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【10月23日】創立100周年記念式典を挙行しました。(今日の新宿)

好天に恵まれた本日、創立百周年記念式典を挙行しました。
在校生代表、同窓会代表、来賓の方が本校体育館に一堂に会して実施しました。
代表以外の生徒は自宅でオンライン視聴しました。
1部の式典に引き続き、2部では本校同窓会会長青柳様による公演、管弦楽部、音楽部の演奏(動画)、チアリーディング部による演技が披露されました。

本校にとって節目の年の今年、式典を終え、新たな百年に向けてスタートを切ることになります。


本日の式典の式辞は以下の通りです。

東京都立新宿高等学校創立百周年記念式典 式辞
 
本日ここに、東京都立新宿高等学校創立百周年記念式典を、同窓会の皆様、歴代の校長先生方、本校を支えていただいている学校運営連絡協議会委員、PTA役員の皆様をはじめとする来賓の皆様にご参列いただき、挙行できますことは誠にうれしく、まずは、生徒、教職員を代表してお礼を申し上げます。
さて、本校は、大正十一年(一九二二年)に、東京府立第六中学校として誕生し、最初の入学生を迎えました。初代阿部宗孝校長の唱えた「全員指導者たれ」の精神は、現在も校是として、脈々と受け継がれています。私たち教職員は、そういう長い歴史を持つ学校で、そして百周年という節目の時に本校で働いているということをあらためて認識しておきたいと感じています。
創立以来、大正、昭和、平成、令和と4つの時代を経る中で、様々な試練の時がありました。創立の翌年には関東大震災、昭和に入ると戦争の影がひたひたと忍び寄り、第二次世界大戦という大きな戦争を経験しました。本校の草創期は誠に苦難の連続であったことと思います、そのような中、本校の礎を築き上げた先人たちの苦労と功績に、今思いを致さずにはいられません。また、大正十三年には本校の定時制の前身となる私立東京六中夜学校が開校しました。本日は、平成二十二年に惜しまれつつも閉課程となった定時制の同窓会北斗会の代表の細川様にもおいでいただいています。
昭和二十五年に東京都立新宿高等学校と学校制度の改正とともに名前を変え、戦後の復興とともに本校の発展が進みました。
平成十五年には進学重視型単位制高校として再編され、大学進学のために、単位制高校という利点を活かした教育課程を編成できる学校として新たなスタートをきりました。
しかし、一見順調に見える歩みの中でも、平成二十三年には東日本大震災という大きな災害にあいます。この大震災の際には、今皆様がいるこの建物に三千人ともいわれる多くの方が、帰宅困難者として避難をしてきました。その時、その場に居合わせて生徒たちは、帰宅困難者のため急遽様々なボランティア活動に従事し、自分自身も帰宅できない不安の中でよく働いてくれたときいています。
本校はそれぞれの時代における大きな波を乗り越え、有為な人材を送り出し続けてまいりました。今、東日本大震災の折の生徒たちのはたらきをお話ししましたが、それに負けない多くのよき取組をその時そのときの生徒たちがなすことをとおして、府立六中、新宿高校の輝かしい実績となり、伝統として、今に息づいていると考えております。
そして、令和の今、新型コロナウイルス感染拡大という百年に一度ともいわれる厄災の中に私たちはあります。誰もが経験したことのないパンデミックという事態を前に、この世界には既存の知識や考え方では容易に解決に至らない大きな問題があるということを、日々の教育活動の中で実感させられるものとなりました。さらに、パンデミックにとどまらず、様々な価値観が交錯する中、争いも生まれています。私たちの考え方や既存の解決方法の延長線上に、これらの問題の解決はないということがより鮮明になってせまってきています。
これまで、本校は三万人を超える卒業生を輩出してきました。多くの先輩が優秀な指導者たるべく社会に向けて巣立ち、現に指導者として社会の様々な場面で先頭になって課題を解決しています。今後、現在の状況にあって、現実を直視し、それをどのように認識し、どのように判断し、そしてどのように行動するかが、極めて重要な意味を持つことになります。
新宿高校はこのような難局の中、創立百周年を迎えました。しかし今、新型コロナウイルスについて様々な知見が積み上げられ、少しずつ世界が前進しようとしています。そして、本校は輝かしい伝統の一つの区切りを迎えました。
ここで、伝統について少しお話ししたいと思います。伝統は学校などの集団や社会において、歴史的に形成・蓄積され、世代をこえて受け継がれたものです。
 本校においては、大正十一年に創立されて以来、先ほど述べた校是以外にも、語り継がれている言葉や考え方、行事、歌い継がれている歌があります。これらは単に百年間繰り返されてきただけのことというものではなく、それを繰り返す中で、精神的、文化的な遺産として受け継がれ、本校で学ぶものの支柱をなすものとなっています。
 このような伝統の下で、本校で学んだ生徒たちは、三万人もの同窓生という一生の財産を得ることになります。社会の中で様々な舞台で活躍する本校につながる方たちは、創立以来の大家族主義のもと、互いに本校で学ぶ中だけでなく、卒業し、社会に出たときにも、大きな力となってそれぞれが応援しあい、日本をリードしてきたことと思います。そして、本校で学んだ同窓生がつながるアイテムが、伝統です。ここに集う同窓生、在校生のみなさんが出会い、語らうとき、ともに聞いた言葉があり、経験した行事があり、同じように歌った歌があることで、同じ学び舎で学んだというつながりが深まり、新宿高校の大家族という世代を超えた関係を容易に構築しうるのです。
 そのような意味で、これからも本校は行事をはじめ、様々な学びや本校の伝統を大切にしていきたいと考えております。
そして、あらためて言わせていただければ、本校の創設の根本精神である校是は「全員指導者たれ」です。校是である、「全員指導者たれ」を実現するために、本校の教育の柱は自主・自律・人間尊重としています。リーダーとして、周りの人々とともに困難に果敢に立ち向かう努力ができる自主性と、常に自分がリーダーとしてふさわしい知識や行動力があるかを振り返り律することができる自律、そして周りのすべての人々の人格を重んじ、その人たちが最大限の力を発揮できるよう導いていける人間尊重の精神、これらを本校での学校生活の中で、これからも培っていきたいと考えております。
六中健児の歌にあります。
湧き出る若き力 揺るがぬ意志もて 
奮闘と努力やまず 我等六中健児 
いざ進め撓まず往け 
校旗を四方に輝かせよ 
コロナ禍の終息や世界の平和が願われる、この今の難局にあってこそ、新宿高校に連なる在校生の諸君、同窓生の皆さん、そして私たち教職員も、これからの新しい時代に向けて、「新宿高校の新たな百年」への歩みを踏み出し、世界の課題を果敢に解決できるよう、互いに手を取り合って、大家族主義の精神のもと、進んでいこうではありませんか。
 
 令和四年十月二十三日
東京都立新宿高等学校長  藪田 憲正
 
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