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東京都立杉並工科高等学校

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2020/12/25 校長便り

校長便り 20201225

本日、12月25日(金)令和2年度2学期終業式を放送で行いました。

コロナ禍にあっても、コツコツとできることに全力で取り組み、自らの成長につなげてきた生徒たちに、校長講話でメッセージを送りました。

先日、地域の方や中学校の先生方に杉並工業高校に来ていただきました。来ていただいた方々の第1声は、「生徒の皆さんがとてもよく挨拶してくれて大変気持ちがいい」でした。中には、「会場の教室まで案内をしてもらいました」と嬉しそうに話をしてくれる人もいました。そして、その後には「以前の杉工とは変わりましたね、落ち着いた雰囲気を感じます」と言っていただきました。皆さんのさわやかな挨拶や気配りが、きっと来校した人たちの心に触れ、杉並工業高校に持っている印象をよいものに変えたのではないかと思います。
皆さんが実践するこのよき文化がこれからも引き継がれていき、「杉高といえば、さわやかな挨拶」と、代名詞のようになることを望んでいます。

2学期、機械科製図の授業を見る機会がありました。立体図を描いていましたが、立体を上手に製図するためには、立体物の裏側の見えていない部分をイメージできる想像力が必要だと思いました。この見えない部分をイメージする想像力は、製図する時に大切な力ですが、製図以外でも、生活の中の様々な場面で必要な力であり、人生をより良く生きる上でとても大切な力です。
例えば、見えない部分をイメージする想像力が豊かな人は、コミュニケーション力が長けていて、人間関係を良好に保つことができると言われています。
朝、登校して初めて会った友達に「おはよう」と声をかけたところ、その友達は何も言わず無視して通り過ぎたとします。もしこのようなことが起きた時、仮に、目に見えた事実だけで判断すると、「挨拶したけど無視された」ことになり、感情としては気分が悪く場合によっては怒りや悲しみがわき起ってきます。怒りや悲しみが強いと正常な判断を鈍らせて、トラブルを引き起こす可能性もあります。しかし、もしこの時に想像力があれば、「声が小さくて聞こえなかったかもしれない」とか、「考え事をしていて耳に入らなかったのかもしれない」などと相手を思いやり、「しょうがない、もう一度大きな声で声をかけよう」と判断することができるかもしれません。そうすれば、怒りの感情は起きず、心穏やかに保ち無駄なトラブルを起こすことも回避できます。
想像力が豊かであれば、怒りや悲しみなどの感情をコントロールできます。感情をコントロールすれば、その後の行動が変わります。行動が変われば、その人の生き方が変わります。生き方が変わればその人の運命も変わります。
目に見えない裏側をイメージする想像力は、より良い人生を送る上でとても大切な力です。
皆さんには、これからも、未来のスペシャリストを目指し、授業や部活動、HR活動を通じて、物事の裏側をイメージする想像力を磨いて欲しいと思います。

話は、変わります。皆さんには、先日体罰の聞き取り調査に協力してもらいました。学校に体罰はあってはならないものと考えています。もし身の回りで気になるようなことがあれば周りの大人に相談してください。本日、保護者へのお知らせを配りましたその裏に相談する場所の案内が印刷されています。保護者の方にもその旨を伝えてください。

今年は、新型コロナウイルスの感染拡大で年が明け、その感染拡大は年末の今もなお続いています。我慢しなければならない時はまだ続きます。くれぐれも体調管理には気を付けてください。年明け1月4日に、全員が元気な顔で登校することを願っています。 

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