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東京都立杉並工科高等学校

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2020/08/24 校長便り

校長便り 20200824

8月24日(月)2学期始業式を行いました。時を合わせたかのように、昨日までに比べ気温が下がり比較的過ごしやすい日となりました。始業式は教室において放送で行いました。校長講話では以下の内容で話をしました。

 おはようございます。例年になく短い夏休みでしたが、自分のやりたいこと、やるべきこと、できることに取り組むことができたでしょうか。きっと皆さんそれぞれ、部活動や進路活動あるいは家のお手伝いなどに取り組んできたことと思います。夏休み期間中、学校では、中学生とその保護者を対象に学校見学会を行いました。その際に、生徒会役員の人に受付や誘導を手伝ってもらい、会の最後には学校の様子や印象を中学生・保護者の前で話してもらいました。事前に自分の考えを紙にまとめ、何度か先生に助言をもらって手直しし、本番は聞き手に伝わるよう自分の言葉でしっかりと話すことができました。その一生懸命相手に伝えようとする姿を見て、きっと、中学生や・保護者は感銘を受け、その言葉は、最も心に残る言葉になったのではないかと思います。
 言葉について話を続けます。八村塁を知っていますか。日本人で初めてNBAドラフト会議1巡目指名を受けたプロバスケットプレーヤーです。今や日本で一番有名なアメリカプロスポーツ選手かもしれません。
その彼は中学からバスケットを始めました。そのため小学校からバスケットを始めた周りの選手に比べ、力が劣りうまくいかないことが多く、何度も辞めたいと思ったことがあったそうです。それでも、当時のコーチからは「君はNBAプレーヤーになる」「絶対、君はNBAプレーヤーになる」と繰返し、繰返し言葉をかけられていたそうです。
言葉をかけられているうちに、へたくそな自分でもNBAプレーヤーになれるんだと思い込むようになり、常にNBAで活躍する自分の姿をイメージしながら練習し、文字通り夢物語を実現させました。
 日本には言魂という考え方があります。言葉には魂が宿り、声に出した言葉が周りの人や物ごとに対して何らかの影響を与えると考えられています。まさにコーチの言葉は、言霊として八村選手を動かし、今の地位を築き上げることができたのだと思います。
 言霊についてはこんなことも言えます。明るく前向きな言葉は人を元気にしてくれます。しかし、暗く後ろ向きな言葉は人を落ち込ませます。優しく丁寧な言葉は、人の心を穏やかにしてくれます。しかし、乱暴で汚い言葉は、人の心を殺伐とさせます。新型コロナウイルスの脅威が続き、ニュースなどからは後ろ向きな言葉が飛び交い何となく不安を感じさせ、SNS上では、コロナウイルス感染症に関する誹謗中傷や差別の言葉が載せられるなど、多くの人を傷つけ悲しませ、世の中を殺伐とさせているケースもあります。
 このような時こそ、八村選手のコーチのように、言葉を上手に使い、夢や希望を感じることができる雰囲気をつくり、生徒会役員生徒のように、相手のことを思いやり丁寧に言葉を使い、多くの人が心穏やかに感じることができるようにすることが、大切だと思います。

2学期は、学校で仲間と生活する時間が長くなります。言葉には魂が宿ることを忘れずに、思いやりの心をもち、言葉を上手に使いながら、仲間ととともに、勉強に部活動に進路活動に一生懸命取り組んで欲しいと思います。IMG_0128.JPGIMG_0130.JPGIMG_0134.JPGIMG_0136.JPGIMG_0135.JPGIMG_0132.JPG