の日差しを感じる好日。第57回卒業式を行いました。

卒業生の皆様そして保護者の皆様、おめでとうございます!

【校長式辞】

厳しい寒さが続いた冬も峠を越え、ほころびを見せる桜の木のつぼみに春の訪れを感じさせる今日のよき日、保護者ご家族の皆様のご列席の元、東京都立杉並工業高等学校第五十七回卒業式を挙行できますことはこの上ない喜びです。

只今、百十七名の生徒の皆さんに、卒業証書を授与いたしました。

皆さんは、新型コロナウイルスの猛威に晒されながらも、入学以来、未来のスペシャリストを目指し、勉学に励み、本校教育課程を無事修了しました。教職員を代表して、皆さんの卒業を心よりお祝い申し上げます。

この間、皆さんは、学習面において、毎日の授業に真剣に取り組むだけでなく、日々のレポート課題や放課後講習などにも真面目に取り組み、着実に学力を伸ばし、自らの可能性を拡げ、卒業後の進路を切り拓いてきました。

また、学校行事や部活動などについては、コロナ禍にあって様々な制限がかかる中、自他の命、健康を守ることを最優先に、今できること、今やらなければならないことを、自ら考え、仲間とともに実践してきました。

柔道部は都立高校の星として、大会では私立の強豪を次々に破り、東京都ベスト8まで上り詰めたこともありました。課題研究で制作したマイコンカーを駆使して出場したジャパンマイコンカーラリー南関東ブロック大会では、3部門で優勝し全国大会出場権を得る快挙を成し遂げました。また、3学期始業式でも話しましたが、困っている人に手を差し伸べることができるやさしい人や、元気な挨拶で学校を明るくしてくれる人も大勢いました。

皆さんの、学習に真面目に取り組む姿や、学校行事や部活動に主体的に取り組む姿、そして困っている人に手を差し伸べる姿は、後輩たちの模範となり、杉並工業高校に善き風土を根付かせてくれました。

皆さんの年間の活躍に、心から感謝いたします。

明日から皆さんは、企業・会社に就職する人や、専門学校・大学に進学する人など、それぞれが新たな世界、新たな社会に一歩踏み出すことになります。

皆さんを迎える新たな社会には、今回のような未知なるウイルスの脅威や自然災害による不安、地球環境問題、少子高齢化問題、また、平和を揺るがす国際紛争など、様々な課題が散在します。

皆さんは、この散在する課題に立ち向かっていかなければなりません。

今はまだ、自分が社会に対してどれほどの影響力を持てるのか、実感できる人は少ないかもしれません。しかし、皆さんは間違いなく、あらゆる課題を解決に導きながら、平和で安全な、よりよい日本の社会を築き上げていく一員であり、また、その責任を負っている一人です。

コロナ禍で、我々には様々な行動制限が加えられました。そこで改めて認識したことは、平和で安全な、よりよい社会を築き上げるために、何よりも大切なことは人と人とのつながりであり、つながりを大切に思う心でした。

いつの時代でも、人のことを思いやる優しさと、人とのつながりで、人々は大きな力を得てきました。皆さんは在学中からいつも笑顔や挨拶を絶やさず、他人への思いやりを行動に示してくれました。皆さんの挨拶や行動は、私を含め周りにいる人に元気と安心感を与え、優しい気持ちにさせてくれました。コロナ禍においても、その後においても、皆さんのような人が、社会には何より必要です。

最後に、これからの長い人生、時には失敗や挫折などの逆境に出会うことがあるかもしれません。そのような時は、杉並工業高校で過ごした仲間との思い出や、一生懸命に取り組んだものづくりの経験を思い出してください。必ずや皆さんに力を与えてくれることと思います。

卒業生の皆さんの今後の御健康と大いなる活躍、そして幸せを祈念して式辞とします。

 令和四年三月五日     

東京都立杉並工業高等学校長 高野 学