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東京都立杉並工科高等学校

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2021/01/04 校長便り

校長便り 20200104

1月4日(月)例年より早い3学期始業式を迎えました。久しぶりの登校でしたが、生徒の元気な姿を見ることができました。始業式の講話では以下のことを話しました。

【校長講話から】

 明けましておめでとうございます。こうしていつも通り年明けの挨拶が交わせることの尊さを感じます。

 学校は3学期に入り学年のまとめの時期となります。何事も初めと終わりは肝心です。特に3年生、これまで本当によく頑張って杉並工業高校を引っ張ってきてくれました。残りの高校生活を充実させ、ぜひ有終の美を飾ってください。2年生・1年生は、人によっては様々な困難を乗り越え、何とかここまでたどり着いたと感じている人もいるかもしれません。残り数週間では、全員が次の学年に進級を目指し、授業や講習、部活動に精いっぱい取り組んでほしいと思います。

「一隅を照らす」という言葉があります。 

 令和元年、アフガニスタンで銃弾に倒れ亡くなられた中村哲医師が、生前によく口にしていた言葉です。もともとは仏教の天台宗最澄が残した「一隅を照らすもの、これ国の宝なり」という教えで、「片隅であっても、それぞれの立場で市いっぱい努力する人は、何物にも代えがたい国の宝だ」という意味だそうです。中村医師は、戦争が絶えないアフガニスタンに医者として赴き、無医村に診療所を開いたり、きれいな水を得るため灌漑設備を作ったりと、政情が不安定で貧困が進む世界の片隅で、困っている人に手を差し伸べて精いっぱい努力してきました。まさに、「一隅を照らす」の言葉を自ら実行した人でした。その中村医師は生前、若い人た「一隅を照らす」という言葉から、「例え片隅であっても、それぞれの立場で誠実に精いっぱい努力することで、その場所に小さな光が灯される。やがて、あちこちの小さな光が集まり大きな光となって、地域や社会を照らすことができる。」と伝えています。

 新型コロナウイルスの猛威に晒されている中ですが、皆さんはこれまで、学校で、クラスで、そして家庭で、感染防止に努め、できること、やるべきことを誠実に精一杯取り組んできました。まだ解決の目途は立っていませんが、皆さんの感染防止に努めてきた行動は「一隅を照らし」、医療崩壊など社会全体に及ぼす深刻な事態を阻んできました。
 「一隅を照らす」は、社会の一員として生きていく上でとても大切な考え方です。皆さんには、まだ続くコロナ禍も、そしてコロナ後も、それぞれの立場で、やるべきことを誠実に精一杯取り組み、今いる場所を明るく照らすことができる人であり続けて欲しいと思います。

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